第4話:冷笑
現場へ着くなり、辺りは緊張につつまれていた。
そして現場にいた地元の警察署の警官をつかまえる。
「状況は?」
「特異能力者と思われる男が、力を使い辺りを破壊しております。この区画の閉鎖は終了しており、民間人の避難は完了しております。幸いこの地区は、再開発地区の為周辺のビルなど居住者はおりません」
「そう。その男の身元は?能力者名簿に該当は?」
「あります。しかし・・・・・・」
急に言葉を濁した警官を見上げ沙紀は、目で続きを促す。
「例の特例名簿に該当している為、我々に手を出す権限がありません」
警官の言葉に沙紀は、眉を思い切りしかめて溜息をつく。
「彼等の本部に連絡はしたの?」
「はい。しかし、あちらからの人員の派遣が一向に無い為、特異課へ要請ということになりました」
「やっかいごとはすべて丸投げかよ」
ボソリと呟く沙紀を見て、大祐は沙紀の機嫌が地の底にまで落ちたことを悟った。
「それで、その能力者は今どこに?」
「現在は、この2ブロック先の行き止まりに向かっています」
「仕方ない。私が犯人の足を止めます。貴方達は5メートル離れてついて来て。そして、合図が上がったら犯人確保に動くように」
「了解です」
警官は、他の警官に命令を告げるために足早に去って行った。
「また例の案件ですか。この頃、多いですね」
「本当に。これ以上こちらに迷惑をかけるようなら本当に家宅捜索しようかしら」
「いくら何でも罪状がなければ無理なのでは?」
大祐の言葉に沙紀は背筋も凍る絶対零度の笑みを浮かべる。
「そんなもの適当にでっちあげればいいのよ。捜索すればきっと、色々楽しい物が出てくるでしょうね。ふふふふ」
(怖い、怖いです!沙紀さん)
大祐は、ひきつった笑いを浮かべながら適当に相槌を打った。
(これは本気だ、沙紀さんなら本気でやる。それにしてもやっかいだよな、あの特例名簿は)




