第40話:見取り図
封筒から出てきた図面は、同じ建物のもの。しかし、作成された日付が違う。
「新しいものはそっちで。こっちはかなり古いな……」
「ちょっと、大祐君。私が言ったことちゃんと聞いていたの?」
給湯室から戻った皐月は、仮眠室に行ってない大祐を見て眉をつりあげる。
「皐月さん。これ見てください」
皐月は、大祐の手から2枚の紙を取り見比べる。
「図書館の見取り図? 何だってこんなもの。これがどうしたの?」
「沙紀さんの鞄から出てきました。多分、捜査に関するものだと思うんですが」
「さっちゃんの鞄から? 作成日が随分昔なのね、こっち。学院になる前のかしら」
「そうだと思います。多分、前の所有者の頃ですね」
「ああ、華族だったていう? 分かったわ、これは私が調べておくから、あなたはさっそと仮眠室に行きなさい」
ビシッと指で出口を指された大祐は、皐月の命に黙って従うことにした。
「戻ったぞ」
大祐が仮眠室へ向かってから1時間後、田丸が本部へと戻って来た。
「お帰りなさい。何か収穫は?」
「特にない。ただ、気になることがあったんでちょっと依頼をな。で、姐さんは何をしてたんだ?」
大きめの2枚の紙を机に並べている皐月の姿を見て田丸は、尋ねる。
「さっちゃんの鞄から出てきたもの。とりあえず、調べはついたわ。あと少ししたら大祐君を起こして報告するわ。だから、その時に田丸もその気になることを教えてちょうだい」
「了解。そういやさっき海里に顔を出したんだが、ここ数日杉浦さんが休みを取ってるらしい」
「杉浦さんが?ああ、だから病院に来なかったのね。彼なら何をしてても優先して着そうなのにおかしいとは思ってたの」
「何か怪しいんだよな」
「別に休暇ぐらいめずらしくないでしょう?」
「ああ、そうなんだけさ」
「何、あなたまでカン?」
「俺までって?」
皐月の言葉に田丸は首を捻る。
「大祐君がね、本当にこの事件は薬物密売だけなのかって」
「大祐が? あいつが言ったんならシャレにならんな」
「そうね、とりあえず今は外れて欲しいわ」
皐月の真剣な声に田丸も同じくらい真剣に返す。
「本当にな」




