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第26話:天見 華音

 部屋にいたのは、少女と初老の女性。転校生とこの学院の理事長だ。

 「理事長。クラス委員の三瀬さんを連れてまいりました。転校生が学院に馴染むまでの間、彼女にお世話を頼もうかと」

 沙織が一礼すると理事長は、微笑んだ。

 「それはいいですね。生徒会長でもある貴方なら安心です。では紹介しましょう。彼女が転校生の天見 華音あまみかのんさん。天見さん、担任の安藤先生と三瀬さんです」

 「初めまして、天見 華音です。よろしくお願いします」

 細い可愛らしい声で挨拶をする姿を見て、沙織はきっと注目の的になるだろうと思う。

 「担任の安藤です。急な転校で大変でしょうけど、皆良い子ばかりだから安心してちょうだいね」

 「はい」

 沙織も華音に声をかける。

 「三瀬 沙織です。何か困ったことがあったら遠慮なく言って欲しい」

 「ありがとう。よろしく、三瀬さん」

 「沙織でいいよ」

 沙織の言葉に華音は、嬉しそうに笑い言った。

 「私も華音って呼んで?」

 「ああ」

 そんな2人のやり取りを担任と理事長は、ニコニコと見守っていた。

 「じゃあ、このまま朝礼に連れて行きます」

 「よろしくね。天見さん、貴方の学院での生活が素晴らしいものになるように願っていますよ」

 「はい。ありがとうございます」

 「では、行きましょう」

 理事長に礼をすると3人は、理事長室を後にした。

 「華音は、今までどこにいたんだ?」

 「両親の仕事で海外を転々としていたの。ここに来る前は、ロンドンにいたの」

 「じゃあ、日本の学校は初めて?」

 「ええ。だから楽しみだったの。映像でみた高校生の制服は、丈も短そうでちょっと不安だったんだけど」

 華音の言葉に沙織は、軽く吹きだす。

 「まぁ、他の学校だったらそうだろうけど。ここは一応お嬢様学校の部類に入るから」

 「ひどいわね?本当にドキドキしたんだから」

 軽く頬を膨らませる姿を見て余計に笑いがこみ上げた。

 「ごめん。でも、その制服はすごく似合ってるよ」

 「ありがとうと言っておくわ」

 肩をすくめて華音は苦笑する。

 でも、お世辞抜きにうちの制服は似合っていると思う。

 黒地のひざ丈のワンピースに白のシャツ。それに合わせた暗めの紅いリボンにワンピースと揃いのボレロ。

 まるでお人形の様で、きっと彼女はあっという間に人気者になるだろう。

 「どうかしたの?」

 急に黙り込んだ沙織を不思議に思った華音は、首を傾げて声をかける。

 「何でもない。これからが大変だなってね」

 「大変?」

 「そのうち分かるよ」

 転校生がきたこの日、彼女以上にこの平和な学院に小さな嵐を起こす存在が3人も現れるとはこの時予想もしていなかった沙織だった。



平和な女子高に現れた謎の転校生とは?

って感じでしょうか。

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