第22話:復調?
休みが明けて沙紀が仕事に復帰した姿を見て大祐はホッとした。
だが、まだ万全の体調ではないのだろう、幾分か顔色が悪いのが分る。
(休んでくださいって言っても一蹴されるだろうな……)
「はよー。おっ、さっちゃん復活したのか」
「おはよう、田丸。少し調子が悪かっただけだもの。それで、どうだった?」
「いくつか気になる情報が引っ掛かったくらいだな。さすがに薬売ってる奴らまではたどりつかなかったわ」
「さっちゃん!?大丈夫なの?」
沙紀を発見した皐月がすごい勢いで走り寄ってくる。
「うん、大丈夫。おおげさだな」
「過労をなめちゃいけないのよ!!でも、出勤してるってことは課長がオッケーだしたのよね。なら、いいわ。くれぐれも無理はしないようにね」
「ありがとう、皐月ちゃん。じゃあ、早速捜査会議ね?」
会議室に移動する時、課長が手招きしたのが見えた。
「先に行っててください」
「早くしてね」
沙紀達は連れ立って会議室へと向かっていく。その姿を見送り、大祐は急いで課長のデスクへ向う。
「何でしょうか?」
「沙紀君のことなんだけど、まだまだ体調は万全じゃないんだ。ちょっと注意して見ててくれるかな?」
「もちろんです」
大祐の返事を聞き、課長は安心したようだった。
「沙紀君、体調悪いと食事しないんだ。でも、出されれば口にするから一緒に食べてあげて」
「はい」
大祐は、課長との会話を終えると会議室へと急ぐ。
(食べなくなるか………。気をつけて見てないと。精神的な要因もあるのかのかもしれない)
ただでさえ小柄で細いのだ、ちゃんと食べさせないと。大祐はそう強く決意をした。
久し振りの更新です。
しばらく、こんな感じの更新になるかと思います。