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良質な映画を見る。「フィラデルフィア」(原題"Philadelphia") トム・ハンクス | デンゼル・ワシントン

作者: あやの ちゆ
掲載日:2026/05/12

この映画は、社会に根深く在る「偏見」を真正面から描いている。


同性愛者への偏見

エイズへの偏見

人種差別


さまざまな歪みが織り込まれている。

そしてスクリーンのこちら側に、問いを投げかける。


自分の中に潜む無意識の偏見に、気づかされる。

あたりまえだと思っていた自分の価値観が、

実は何の根拠のない思い込みなのだと気づかせてくれる。

そして、胸の奥に、なんともいえない波紋が広がるのを感じる。


そんな体験ができる深い映画についての思いを語ってみた。


是非とも共感していただきたい!


ウルッときてしまった。


トム・ハンクスの演技は胸の奥深くにまで染み渡り、

デンゼル・ワシントンの毎回期待を裏切ることのない

重厚で真摯な演技、そして存在感が響き合っていた。


恋人ミゲルを演じたアントニオ・バンデラスもまた、

アンディを愛し守りぬく強さ、誠実さと情熱、

その想いが画面越しにストレートに伝わってきた。


記事タイトルの言葉通り、「良質な映画」だ。


何より心を揺さぶられたのは、

アンディの家族と恋人ミゲルの揺るぐことのない姿勢。


お母さんの言葉には、長い年月をかけて育まれた愛情と

決してブレることのない強い信頼が溢れていた。


「世間の偏見に負けるような子には育てなかったわ」


この一言が、胸に刺さる。




エイズを理由に法律事務所を解雇されたアンディは、

訴訟を起こす。

家族と恋人は迷いなく彼を支える。

アンディを心底から信じ、ゲイであることも含めて、

丸ごと受け止めている。



お父さんの言葉は、「丸ごと受け止めている人」ならではの

骨の芯まで温かく包み込むものだった。


「お前は今まで病気とも闘ってきた。

ミゲルと二人でずっと闘って来たんだ。

大変だっただろう。

私はお前たち二人を誇りに思うよ」


この言葉を迷いなく口にできる人が、どれほどいるだろうか。

たとえ実の家族でも、血のつながりがあっても、

見捨ててしまうことがあるのが現実。


確かな繋がり、信頼、信念。


一本の筋が静かに貫かれた映画であり、

シンプルでありつつ、

深い余韻を観る人の心に残す。




アンディは多くを語らない。

でも、訴訟を引き受けてくれる弁護士が見つからないとき、

一度だけ涙を流す。

その一度きりの涙が、抱えてきた孤独と悲しみ、痛みを

色濃く語る。


そして、自ら訴訟の準備を始める。


図書館で一人、静かに資料を読み込む姿には、

絶望の後の覚悟と固い意志の強さが現れている。

が、そこにも偏見が満ち溢れている。


司書に「個室に移ってはいかがですか?」と言われる。

アンディは冷静に、落ち着いた態度で断る。




この映画は、社会に根深く在る「偏見」を真正面から描いている。

同性愛者への偏見

エイズへの偏見

人種差別

さまざまな歪みが織り込まれている。


そしてスクリーンのこちら側に、問いを投げかける。


自分の中に潜む無意識の偏見に、気づかされる。

あたりまえだと思っていた自分の価値観が、

実は何の根拠のない思い込みなのだと気づかせてくれる。

そして、胸の奥に、なんともいえない波紋が広がるのを感じるのだ。




この映画が評判になった当時、

私はハリウッド映画は全く好みではなく、

ほとんど関心がなかった。

それもまた「ハリウッド嫌い」という

一つの偏見だったことに、しばらくして気が付いた。


この映画を見たのは、たしか公開から4-5年後。


その頃にはすっかりハリウッドへの偏見はなくなっていた。


いつからか、私にとってデンゼル・ワシントンは、

「生まれ変わったら友達になりたい人」の一人となっている。



          ー終ー

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