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カルテット・マジコ  作者: piku2dgod


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Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 3 10

新年の挨拶なんかよりもっとやんなきゃなんないことがあんだろ?


https://x.com/piku2dgod


本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256

「……へえ、『はちみつラーメン』。これがここの看板?」

アシュリーは、ラミネート加工されたメニュー表の角をピンピンと爪先で弾きながら、

わざと挑発めいた口調で店主に声をかける。


湯切りをしていた店主は、顔を上げることなく、

まるで録音された音声の再生ボタンでも押したかのような、平坦な口調で返す。

「へぇ、左様で」


その感情の乗らない返答に、アシュリーは面白がるように口の端を上げる。

おせちは沈黙のまま、店主の無駄のない、だがどこか機械じみた手さばきに目を向けていた。


「じゃあそれ2つ。あと、餃子とチャーハンのセットも」

「セットはハーフサイズでよろしいですか?」

「いや」とアシュリーは即答し、にやりと笑って続ける。「両方、大盛りで」

「えっ?私はいらない、そんなに……」


おせちが慌てて制止しようとするが、アシュリーはカウンター越しに店主へ挑戦的な視線を向けたまま、その声を取り合わない。


……やがて、カタン、と硬質な音を立てて、2つの丼がカウンターに置かれた。


「餃チャーセットはもう少しお待ちくださいねー」


店主の呼びかけもどこか遠く聞こえ、立ち上る湯気には、例の獣臭と、化学的な甘さが絡みついている。

アシュリーは探るような目つきで、その完璧すぎる盛り付けを検分した。宝石のように艶のある大判のチャーシュー、寸分違わず整えられた煮卵、そして絵の具で塗ったかのように緑の濃いネギ。すべてが食品サンプルのように整然とし過ぎていた。


「……おっちゃん、ごめん、聞き忘れた。これ、ちゃんと培養肉使ってる?ウチらちょっと”能力開発”に凝っててね、

動物のさァ~、『残留思念』ってのはあんまり取りたくないんだよね」


それは彼女たちのような魔法使いにとって、味以上にまず確かめておかねばならない死活的な問いだった。


……2040年代の地球では、ほとんどすべての動物性食品が培養由来に置き換わっている。

それでも魔術の徒にとっては、その忌避は単なる倫理や流行の話にとどまらない。言うなればそれは、犯せば実害を伴う戒律なのだ。


ごくわずかであっても、動物の肉体に残る「思念」を取り込むことは、魔力の純度を損ないかねない禁忌となる。

とくに彼女たちヒーローのような――人のために振るうその力には、ほんのわずかな曇りさえ許されない。

表面上はあくまで気軽いアシュリーの問いかけには、そんな、揺るがせにできない掟の存在がそこはかとなく見え隠れしていた。


「はい、当店はギルトフリーの食材だけを扱っています」


すると、店主はあくまで感情を表に出さず、流れるように答えた。その視線はアシュリーを一度も捉えず、湯気の向こうで淡々とレンゲを磨き続けている。


もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

SNSなんかでもどんどん宣伝してくださいね!

面白くなくてもしてくださいね・・・

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