Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 2 24
明日から仁義なきクマ人間編や・・・
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「……はちる、はちるだよね!? これ何本に見える!?」
倒れたままのはちるの顔を、おせちが涙声で覗き込み、必死に指を2本立てて問いかける。
「……ちゅ〜る」
――その、あまりにいつも通りの、気の抜けた返事。
おせちは堰を切ったように安堵の息を漏らす。その隣で、アシュリーが、どこか呆れたように、しかし心底安堵した声でぽつりと呟く。
「……頭は、大丈夫そうだな」
「よかったぁ、はちるぅ……!」
さなが、ついに堪えきれず涙を溢れさせ、引き起こしたはちるの身体を、まるで壊れ物を扱うように、
そっと抱きしめた。その嗚咽は、すぐに他の3人の胸にも波及していく。戦いが終わった安堵、神へと至った姉妹への畏れ、そして、ただ無事であったことへの愛しさ。そのすべてがいちどに押し寄せ、4人の瞳には、等しく大粒の涙が宿っていた。
「何その言い方? ……なんか街が元に戻ってる。……ウチ、死んじゃったの?」
しかし、はちるは何も状況が呑み込めない。
おせちは必死で首を振りながら、ここにいる全員――そして無事な街のすべてを代表するように、はっきりと答えた。
「違うよ。全部守った。はちるが守ったんだよ」
「そっか……。まあ、みんなと一緒なら、どこでもいいかぁ。……でも、何があったの?――」
だが、その無邪気な問いかけに、姉妹たちの間に、あまりに重い沈黙が走った。安堵の涙の裏から、隠しきれない戸惑いの色が、ありありと浮かび上がってくる。そのただならぬ雰囲気を感じ取ったはちるは、いよいよ声を上げた。
「――アシュリー、”頭は”ってなに? さっきのこと。……ねぇ、なんでみんな、どうして黙ってるの!?」
その、普段どおりの素朴な問いが、場の空気を一気に重たくする。アシュリーは悪態すらつけず視線を逸らし、さなは不安げにはちるの服の袖を弄る。はちるの方から合わせようとすればするほど、家族の視線は残酷なほど遠ざかっていく。
誰もが、これから告げるべき真実の重さに、ただ言葉を失っていた。
重苦しい沈黙を破ったのは、おせちだった。彼女は覚悟を決めて深く息を吸い、はちるの目線まで屈みこみ、努めて優しい声で語りかける。
「……えっと、覚えてるかな? はちる、しばらくの間、すっごい力で暴走してたんだよ。エイペックス・レジェンドは、君がその間に倒した。……箱からティッシュを引き抜くみたいに、本当に、超簡単にね」
「ああ、『シュッ!』って腕ひっこ抜いてた。『シュッ!』ってな」
アシュリーが、悪びれもせずに、しかしどこか誇らしげにそう言って口を挟んだ。
「それでね……とっても、言いにくいんだけど……」
……言葉では、もう伝えられない。
おせちは、決意を胸に、ガンブレードをゆっくりと構える。
「……これで、映るかな?」
意図が読めないはちるが、ただ目をぱちくりさせる前で、おせちはその巨大な刀身を、鏡として横に掲げた。
磨き上げられた鋼の面が鈍く光を反射し、そこに立つ困惑した少女の姿を、あまりにも鮮明に映し出す。
そこに映っていたのは、見慣れたはずの、しかし決定的に異なる「誰か」だった。
いつもの髪型。ぴんと立った、自分の証であるはずの獣の耳。
だが、その下に続く顔の輪郭は、柔らかな毛皮ではなく、見知らぬ人間の滑らかな白い肌。自分のものとは思えない、細まった手足。切れ長の艶やかな瞳。
おそるおそる頬に触れようとした指先には、かつてあった肉球の頼もしさはない。
髪と耳、そしてお尻から伸びる長い尻尾だけを残して、刃に映る彼女は――完全な『人間の娘』だった。
沈黙を打ち破り、ひとりの少女の、魂からの絶叫が響き渡った。
「ええええええええええええええ!!!!」
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