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カルテット・マジコ  作者: piku2dgod


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83/129

Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 2 23

https://x.com/piku2dgod


本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256


やがてスヌープキャットは、どこか呆けた表情のまま、掌を差し出す。

その手のひらからは、ひと握りの葉、黄色い薔薇、オリーブ、コスモス、そして桃色のデイジーが、ほほえむように花開く。

彼女は掌を前へと突き出し、無垢な生命が育まれる奇跡の過程を、エイペックスに示す。


だが、窮した彼は、その最後の慈悲さえも、己への侮辱と受け取ってしまった。


「……うがァゥッ!!」


今まさに再生したばかりの腕で、眼前に広がる、おぞましいまでの生命の輝きを、左フックで掻き乱すように払いのける。


――誰が知るだろう?それらの花々に『平和』という花言葉が宿ることを。それはこの土壇場において、はちるの底抜けに優しい魂がなお示した、あまりに高潔で、あまりに無防備な、最後の和解の機会だったのだ。


「うぉァッッ!!」


続けざまに放たれる渾身の右ストレート。だが今度こそ、その拳が働く無礼は許されない。まるで雑貨屋の棚を吟味するかのように、ごく無造作に動くスヌープキャットの手がその拳をそっと掴み、そして無価値なものとして――あまりにあっさりと掻き捨てた。


それだけのことで、テクノオーガニックの強靭な片腕は、上腕から容易く引き裂かれた。

断面から露出したエネルギーパイプが、蛇のようにのたうち、火花を散らしながらも再生を始める。

だがエイペックスは、その狂乱めく光景を、ただ信じがたい思いで見つめることしかできない。


そして、固まったまま下を向く彼の輪郭に、陽炎めいた白いオーラの末端が、そっと触れる。

冷たい電流の走りが本能を直撃し、エイペックスは恐怖に駆られて顔を上げる。


目の前には、「生命の可能性」その極致。

その瞳に揺れる、現世を映さぬ曖昧な光が、いま初めて、排除すべき唯一の異物――すなわち自分だけを捉え、絶対零度の意志へと収斂していく。


機械の眼窩は、その魂を凍りつかせる戦慄を表現するには、あまりに無力だった。

ただレンズが無機質に収縮を繰り返すのみ――それが、精神の崩壊を如実に物語る。


そして、白くしなやかな指が、彼の首を、ゆっくりと、しかし天体の運行にも似た、抗いようのないはたらきで、掌握していく――。


機械の頭部を掴んだ白い手が、その鋼鉄の外殻を卵の殻のように圧し割ろうとした、その時――

檻を打ち破った家族の愛が、神へと昇華した姉妹の殺意を、最後の一線で食い止める。


オールラウンダー、イムノ、ミーティス、ホットショット。

4つの魂が、祈りをそのまま力に変え、光の化身と化した姉妹の身体へと、

その存在ごと飛び込んでいく。


まるで鉄の輪に複数の鍵が絡みつくように、4つの影がひとつの光へと吸い寄せられ、互いに絡み合い、引き上げる。やがて、重なった影と光は、ひとつの存在へと収束し、ゆっくりと地面へと倒れ込んでいった。


舞い上がるのはわずかな砂煙。それと共に、純白のオーラも霧散し、神の時間は終わりを告げた。

あとに残されたのは、傷つき、息も絶え絶えに身を寄せ合う、ひとつの家族の――不格好で、しかし何よりも尊い輪郭だった。


その奇跡の余韻の中、エイペックスの半壊した頭部は、歴史そのものから忘れ去られた鉄屑のように、

「からん」と乾いた音を立て、アスファルトの上を虚しく転がっていった。


やがて、万物を揺るがせた戦いの余波も徐々に遠のき、形だけが性急に取り戻されたされた街に、

どこか儚い静寂が降りてくる。

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

SNSなんかでもどんどん宣伝してくださいね!

面白くなくてもしてくださいね・・・

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