Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 2 07
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蒼と金の半球が、熱量の規模をひたすら競うその境界では、凄まじいエネルギーの摩擦が、白波のような光の飛沫を絶えず撒き散らして
いる。
だが、その均衡は唐突に崩壊した。
「ぬぅっ……!」
不満の色を帯びたエイペックスの声と共に、彼の双子の砲口が、ついに過負荷の悲鳴を上げた。次の瞬間、砲門は溶けた
金属片を撒き散らしながら先端から焼き切れ――黄金のエネルギーが逆流する。
蒼き閃光は、その反転する輝きさえも呑み込み、すべてを白で染め上げた。
火球の水面から、背を丸めた姿でひとつの影が弾き飛ばされる。ゴリラの怪人の――溶解した前面装甲、半ばまで吹き飛んだ腕。
だが、ケロイド状の断面からはナノマシンの泡がその瞬間にも湧き上がり、おそろしく有機的なプロセスで欠損部を繕っていく。
微細な機械群が新たな内部構造を編み、クロームの装甲をそこに再現するのだ。
「想定以上のダメージ……兵装の完全再現までは時間がかかる。だが、私にはまだいくらでも“牙”があるとも!」
彼の意志を反映し、爆発の余波が収まらぬうちに、上空で旋回していた“牙”――自律飛行型の重火器群が、一斉に新たな標的を定めた。
編隊そのものが、ひとつの意思に導かれるかのようにひたむきな急降下の動きとなる。赤い照準レーザーの束が、生身に戻ったイムノの体表を定めきれず彷徨い、
次の瞬間、空を切り裂く無数の光弾が、あらゆる角度から彼女めがけて殺到した。
「まずいっ…!もう弾が…!」
絶望的な弾幕を前に、イムノは咄嗟に決断する。ガンブレードに装填したのは、この戦いの余りもの――ソーダ味のソイル。銃口から解き放たれたのは、弾丸ではない。すべてを凍てつかせる超低温の氷霧だった。
「ソイルッ!」
イムノの上空に、ダイヤモンドダストのように煌めく極低温の防御幕が広がる。殺到した光弾は氷のプリズムに接触した瞬間、
相次いで砕け散り、互いを撃ち落とす死の乱反射を始めた。網の目のように虚空を走る光線が、
後続のドローン群を巻き込み、壮麗な連鎖爆発を引き起こした。
イムノは、上空の氷霧を、身を隠す盾としたときには駆け出している。初動の数歩は、次弾の装填を兼ねた慎重なもの。
そして――次の瞬間、彼女はまるで地球を指で弾いたかのように、その身を極超音速の域へと射出した。
景色が歪み、音が後ろに取り残される。ただひと筋のピンクの光条と化した彼女は、地上で激しい格闘戦を再開している
エイペックスとスヌープキャット、その中心へと一直線に突き進んでいった。
だが、その超高速の接近を、エイペックスの広角センサーが見逃すはずはなかった。視界の端に存在感を増す、ピンクの光条を脅威度
最高のターゲットとして捕捉する。
しかし、彼の意識の半分は、なおも眼前の、ユキヒョウの獣人へと注がれていた。スヌープキャットの猛攻に、
エイペックスは同じ激しさで拳足を叩き合わせていく。そして――彼女が怒りのフックを放ち、その拳が自身の顔面を捉える、その刹那。
予兆は一切なかった。唐突なロック解除音と共に、エイペックスの首が胴体から射出された。
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