Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 2 05
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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やがて、その緩慢な墜落の最中に、世界の時間が止まったかのような一瞬が訪れる。結界の向こうから、濁った斜陽が差
し込み、エイペックス・レジェンドの全身を頭からじっくりと照らし出していく。
それは、テクノオーガニックの装甲に置換された肉体を持つ、完全なるサイボーグ――銀色のゴリラだった。鏡面仕上げのクロ
ーム外装に複雑な分割線が走り、体内のサーボが重々しい唸りを響かせる。つぼみ状の背部スラスターが途切れとぎれに閃光を散らし、
顔があるべき場所では、表情筋を模した無数の金属片が悪夢のようなモザイクを成す。
絞り羽のある眼窩で、紅蓮の光学センサーが冷徹な殺意に燃え続けるなか、
金属の顔面を構成する無数のピースが、つぎつぎと連動し、軋みを響かせながら変形していく。その巨体は、両腕でスヌープキャットの肩をがっしりと鷲掴みにし、動きを封じたまま、至近距離から彼女の顔をじっと見上げていた。それは、まるで「睨みつける」という動作を、機械が精密に再現しているかのごときプロセスだった。
その冷たい殺意を前に、スヌープキャットは果敢に吠える。
「ウチは獣人だけど、別に今の世界でも困ってないよ!みんな優しいもん!」
彼女の毅然とした声に、エイペックス・レジェンドの表情がさらに険しく歪む。
「優しいだと?まさにそのっっ、馴れ合いこそが問題なのだ!
本来この2040年代はサルとヒト、この両者の、種の存亡を懸けた闘争によって、歴史が正しい方向へと収束すべき
分岐点!貴様のような『超人』というイレギュラーさえ生まれなければな!」
鉄の歯牙を覗かせながら、エイペックス・レジェンドは知的な絶叫を上げた。
「――だがこれは好機でもある!この実験場に、我が時間軸の『サルがヒトを制した栄光の歴史』を移植し、超人という変数がどの
ような結果をもたらすか観測させてもらう。お前たちの世界は、全マルチバースを類人猿の支配下に置くための、礎となる
のだぁ!」
「あなたの言ってること、全然意味わかんない!」
スヌープキャットは猛然と吠え、その拘束を力任せに引きちぎる。空中で体勢をひねると、そのまま落下エネルギーを回転へと変換し、渾身の拳を振り抜いた。
「――同じ星の仲間なら仲良くするのが筋でしょ!」
肉球を宿した拳が、金属の頬を重い衝撃とともに打ち砕く。火花と金属片が飛び散り、ゴリラの体躯がわずかに傾ぐ。
だが、エイペックス・レジェンドは怯むことなく応じた。
「……それが弱さだと気づかぬか!」
背部スラスターが最大出力で噴射され、エイペックス・レジェンドは瞬時に体勢を立て直す。
そのままスヌープキャットを突き飛ばし、鋼鉄の裏拳を風のような速さで繰り出した――彼女の胴を撃ち抜くかのごとく。
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