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Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 2 03

https://x.com/piku2dgod


本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256

拳を思わず握りしめると、関節がごきりと鳴り、指の付け根を覆う白く硬い体毛が逆立った。川原の石ほどもある大

きな指の関節が、怒りに白く色を変える。


「そんな……」


言葉を失う。友の悲しみに寄り添いたい。温かい言葉で、その心を慰めたい。そう願うのに、今の自分はあまりに無力

だった。もどかしい思いに突き動かされ、ミーティスは腕を広げる。自分のものとは思えぬほど重く、大きな腕を。た

だ、華奢な友人の肩を優しく抱く、そのためだけに。


しかし、空気をかきわけて伸びたその腕は、あまりにも無骨だった。広く、革のように硬い掌。丸太のように太い指。

そして、そのすべてを覆い尽くす、銀のうっすら混じった白の剛毛。


そう、ゴリラの厚い手だ。


およそ少女のものとはかけ離れた、強大な獣のそれが、シノの華奢な肩に、ずしりと置かれた。


「ごめん、今する話じゃなかったよね……」

「いいんだよ。辛いことがあったら、いつでも話して…」


さなの悲痛な言葉が公園の空気に溶けていく。その余韻を打ち破るように――地響きが、来た。


駆けてきたのは、燃えるような赤毛を逆立てた、ひと回り小柄なゴリラ。その身に、まだ結界を突き破った瞬間の

波紋をまとわせながら、四つ足で大地を疾走してくる。


2人の目の前で土を蹴り上げて急停止すると、その獣――ホットショットは、荒い息のまま叫んだ。

「さな、交代だ!こっちもだいぶ浴びた!」


「うん、わかった!」

ミーティスは力強く応じると、シノの肩を1度だけ安心させるように叩き、名残惜しそうに手を離した。


ホットショットは、交代のため立ち上がるミーティスの姿に、何かを言いかける。

「でもこうなると、さすがのお前でもぜんぜん幼く……あ、」


言葉は途切れた。うさ耳フードの道服をまとったゴリラの姿が、陽炎のように揺らぎ、

みるみるうちに収縮していく。そして、そこには元の、神がかりの域にある美少女――ミーティスが立っていた。


「……これ新情報な!『さな』って名前はな、『幼い』の略なんだよ」

交代で乱暴にベンチに腰を下ろしたゴリラ姿のホットショットは、その巨体に似合わぬ軽薄な笑みを浮かべ、

さも耳寄りな情報があると言わんばかり、シノの方へ、いやらしく体を這わせながらささやいた。


「ほんとぉ?」

シノは、目の前の超常的な光景に興味を奪われつつ、そのように返す。


「……ちがうもん!じゃあ行ってくるからね、ゴシュリー!」


愛嬌のある悪態を残し、ミーティスはふわりと宙に浮いた。そして次の瞬間、地面を蹴る。アスファルトが蜘蛛の巣状に砕け、

彼女の身体は1筋の光となって結界の中――粉塵と閃光が暗く渦巻く破壊の中心地へと、真っ直ぐに飛び込んでいった。


「あとは任せたぞー!」

「まかせて!あんなゴリラ、このターンでリーサル取ってやるウホ!」

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

SNSなんかでもどんどん宣伝してくださいね!

面白くなくてもしてくださいね・・・

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