表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/63

Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 2 01

ふとアクセス解析を見たら

宣伝なんてまるでしてない作品なのに100ビュー以上も行ってる日があった

こういうのっていわゆる みんなのおかげってヤツだよな


https://x.com/piku2dgod


本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256

CHAPTER 2



地底帝国テラリアの暴発も、いまや過ぎ去った出来事となった。

白走ほわいとらん市もまた、悪夢から覚めたばかりの人々のように、痛みの幻を未だ引きずりながらも、

たしかな日常を取り戻しつつある。だが、その脆い平穏の下では、

はやくも次なる災禍が、癒えぬ傷のごとく脈打ち、その膿を滲ませていたのだ――。


市の象徴たる摩天楼「ジョルバスクル・タワー」が見下ろす公園は、西日という金色の絵の具で塗り込められ、深い孤

独に満たされていた。噴水が立てる水音だけが、演者のない舞台に響く独白のように虚しく、そして執拗に、この静

寂が偽りであることを訴えかけている。


平穏な市内にただよう、えも言われぬ違和感の正体――それこそが、公園の奥、雑木林が途切れた先にあった。そこは今や

この世ではなく、現実と異界とを分かつ境界線そのものと化していたのだ。


1枚の長大な膜が、地面から立ち昇ってどこまでも空に続いている。紫黒の硝子めいたそれが半透明に揺らめき、向こうの景色を不気味に歪ませ

るのだ。その表面は、たえず微かな波紋を立て、波の節とでも言うべき位置には、無数の呪符が、埋め込まれたように浮か

び、弱い呼吸のごとき明滅を繰り返していた。視線を辿れば、この膜の壁が滑らかな円弧を描いて天蓋を成しているのがわかる。


そうして全貌を捉えれば、それは街の一角を完全に飲み込み、夕暮れの空に染みを落とす巨大なドームだということがわかった。呪符が放つ

不吉な光が脈打つたびに、内側からは遠雷にも似たくぐもった轟音が漏れ出し、かの異界が、けして平穏な場所ではないことを証明した。


両世界の境界線には完全武装の機動隊が等間隔で立ち並び、日常と非日常とを隔てるその光景を固唾を飲んで見守っていた。こ

の結界こそ、ミーティスがその権能のほとんどすべてを注ぎ込んで作り上げた、決戦のための舞台なのだ。


避難命令区域のすぐ外、戦火の影響を受けていない1台のベンチに、ふたりの少女が腰掛けていた。

片方は、ハヤカワ・シノ。そしてもう片方は――ミーティス。戦闘の疲労か、彼女は普段の優雅さが嘘のように、

どっしりとベンチに腰を下ろしていた。その重みに、金属製の脚がみしりと悲鳴を上げている。


「……あのターン……返し、ほんとに冴えてたよね……。ただ……あの、実況のノダチワワさんの声も、いつもより

凄くてびっくりしちゃったな……」


ミーティスが語るのは、昨日の《クロスゲート・レジェンズ》大会の熱戦の一幕だ。

絶叫に近い解説で人気のキャスター、ノダチワワの声も、昨夜は一段と大きかったらしい。


だが、同じ熱狂を経験したはずのシノの意識は、会話のここにはない。その目はどこか遠くを彷徨い、親友の言葉

は、ただ意味を成さない音として鼓膜を揺らし、かろうじて相槌のきっかけとなるばかりだった。


(……あの光線、やっぱり厄介だなぁ。受けるたび身体の感覚が鈍くなってる……)


一方のミーティスもまた、内なるもどかしさと戦っていた。昨夜の感動を、もっと激しい身振りで、もっと巧みな言葉で再現してみたいとも思う。

しかし、意思に反して腕は鉛のように重く、声は喉の奥でかすれ、低い唸りとなってかろうじて言葉の形を成す。


すぐ隣にいる親友の懊悩に気づかぬまま、ふたりの心は、それぞれの場所で独りだった。

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

SNSなんかでもどんどん宣伝してくださいね!

面白くなくてもしてくださいね・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ