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Issue#02 I UNDERTALE CHAPTER 5 37

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

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面白くなくてもしてくださいね・・・


テラリアキングとシャカゾンビは、本部を飛び出して丘陵の頂へと駆け上がる。


眼前に広がっていたのは、事前の予習による多少の心構えなど、あまりにもあっさりと意識の隅にまで遠のけさせる光景だった。

群れを成したワームたちが大地をうねらせ、巻き上がる砂塵の大渦と競うように前へ突き進み、互いに追い越し追い越されながら、

戦慄すべき勢いで迫り来るその姿は、もはや個々の蟲体が纏う金属質の外殻に刻まれた襞や突起にいたるまで、肉眼で克明に識別し得るほどの距離へと達していた。


「あれが、全部か……」


シャカゾンビの声は、乾いた骸骨の顎から絞り出されるようにその末尾をかすれさせた。眼窩の奥の光が、信じがたい光景を前に激し

く揺らめく。


「冗談じゃねえ、数が違いすぎらぁ!」


テラリアキングは苦々しく唇を噛み締め、思考が追いつくよりも早く、咄嗟の判断で照明弾を地中の空へと撃ち上げた。

炸裂したマグネシウムの白い光が、絶望的な物量で押し寄せるメタリック・ワームの群れ――そのおぞましい全貌を束の間鮮やかに照らす。


直後、背後から轟くけたたましい咆哮が、地底世界そのものを揺るがした。前面の脅威に拮抗するほどの地鳴りに

合わせ、足元の地面が巨大な鯨の浮上がごとく盛大に噴出する。土と岩盤の奔流の中から、

テラリアンが誇る唯一にし て絶対の巨獣――帝国の守護神たる《イーター・オブ・ワールド》が、怒りに満ちた巨体を震わせてその姿を現したのだ。


「行け、イーター!全部ひっくり返してやれ!」


キングは、みずからの切り札に最後の望みを託し、前方の空間を殴りつけるように腕を振る。

その声に応え、イーター・オブ・ワールドは大地を削る轟音とともに、まっすぐ敵の群れへと突進していった。


だが、それはあまりにも無謀な単騎駆けだった。

カルテット・マジコによってけしかけられたワームたちは、一斉に方向を変え、ただ1体の異邦の同族へと襲いかかる。それ

は、無数のシャチが1頭のマッコウクジラに群がる光景にも似ていた。


金属の鱗が激突し合う不協和音が鳴り響き、地響きと共に装甲片が火花の滝となって迸る。イーター・オブ・ワールド

は巨体をくねらせ、必死に抵抗を試みる。その巨大な顎は数体の敵をまとめて噛み砕き、長い尾は薙ぎ払うだけで敵の

胴をたやすく引き裂いた。


しかし、数の大小はあまりにも絶対的だった。1体を倒せば5体が、5体を倒せば10体が、間隙なくその身に食らいつ

く。イーター・オブ・ワールドの装甲は、無数の牙によってチーズのように削り取られ、引き剥がされ、その巨体は抵

抗らしい抵抗も次第に封じられ、おびただしいワームの渦の中へと沈み込んでいく。


断末魔の咆哮が虚空にこだまし、やがて途切れる。帝国の守護神は、ついには力尽き、その骸さえ無数の同族に食い破ら

れ、あえなく命を絶たれた。


「ば、馬鹿な……」


シャカゾンビはがくりと膝に手をつき、目の前の悪夢に言葉を失う。キングもまた、握りしめた拳から力が抜け落ち、

サングラスの奥の瞳を絶望に見開いたまま、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。


かくして、地底帝国の絶対的な切り札は、あまりにも無惨な骸を晒した。その光景は、現場にいたすべての兵士たちの

戦意を、根こそぎ粉砕する決定的な一撃となった。


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