Issue#02 I UNDERTALE CHAPTER 5 34
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――並行世界に存在する地下荒野、その地表部に視点は移る。
決死のゲート建築作業が進む現場からはるか遠く離れたその盆地で、カルテット・マジコの4人は、ただ1体のワームと相対していた。
赤黒く焼け爛れた岩の断崖が、きっちりと円形を成して盆地を取り囲み、まるで太古の昔より決闘の舞台となることを運命づけられていたかのような、
天然の劇場がそこに広がっている。
地表に圧痕を残しながら腹部をうねらせるワームは、群れの中でも抜きん出て巨大な体躯――まさに“アルファ個体”と呼ぶべき威圧感と風格を漂わせていた。
イムノは、静かにガンブレードを構えたまま、わずかに顎を引く。
「うまく誘導に乗ってくれたね。あの規模の群れを従わせるなら、フェロモンより、
ケンカでボスの座を奪っちゃう方がよっぽど手っ取り早い……」
その眼前――群れを束ねる王たるワームは、彼女たちの闘志に応じて身をくねらせ、大地ごと地鳴りを響かせていた。
無人の地球を取り巻く大気が彼女たちのくるぶしの高さを吹き抜ける中、ホットショットはひときわ余裕の笑みを浮かべ、
ポケットに両手を突っ込んだまま、あえて視線だけで怪物を値踏みした。
「……BGMだな、なんかボス戦用のBGMがあってもいい。聖歌がアーアーアーってやつ」
ゆるやかに1歩を踏み出すと、靴底から淡い火花が浮かび上がり、全身をじりじりと紅蓮のオーラで包み始める。
「まずは一発、ガツンとやらないとね!」
表向きは自然体に構えたミーティス。しかし、その心中ではひっきりなしに指揮棒が振られており、その都度
札の列は放射線状に宙へと散ったり、軌跡を描きながら幾何学的な陣形へと収束していく。
このせわしない配置換えは、彼女自身の思考回路と密接に連動しており、
“最初の1手”に最適なフォーメーションを、試行錯誤の末に編み出さんという営みそのものであった。
まるで空間全体を用いた作図――その緻密な動きが戦場に独特の静謐を与えていた。
そしてスヌープキャットは深く拳を握りしめ、関節を鳴らしながら頼もしく笑う。
「みんな、加減はナシだよ!」
その一声に、4人は互いにみじかく頷き合い、荒野にゆっくりと前進する。
その背中には、誰ひとり臆することのない覇気がみなぎり、異界の闘気と真正面から火花を散らし合う。
瞬間、ワームの王はその全身を波のように蠢かせながら、長大な体軸を天へと持ち上げる。
ヤツメウナギに酷似した放射状の牙が円を描いて大きく開き、口腔の奥からは鉄と硫黄の熱を孕んだ蒸気が立ちのぼる。
そして、圧倒的な咆哮が盆地全体を震わせる。岩壁が共鳴し、膝下には微細な砂粒が音に応じて踊った。
戦いの火蓋が切って落とされる。




