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Issue#02 I UNDERTALE CHAPTER 5 30

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね!

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面白くなくてもしてくださいね!


「違いまちゅ、お前みたいなトンチキのモノグサと一緒にするなでちゅ!これでも、この宇宙の共通語に誠心誠意翻訳してやったのでちゅよ!?……あっ、なるほど、

この星は情報的に隔絶されているので、さらにローカルな言語に落とし込む必要があるでちゅか。

それならば、『トポロジカル・コンコード』という言葉が妥当かもしれまちぇん」


マクロブランクは必死に説明を続け、ついにはわかりやすい名称を探し当てる。


「それならわかる。で、君は、その形式のゲートなら今の地球の台所事情でも造れちゃうんだ?」

おせちは、冷静に確認した。


「はい、その通りでちゅ!ただし問題は――わちきが作れるかどうかというより、宇宙の“チャンネル”を合わせるためのエキゾチック物質を

用意できるかどうかということでちゅ。

ここでいうエキゾチック物質とは、異世界から来た、“原理的にこの宇宙に存在しない物質”のこと。マルチバース技術のない宇宙で、

それを用意すること自体が、本来矛盾した要求なのでちゅが……」


マクロブランクは、得意げに胸を張る。だが、おせちは顔色ひとつ変えない。


この時、彼女の脳裏には、少し前の“状況”が想起されていた。この生き物が、

ついさっきまで何の上に置かれていたか。つまり――


「……アシュリー!生ゴミ!」

おせちは、即座に叫んだ。


「誰がトマトの薄皮だって?」

しかし、その叫びはあまりに要約されすぎていたようだ。


「……いいから、ゴミ捨て場まで戻って拾ってきてよ!その生ゴミが、たぶんマクロブランクと一緒に吸い込まれてきたエキゾチック物質の山だったはずだよ。――そういうことでしょ?」

おせちの問いに、


「それは……その通りでちゅ!」

マクロブランクは得意満面で触手を高く振り上げる。


「でもさ、それってもう焼却炉で燃やされてるんじゃない?何時間も前の話だし。

それに、そもそも“エキゾチック物質”って、どうして必要なの?」


ここに素朴すぎる疑問をはちるが投げると、マクロブランクは一瞬言葉を失い、処理落ちするように沈黙した。

やがて、わずかに体表を侮蔑の色で明滅させると、なかば呆れた口調で子供に説明するように言い始める。


「はちる、お前も頭の回転がイマイチ勢でちゅなあ! いいでちゅか?

例えば、ラジオのダイヤルをめちゃくちゃに回して、ピンポイントで目的の放送局に繋がると思うでちゅか? 無理でちゅ!

それと同じで、やみくもにゲートを開けば、出てくるのは予測不能なカオスだけでちゅ!」


そして、アシュリーの額を触角でちょいと示し――


「エキゾチック物質っていうのは、それぞれの宇宙が持ってる固有の“周波数”そのものなんでちゅ!

その物質がもつ振動数――これをゲートにインプットすることで、わちきたちは、その物質が生まれた宇宙、あるいは近傍の宇宙――つまり特定の座標に、

”比較的”安定してアンカーを降ろすことができるようになるのでちゅ!


そしてここで重要なのは、ゲートを建造する宇宙と同じ世界の物質を、振動数の記録に使っても意味がない、ということなのでちゅ。

それじゃ“ズレ”が起きず、ただの同じ時空内のワープにしかなりまちぇん。


ようするに、AとZの宇宙があった場合、その“周波数のズレ幅”の中にある『BからZ』の宇宙が優先してピックアップされやすくなる――それがこのトポコン式の基本

的な発想でちゅ。


……これぞ、知的生命体によるエレガントで高精度な次元航海術の第1段階、でありまちゅよ!」

と、誇らしげに締めくくった。


「へぇ、原始的な技術の肩をずいぶん持つんだな」

アシュリーは、からかうように鼻を鳴らした。その挑発に、マクロブランクは明らかに心外そうに触手をぴくりと震わせる。


「どんな技術だって、それなりのロマンと開発に奔走した技術者の崇高な理念が詰まっているのでちゅ!

重力タイヤの普及した世界の人間が、木の車輪を見下して笑う――それはとてもではないが文化的な態度とは言えまちぇん!」


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