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Issue#02 I UNDERTALE CHAPTER 5 25

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

SNSなんかでもどんどん宣伝してくださいね

面白くなくてもしてくださいね・・・


何よりも見る者の心を奪うのは、その白く長い髪だ。それ自体がウェディングベールのようにどこまでも続くこの髪は、

毛先へと向かうにつれ火炎の狂気を帯びて、たえず波打つようになる。そして毛先においては、ブルーハワイの鮮烈な夏の色彩がそれを占拠し、

白と青、ふたつの色はギザギザとしたメッシュとなって互いの国境を深くまで侵し合っていた。


そこで、あらためて観察者の胸に迫ってくるのは――

もしかするとこの娘は、地下世界に残された最後の“冷たさ”そのものを背負って生まれてきた、結晶のような存在なのではないかという、

妙に詩的な直感である。たしかにそれは情緒に過ぎる推論だが、同時にこれほど的確な形容もないと、誰もがひそかに確信させられるものでもあった。


その幼い顔立ち、物憂げな眉とくりくりした水色の瞳、そして華奢な身体つきに比して、ともすれば不釣り合いなほどの気品が彼女を支配していた。

しかしその気品は、彼女が現状の世界に対して抱く不満の裏返しであるようにも映る。その危うい矜持こそが、かえって少女の存在に愛くるしさを添え、

奇跡的な均衡を保つ要となっているかのようだった。


イムノは片眉を上げる。折よく、天井を打ち破ってスヌープキャットが彼女のななめ後ろに着地した。イムノは、その相

棒に視線だけで合図を送る。この広間には、これまでの道中ではついぞ見なかったものがあった。青々とした葉を茂ら

せる観葉植物の鉢や、植え込みだ。地上の光を知らぬはずの植物や、それに沿った水の流れが、この部屋には当然のように息づいている。


「……重要人物。たぶん王族の人」

イムノは、姉妹にだけ聞こえる声でささやいた。


「待ってください……!」

その時、凛とした、しかし切迫した声が、広間の緊張を押し分けた。


イムノが見つめる先で、先の少女が――同年代か、ひと回り下に見える――1歩前へ進み出る。彼女は地上人の目をまっす

ぐに見つめ返し、はっきりと告げた。

「私は投降します。どうか、この者たちには手を出さないでください」


「しかし、お嬢! それじゃあ……!」

荒くれた護衛のひとりが制止の声を上げるが、少女はそれを遮るように、毅然と首を横に振る。

「命令です。私は、父の代理として捕虜になるのです。それならば、

無下な扱いは受けません」


その言葉に、護衛たちの眼差しが忠誠と苦悩の間で激しく揺れる。


「いやしかしですぜ!?」


「……いくら頼みと言われたって、それだきゃあできません!」


やがてひとりが叫ぶと、全員がブラスターを構え直した。が――


その引き金が引かれることはなかった。

イムノの姿が、一瞬、霞のように揺らぐ。地を蹴った形跡すら残さず、彼女はすでに兵士たちの懐へ踏み込

んでいた。声なき衝撃。人体の急所を的確に打たれた兵士たちは、まるで操り糸を切られた人形のように、一斉に膝か

ら崩れ落ちた。


「……やっぱり王女様、かな?」

イムノは、ゆっくりと元の場所へ戻りながら、その口元に、冷ややかにして美しい笑みを浮かべる。

「悪いけど、このまま一緒に来てもらうよ」


挑発的な角度にかたむけられたガンブレードの切っ先が、天井の光を吸い取って1点の輝きを宿す。

その光は、返答次第では即座に行われるかもしれない行為――すなわち、獲物の首筋を断ち切る動きを予行するかのように、

鍔側に沿って冷たく、そしてゆっくりと刃筋を伝っていった。


(……あっ、悪おせちだ!)

後方に佇むスヌープキャットだけが、姉妹が交渉の場で見せる得意技――その露悪的な

ポーズの真意を、冷静に見抜いていた。


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