表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/63

Issue#02 I UNDERTALE CHAPTER 5 16

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

SNSなんかでもどんどん宣伝してくださいね

面白くなくてもしてくださいね・・・

「備えろ!」

ホットショットが全身に炎をまとい、姉妹たちとは別の軌道を描いて即座に離脱する。

その飛び立ちは急だったこともあってはじめは不安定だったが、近くを巡回していた無人

フライングプラットフォーム群の真正面へと狙い通り収束していく。


彼女の放つ火弾が礫となって敵の進路に浴びせられれば、

都市の遠景に、花火のような破裂音がいくつも響き渡り、

小さな爆発の痕が点々と刻まれていった。


風を裂く衣服の音。落下する3人の身体。加速度的に移り変わる視界。

――そして、その自由落下の航跡めがけて、各方面から敵機の編隊が次々と合流し、突入してくる。


「……おせちぃ!」

先に落下していたミーティスが、かき乱れる髪の合間から赤い瞳を輝かせ、上に向かって叫んだ。

「はいはい、当番ね!」


風に煽られるカーディガンを巻き込みつつ、イムノはのっそりと身を反転させる。直後から斉射されるビーム弾を、

眼球の凄まじい反復運動に合わせ、信じがたい速さの剣捌きでことごとく弾き返していった。時には敵の装甲へ、

定規ほどの太さの光線を直接跳ね返しながら、3人をまとめて強引に地面へと着地させる。


カルテット・マジコと、鋼鉄とマグマの街「ラバシティ」のファーストコンタクト。

それは人通りに乏しい金属の通り――コックピットが、まるで鍋釜のような丸みを帯びる鋳鉄のスクーターが何台か無造作に停められ

た集合住宅地への、何の緩衝もない、足元から脳天まで突き抜けるような着地だった。


そこへ、急角度の降下から、わずかに機首を上げたホットショットが合流する。ほぼ同時に、全員が受け身

を取りながら横へと弾け飛んだ。見れば、先の衝撃で、通り全体を構成するスチール合金の路面が、深くひし

ゃげている。


「……ポポポポポ……!!!」


特異な駆動音を発するプラットフォームの残骸が、間髪入れずに着地跡へ突き刺さり爆発。それが警報の引

き金となった。

直後、街中にサイレンが鳴り響く。入り組んだ金属の通路という通路で赤色灯が点滅を始め、周囲の歩哨塔

から警備兵たちがドアを跳ね開けながら展開してきた。


カルテット・マジコを追っていたビームの雨は、今度は薙ぎ払うように横一線へと散布される。

それが直撃するたび、家々の壁や街灯は、花が萎れるように弾痕から赤熱し、爛れ、溶け落ちていく。レン

ガ造りの壁ならば、薄い破片を撒き散らしながら瞬時に瓦解した。


色とりどりの破壊の奔流は、時に彼女たちの背中を偶発的に捉えることもあった。

だが、1、2発の着弾など、少女たちにとっては蚊に刺された程度にすぎない。


その人間らしい見た目に騙されてはならない。そして忘れてはならない。

これまでの戦いが常に証明してきたように――戦闘単位としての彼女たちは、それぞれが

軍隊を凝縮したにも等しい存在なのだ。


「相手は後、今は走る!」


その、イムノの戒めるような指示が飛ぶ。

棟は全鉄製で、屋根が独特の丸みを帯びた、工場街のような街並みを駆け抜ける4人の足取りは、

人間離れした疾走感を放っていた。実速は常に時速数100km。車両すら置き去りにする速度だ。


地底人の治安維持組織では、その機動力に到底太刀打ちできない。

ゆえに戦闘のほとんどは、待ち伏せや偶発的な遭遇に限られた。だが、その奇襲に成功した部隊でさえ、数

発のビームを慌てて見舞うのが関の山。すれ違いざまに繰り出される4人の反撃によって、例外なく無力化さ

れていくからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ