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カルテット・マジコ  作者: piku2dgod


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Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 3 25

https://x.com/piku2dgod


本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24843658

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25490740

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26572256

挿絵(By みてみん)


(はちる デザイン検討用試作 服装以外はほとんどこれで完成形)


家路を急ぐ4人の足取りには、これまでにない高揚感が宿っていた。北海道という未知の目的地。そして、「クマ人間」という、荒唐無稽でありながらも、いまや現実味を帯びてきた脅威。その存在は、彼女たちの胸奥で、戦士としての本能に新たな火を灯していた。


しかし、自宅へと続く山道の入り口まで差しかかったその時、先頭を歩くはちるが突如として立ち止まった。獣人としての鋭敏な聴覚が、夜の気配に紛れる異質な波動をとらえる。丸耳がピンと立ち、空気の先の先へと感覚が向かう。


「……待って。何か、おかしいよ」


夜の山道――

いつもなら耳に届くはずの葉擦れの音が、極限まで押し殺されていた。

代わりに、木立の間からは赤と青の光が漏れる。その明滅は、つとめて人工的で、不穏な針のように空気を刺している。


「……まずいかも!」


即座に4人は、雑木林の陰に身をひそめる。目配せだけで意思を交わし、山の斜面に体を伏せた。

眼下に広がるのは、想像もしなかった光景――

吉濱家の境内、そのすぐ傍の駐車場には何10台ものパトカーが並び、寺の楼門や本堂がサーチライトで真昼のように照らし出されていた。装甲車まで出動し、黒い防弾ベストに身を包んだ警官隊が、テロリストのアジトでも包囲するかのように、敷地を封鎖している。


その緊迫した空気を切り裂くように、闇の中から低く響く声があった。

「――警察じゃ。わしらを探しておる」


振り返ると、いつの間にか尊がそこに立っていた。

その顔からは、いつもの飄々とした余裕がすっかり消えている。あるのは長年培われた胆力と、切迫した危機感だけだ。


「市警の署長から、ぎりぎりでタレコミが入った。どうもクマ人間とら――思っていた以上に、社会の中枢に根を張っておるらしい。

署長曰く、この包囲網は地方の判断ではない。大統領府の保安局からの直々の指示じゃと。つまり、相手はただのチンピラではない。国家規模の敵じゃ」


尊の声が、夜気に張り詰めて響く。彼女は持参していたガンブレードと呪符入りの袋を、その正しい担い手へと相次いで投げ渡す。


「もしかすると、誰も気づかぬうちに、かなりの数が社会に紛れ込んでおるのかもしれん。わしはハヤカワ一家を庇いながら、

いったん身を隠す。北海道の件は、お前たちに任せた」


「マジかよ……。いきなり全国指名手配犯か」

アシュリーは眼下の騒然とした光景を見据えつつ、どこか開き直ったような笑みを浮かべる。

「こりゃ『おい、吉濱』どころじゃ済まないなな。映画のポスターみたいに、全員でキメ顔してる指名手配書を作ってもらおう」


「でも……。指名手配中じゃ、まともな調査はできなくない?」

おせちは現実的な不安を吐き出す。無意識のうちに、拳を強く握っていた。


「いや、一概にそうでもない」

尊はこともなげに肩をすくめ、はちるの方をあごで指し示した。

「ほれ、今のはちるは“トランジスタグラマー”じゃから、顔が割れておらん。ここ最近のドタバタも、こういう時には役に立つものよ」


「……トランジスタ……グラマー?」

唐突な単語に、おせちが眉をひそめて問い返す。


「なんじゃ、知らんのか?――ボン、キュッ、ボンの体型を言うんじゃ」

尊は自慢げに胸を張った。


「ボン、キュッ、ボン?……はあ?……」

アシュリーはぽかんと口を開け、


「わからぬか!?つまりナイスバディということよ」

さらに押し切る尊に、さなは「初めて聞いた……」と小さくつぶやく。

はちるに至っては、ついぞ自分のこととは気づかず、きょとんとして皆の顔を見回している。


らちが明かぬと見た尊は、使い込まれて端がほつれた空縁州の紙地図を、少女たちの前に広げた。

紙面にはいくつもの小さな漁港が点在し、その中のひとつ――家から歩いてもそう遠くない、防波堤と古びた倉庫が並ぶはずの港町に、赤い丸が引かれている。


「とにかく行け。わしのことは探すな。北海道までは伝手が漁船を出してくれるから、ここに行くんじゃ」

もしこのお話が面白いと思ったらぜひ身近な方にも教えてあげてくださいね

SNSなんかでもどんどん宣伝してくださいね!

面白くなくてもしてくださいね・・・

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