Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 3 23
今のAIがある程度自力で制作できる人間にしか恩恵をもたらさないのは必然なんだよ。現段階におけるAIの表現力は限定的だから。
美術や文学、コーディングに関する十分な知識があるにも関わらず、実地で制作しないっていう「歪な人間」は現状まず存在しない。知識と実践はセットだし、実際にやりもしないことにそんな情熱注げるわけないからね。
ただし、表現の実行プロセスが完全にAIへ仮託される時代になればこの前提は覆る。 知識はあるのに、自分の技術はない「歪」な人たち、それらがごく当たり前の存在になっていくでしょう。
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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(イメージ検討用にイモ力低めのバージョンを出力)
狭いキッチンは、その夜だけの不思議な舞台となった。男は壁際に寄りかかり、内心の不信と期待を交錯させながら、はちるの一挙手一投足を見守っている。
主役は、ほかでもない、はちるだ。彼女は計量器具など使わない。棚の蜂蜜や醤油を、鼻先でクンとひと嗅ぎするだけ。
「うん、これだね。この黒くてドロッとした蜂蜜だった。でも、このお醤油は違う。もっと、海の匂いがした……」
彼女の感覚は、失われたレシピの輪郭を、一片の誤差もなく呼び起こしていく。
「わかった、すぐ持ってくるからな!」
アシュリーがベランダの敷居を蹴り、火の玉となって飛び出す。
それと時を同じくして、
「さなは火の番!とろ火で、絶対焦がさないで!」
おせちは指示を飛ばしながら出入り口に向かう。さなは頷き、コンロの火にそっと手をかざす。彼女のサイキックが、寸胴鍋の温度を完璧に制御していく。
やがて、必要な食材を手にふたりが戻ってくる。
「これと……あと、湿った山の土の匂い。雨のあとの苔と、深い森の……」
はちるは鍋をかき混ぜながら、記憶の底から、ただひとつの“香り”の正体を手繰り寄せていく。それは人間の舌では届かない、獣の感覚だけが知る世界だった。
やがて、台所にあの独特の匂いが立ちこめる。獣性と化調の甘さが混ざり合うそれは、おせちやアシュリーには不快な記憶を呼び覚ますが、
男の表情は、香りを吸うたびに和らいでいく。怒りは消え、郷愁と静かな感傷が、その瞳にゆっくりと広がっていく。
……ついに、1杯のラーメンが差し出された。見た目も、漂う香りも、まさに失われた『麺屋 穴もたず』の「はちみつラーメン」そのものだ。
男は震える指でレンゲを手に取り、ひと口、そっとスープを含んだ。
――その瞬間、瞳から1筋の涙が溢れた。
それは、単なる料理ではなかった。遥かな故郷。若き日の面影。友と語り合った夜――過去の記憶までもが、この1椀に封じ込められていた。
男は声を堪えて泣きながら、夢中で麺を啜り、丼を空にした。
長く、重い間が、台所を満たした。
そして、顔を上げた男は、すべてを手放した人の穏やかさで、深々と頭を下げる。
「……警察には、言わん。弁償もしなくていい……その代わり、また……これ、作ってくれるか?」
少女たちは顔を見合わせ、ようやく安堵の色を浮かべる。こうして、カルテット・マジコにとって最初の、
奇妙でどこかほろ苦い「贖罪劇」は、ひっそりと幕を下ろしたのだった。
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