Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 3 15
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におせち アシュリー さなの挿絵を入れたから各自確認しといてや・・・
はちるは自分で描かないとムリだからまた今度!
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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翌日、吉濱家に「穴もたず」からの出前が届いた。
さなが応対に出て、ほどなく部屋のちゃぶ台には、とんこつ醤油の重たい香りをまとった丼が3つ、まるで実験器具のように並べられた。
さな、尊、はちるの3人は、好奇の入り混じった目でレンゲを手に取る。
ベッドで事の成り行きを見守るおせちは、これから始まる惨事を予感して顔を覆い、部屋の隅で壁に背を預け、体育座りになっていたアシュリーも、おそらくはさぞ痛ましいものになろう1秒後の未来を想って、それとなく顔をそむける。
スープを、ひと口。
――その瞬間。
「――!!」
尊とさなには、言葉にできないノイズだけが駆け抜ける。
だが、はちるは違った。
彼女の脳裏には、味と香りの多層的な設計図が、満天の星座のように一気に広がったのだ。
人間の舌では到底分解できない、重層的な風味のレイヤー。そのすべてを、元獣人の鋭敏な感覚が、見事に解き明かしていく。
ハチミツの濃厚な甘さの奥に、熟れたハスカップの芳醇な酸味、冬眠前の土の湿り気、根曲がり竹の青い香り、そして産卵期の川鮭を的確に再現した脂の、動物的な滋味――
それは、獣にとって忘れかけていた故郷の記憶。魂が躍動する、彼らだけのご馳走だった。
カシャン!と、はちるの手からレンゲが滑り落ち、丼の縁に当たって音を立てた。彼女は驚愕に目を見開いたまま、目の前の丼と、全員の渋い顔を交互に見る。そして、声にならない声で叫んだ。
「……!この匂い、はちみつだけじゃない。これ、ぜんぶクマさんの大好物だ!」
シノが語った荒唐無稽な噂。ネットの片隅で囁かれていた都市伝説。
すべてが今、この1杯のラーメンによって、はちるの中で、揺るぎない『真実』へと姿を変えたのだった。
*
作戦は、まず地盤を固めることから始まった。
カルテット・マジコの3人が、シノの祖父――ハヤカワの店で、それぞれ真新しいエプロンの紐をきりりと結ぶ。「期間限定コラボ」の看板のもと、厨房を預かるのはイムノだ。その驚異的な記憶力と手際によって、どれほど注文が殺到しようとも、茹で加減ひとつ乱すことなく麺を仕上げていく。
ホットショットは、つっけんどんで皮肉の多い、いつも通りの調子で客を捌き、
ミーティスは、見えない力で配膳と片付けを滞りなくこなしていた。
この噂は瞬く間に街を駆け抜け、次の日になると、開店前から店先には、名の知れた有名店でもそうそう見られぬほどの長蛇の列が生まれているようになった。
その盛況の一方で――
「はちるちゃんはいないの?モフモフしてみたかったのに!」
「ごめんなさい、この間の戦いの後遺症があって。今は大事を取ってるんだよね」
「そうなんだぁ~。……あの、お大事にって言っといてください」
「ありがとう、伝えとくよ」
推しうちわやアクスタを手にし、ハチマキと法被で身を固めた熱心なファンたち。
彼女たちとおせちのやり取りは、はちるがあえて作戦の“表舞台”から外されている現実を、象徴的に浮かび上がらせていた。
『……ウチは、招き猫ポジでいいかな!?』
『はちるは今回はお休み。カルテット・マジコのコラボでお客さんが来てるのに、いきなり新メンバーが出てきてもみんな困るでしょ?』
『エッ!?』
おせちにとって、それは本当に取るに足らない判断だった。しかしこの地味な采配こそが――後にはちるを、
唯一無二の切り札へと育て上げることになるのだ。もちろん、この時点で未来を見通せる者など、いるはずもなかったのだが。
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