Issue#03 I I Dreamed A Dream CHAPTER 3 14
今回の更新で、物語は第100回目の更新という節目を迎えました。エピソードをまとめる作業をもっと早くに諦めていれば、すでに達成できていた数字でしたが、その話はさておきましょう。
この物語は、アメコミという絶対のお手本に倣い、明確な最終回を定めていません。
いわゆるオンゴーイングシリーズというやつです、それも売り上げでなく、作者の寿命を資本として綴られ続ける物語です。
ですから、もし途中で飽きてしまったなら、その時はどうぞ遠慮なく読むのを中断してください。
そして、飽きることに飽きたなら、また戻ってきていただければと思います。おそらくその時も、大して変わり映えのしない話を続けているはずです。
そうした距離感を取ることこそが、この物語の――けだし、最も賢明な付き合い方です。
しかし、実のところ本作はそう長くは続きません。・・・ええ、その通りです。作者――この私が遠くないうちに死ぬからです。おそらくは、もってあと5年といったところでしょうか。
長年バセドウ病を患い、久しく仕事に就けていないのです。体力を使う、何かしらの現場に出る、いわゆるまっとうな仕事というやつは、もう、この身ではままなりません。
ゆえに生活は順当に逼迫する一方ですが、かといって長生きに固執する気もないのです。病がかつての生き方を奪い、すっかり、生死に興味が沸かなくなりましたから。ただ流れのまま穏やかに困窮し、そしてある日、右に倒れるか左に倒れるかを選ぶ程度の、なけなしの自由意志をそこに発揮して、そのまま餓死するのでしょう。
その日がいつ訪れるか、正確なところはわかりません。なので、それまでの間は――更新は、まあなんとか続くと思ってください。
この声明は同情を誘うためのものではありません。運命の指針をどこかにブレさせたいがための叫びや訴えではありません。むしろそういう、何か死病を患っているとか、のっぴきならない事情があるのではないかという、優しい憶測による憐憫が起きてしまわぬためのものです。この物語の完成系に対するひとつの――かくなる事情に基づいた正直な報告と、額面通りに捉えてください。
とにかくそういうわけですから、あなたの満足のいくところまで、この物語にお付き合いいただけたなら幸いです。
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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ベッドの上でトドのように伸びきるおせちは、それでも瞳だけは鋭い光を宿し、分析を続ける。
「だから、おじいちゃんのお店がお客さんで溢れかえらないことには、いくらでもっともな理由がつけられる。問題はそこじゃない。……矛盾してるんだよ。あのマズい店に、一方的にお客さんを奪われる理由が、どうしても、論理的に説明できない」
『マズい店』――。ついに本音が隠しきれなくなったその一言に、アシュリーの重みで圧迫されたはちるが「うにゃっ」と情けない悲鳴を上げて身をよじり、そのまま勢いで会話に割り込む。
「待って、それって嫌がらせの証拠とかとは、全然関係ない話になってきてない?ウチらはラーメンコンサルタントじゃないんだよ?」
その声には、早く本題に戻ってほしいという、切実な響きがあった。
そうした言葉の応酬が、部屋の空気にわずかな動きをもたらす。その隙間を縫うように、これまで黙って皆のやり取りを聞いていたさなが、ぽつりと呟いた。彼女は部屋の隅、膝を抱えた姿勢で、薄暗い天井の方をじっと見つめている。
「ね……」その声は、ささやきに近かった。
「もしかしたら、そのラーメン……私たちみたいな『普通の人』じゃなくて、何か、特定のお客さんだけに向けた味なんじゃないかな?」
その直感めいたひと言に、会話の風向きが変わった。
おせち、アシュリー、はちる、そして尊までが、一斉に視線をさなへ向けた。
おせちは、脳天を殴られたような衝撃に、はっと息を呑んだ。
――特定のお客さん。
その言葉が、今まで点在していた情報――魂のないラーメン、異様なまでに満ち足りた常連客
そして、シノが語った『クマ人間』の都市伝説――を1本の糸で貫いた。
おせちは大きく頷くと、決意を秘めた眼差しで言った。
「……そっか!だとしたら、確かめる方法はひとつしかないね」
その声と同時に、部屋の視線がゆっくりと――ちょうどアシュリーの重みから解放されつつあったはちるに集中する。きょとんとした顔で畳の上に身を起こす、元獣人の少女へと。
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