目が覚めると…
初めて小説を書きました。拙く、不格好な作品かとは思いますが楽しんでいただけると幸いです。
今思えば、いや、思わなくとも、俺の人生はつまらないものだった。変に器用貧乏で、頼まれても断れない俺は高校あたりから「雑務要員」というレッテルを貼られ、会社に漸く就職できたと思ったらブラックに近いグレーなところでそこでも雑務を押し付けられる日々。好きなのは、ゲームくらいで、口癖が「??????????は楽だなあ」だった。だって、いくらでも同じ文章が出来てタイパが良すぎだったし!けどさ、過労死して異世界転生して能力が????????は酷くないか?どうせなら、火とか水とかのかっこいい厨二心を燻るような魔法がよかったああ!
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「ここは何処だ?」
目を開けるとまず飛んで来たものは…何も無かった。いや、マジで。只々、白色の光なのか何なのか形容しがたい空間の中に俺だけがいる。えっと、さっきまで明日締切の企画書(先輩に押し付けられたやつ)を作ってたはずなんだけど…俺は死んだのか?あり得るとしたら過労死だろうけど。そんな事を考えていると何処からか声が聞こえて来た。
「はあ?何でココに人間がいるの!?」
「え、誰」
「しかも、私の声聞こえてるし!もー、めんどくさいなあ。」
一瞬目の前の光が強くなったと思ったら、人?が立っていた。それはもう堂々と。
「私は、世界の均衡を保つ女神よ」
マジか。確かに人並みならぬ顔の美しさに白銀の艶髪、何より羽が生えている。そんな気はしてたけどマジか。
「マジよ。」
マジか。心読まれた。マジか。
「さっきからアンタ『マジか』しか言えないわけ?」
「しょうがないでしょ。実際『マジか』としか言えない状況なんだから。しかも、普通に俺の心を読んでくるし。」
「いや、確かに心を読む事は出来るけど、アンタずっと声に出してたわよ?ブツブツと」
おっと、新事実。女神様疑ってごめんなさい。
「それよりも今の状況さっさと説明するわね」
「あ、はい」
「まずここは地球の世界と貴方からしたら異世界のキューリッチという世界の狭間の場所なの。で、私はこの2つの世界を管理する役職なのだけれど何故か貴方はここに辿り着いてしまったってワケ」
ふむふむ、この女神意外と説明がわかりやすいな。
「本当は死んだら地球世界の天界に行くはずなんだけど。ま、来ちゃったもんはしょーがないわ。貴方もう地球の天界には行けないし、かと言って死人を再び地球に戻して生かすこともできないし、」
おっと、この展開は夢見てた異世界転生か?
「キューリッチに転生させるわ」
「よっしゃあああああああああ」
キタキタキタキタ〜!この時、この状況、このセリフ、ずっと待ってた!異世界と言うからには魔法なんかもあったりして…?
「あるわよ。」
トリプル役満頂きました〜!全身を使って喜びを出す俺と、そんな俺に引く女神。うーん、なんかシュールだな。
「ちなみに、今回の件はこっちの責任だから特別に特殊スキルあげるわね」
「特殊スキル?」
「そう。貴方が地球で口癖になってたヤツが特殊スキルになるの。」
「え、マジか」
「マジよ。それがルールなの。いつどんな事が起きてもいいようにルールが細かく設定されてるのよ。絶対有り得ないと思ってたのに、あり得たんだから神生って不思議よね」
なるほど、人生ではなく神生か。そんな事を考えている内に俺の体が光り出した。これは、もしかして?
「あ、もう時間なのね。じゃあ、異世界ライフ楽しんで〜」
おい、女神最後は適当すぎやしないか?そこで俺の記憶は途切れた。あれ?結局俺の特殊スキルって何なんだ?