96話 神の道具
カイン「何とか勝てたな」
クリス「何なんだこの天使は、強すぎだ。」
アル「誰も死ななくてよかった。」
ジーク「今日的だったな。あんななりだが・・・」
レビン「そうですね・・・」
そしてみんなの見ている中、天使がスキルオーブに変わった。
「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」
誰も何も言わない。言えない。
それはスキルオーブの色が今までとあきらかに違う。虹色に輝いている。
アル「これ大丈夫だよね。」
「「「「「・・・・・」」」」」」
ジーク「アル、お前がスキルオーブを使え。」
アル「えっ俺、父上の方が良くないですか。」
レビン「いいや、アルの方がいいな。」
カイン「そうだアルが使えよ。」
クリス「アルの方がいいね。」
レイ「お任せします。」
ベン「・・・・」
アルは虹色に輝くスキルオーブを胸にあてる。スッと胸に吸い込まれていく。
アルは沈黙したままだ。いつもなら笑い出すが、今回は何も言わない。・・・・・・・・「分かったよ」
ジーク「何が分かったのだ。」
アル「あー、あっおじい様、あのですね。このダンジョンの事がわかったのです。」
アルはジークたちに説明する。
このダンジョンは、ダンジョンの中のダンジョンである。このダンジョンから他のダンジョンが分かれていった物のある事、ダンジョンの101層に神の骸がある事、その骸がこのダンジョンを造った。そして守られている。そしてこの下の層は神域となっている事、資格のない者は入る事が出来ない。資格とは80層を突破した者の事だが、今後はアルが、80層にボスを置かなければならない事。
ジーク「要はそのスキルオーブは何なのだ。」
アル「えっとですね。簡単に答えるならダンジョンです。」
「「「「「「はぁ?」」」」」」
要はアルはダンジョンを作成できるようになったのである。
ただ作成と言ってもかなりに制限がある。
この神の創り出したダンジョン程のもは作れない。
いいところ40層までだ。
この下の神の骸は、古代の神の骸である。この星で長い年月、眠り続けている。神は死なない。今は骸の状態だが、死んだように寝ているのだ。いつか復活する。それはいつかは骸自身にも分からない。
神とは人の思いが生み出したと言われている。人が(王や時の指導者)が己の立場の強化、人を導くための言葉として、神を作り出した。そして人々はその神を信じる。信じられた神は、次第に形を形成していく。人の思い、思念が神を作り出していく。段々と創り出された神は、己で思考する事が出来るようになる。そして人の思いを願い叶える力を持つ事がある。神に(信者)願いが大きいほど力を持ってくる。思念の力、信仰が神の力になっている。
そして古代人たちが願った。骸の神に古代の全ての人々が願った事、それは人の進化であった。
骸の神は、その願いをダンジョンという形でかなえた。だが骸の神は、忘れられてしまっていた。古代人たちは、願いがかなわないと思った。祈ってもダメだった。人と神とでは時間が全く違う。人間ははいいとこ80年から100年しか生きられない。だが神は死なない。永遠に生きていく。いいや人に生かされている。ダンジョンを造った骸は人々の信仰、思念が無くなり力尽きた。このダンジョンの中で眠りについた。そして古代人の思念を受け継ぐ力を持った人を待っていた。それがアルであった。
そしてアルと6人の人が骸の神の事を知った。もっと多くの者が骸の神の存在を知り、願えば復活を遂げるだろう。
神の道具、それがダンジョンである。人の願いをかなえる道具、神の試練に勝ち、その勝ち得た者が願いを手に入れる事が出来る。
ジーク「何という話だ。信じられん。」
レビン「そうですね」
カイン「じゃ何で他のダンジョンがあるんだ。」
アル「それはですね、このダンジョンが出来て何億年か経っているんですよ。他の神が面白がってまねたんですよ。でもこれ程のもは作る力がなかったんです。物まねですね。でも今は、其れも造る事が出来ないようですね。古代と今じゃ,神への思いが違います。古代人は、神に縋って生きてきました。ですが今は神に祈らなくとも生きて行けます。それ程今は、神を必要としなくなっています。だから神話でしか神が出てこなくなったんです。本気で願えば神は出てきてくれます。願いをかなえてくれます。
人の力とはそれ程、強い物なのです。神をつくれるのですから。」
カイン「よく分からん。でもアルはダンジョンが作れるようになったんだよな。」
アル「ええまぁ検証してからですね。無数には作れないでしょう。それ程の力がありません」
カイン「ん、力ってなんだ人の願いじゃないよな。」
アル「違いますね。神じゃないんで人の願いでは何も出来ませんよ。この星の力と魔力を使います。
この星の中心に物凄い、力だまりが有りますその力を少しだけ使うために、繋げて使わせてもらうんですよ。その繋げる力が魔力ですね。このダンジョンに下の階層は神が資格者に託した神の思いですかね。多分、俺を含めたこの7人は下に行けます。神の領域に入る事が出来ます。そこで1層ごとにダンジョンを造る事が出来ます。」
カイン「えっ、俺にも造る事が出来るのか。」
アル「出来ますよ。80層でもうスキルオーブは出ません。いいえ出せなくなっています。神様(骸)から俺に所有が移ってしまいましたから。」
「「「「「「「えええええええ」」」」」」」」
ジーク「は、は、ハイヒューマンのスキルオーブはなくなるのか」
アル「無くなりませんよ、人々の願いですから。この階層のスキルオーブが出なくなります。あっ、これから創り出すダンジョンは、自分の好きな場所でダンジョンを作り、好きなスキルを造る事が出来ますよ。多少の制限がありますが何とかなりでしょう。
「「「「「「「えええええええ」」」」」」」」
この81層から100層迄の20層は20このダンジョンを作成する事が出来る。その資格持ちは7人である。アル自身は階層に関係なくダンジョンを造る事が出来るが。だが色々と制限があるようだ。
残った神の力を借りる。そのために20層(81層~100層)なのだ。