93話 5年間の出来事
アルフォード・フォン・ギルバートは、結婚し3人の子供にも恵まれ、今はとても幸せな日々を凄いしている。訳ではない。
毎日が大変だ、やんちゃな子供に囲まれ、仕事に追われ、家臣に追い立てられて無理やり仕事をさせられている。そして妻である。アンネローゼに毎夜、襲われている。
何と、子供をあと3人儲ける計画を伝えられている。アルは逃げたい、でも逃げれない悲しい事情がある。
アルの領地は順調に成長を遂げている。
先ず、島の領地であるが、港町は、都市と呼ばれるほどに人口が増えている。これはダンジョン+新ダンジョンの存在もあるが、観光都市としても存在感を現している。獣人達の存在が観光を支えている。
普通人たちは、夢の都として島へ遊び行くのだ。船、ワイバーンとで島へ行くまでも楽しめるようになっている。
次は、新領地(元セレン王国)は、アルの本拠地である。広い領地に広大な農地、この農地を管理しているのがアルのゴーレム達である。アルの家臣たちも、ゴーレムを使い、農園を経営している。食料としての作物もあるが、多くは酒に変わっている。加工して高く売れる酒に変えれいる。ビール、蒸留酒、焼酎と酒の需要は衰える事がない。
農民たちも酒用をせっせと作っている。アルが高値で買い取りを行なっている。リーフ王国内でも、かなり所得の高い農民となっている。
そしてギルバート家の本拠地の盆地の領地は、絶好調という表現がピッタリである。
ダンジョンのスキルオーブはいまだ衰えを知らず。人が溢れている。20層で身体強化、40層で剣、槍、弓、鑑定、アイテムボックス、60層でワイバーンである。
今では多くの者達がワイバーン乗りとなっている。ダンジョン産だけではなく、ワイバーンの交配によって生まれたワイバーンが市場に出てきている。ギルバート家も交配で生まれたワイバーンは市場に流している。
まさにリーフ王国は、空の交通はワイバーンを中心となっている。地上も道路整備が主要道路を全てコンクリートで敷き詰められ、馬車の移動も高速化している。
アンネローゼの自領も順調に成長している。今ではアンネローゼとローゼンが共同で運営を行なっている。アンネローゼはもの凄く嬉しそうにしているが、ローゼンは疲れた表情をしている。何故だろう。
(アルは答えを知っている。)
そんなアンネローゼの領地は、ロング帝国との玄関口として栄えている。ロング帝国の低所得者達が仕事を求めて通ってくるのであった。馬車の高速化で一日でアンネの領地に来ることが出来る、其処で一月、二月と働き戻る。そしてまた働きに来ると言うサイクルが出来上がっていた。巨大なロング帝国も不景気ではないが。全ての人に高額の仕事がある訳ではない。アンネローゼの領地は、加工品工場が多くあり工員を常に募集している。
アンネローゼの二つ名も定着している。リーフ王国内では鬼姫(嫁)、ロング帝国では女神様となっている。リーフ王国ではアンネローゼの武勇?が独り歩きをしている結果である。
だがアンネローゼは全く気にしている。物凄く気にしている為に、アルはアンネローゼイメージ戦略を取った。聖母のイメージを植え付けるために必死で噂を流す。そしてやっと飛竜の乙女にまで回復させていた。まだまだアンネローゼは納得していないが、鬼よりかはといいと言っている。
アルの苦労が良く分かる逸話として後に語られる。
他のギルバート家の者たちの領地も順調で、ジーク、レビン、クリスの領地は一つとなり。大領地となっている。下手な公爵領より巨大な領地である事で、多少のやっかみはあるが問題ない。
ケリー、サリーマリーの領地もアルが共同開発を行なっている為に同じように発展している。
そして、クリスの妻となった、第一王女(公爵)と第二王女(公爵)の領地は、広すぎるためにあまり進んでいない。ギルバート一派全体の二つ分もある領地だ。そんなに出来る訳がない。追々開発を進める事になっている。それでもリーフ王国貴族の領地よりは良くなっている。ゴーレムを使い開発を進めている事もあり、両公爵家の家臣たちが頑張っている。
リーフ王国の近隣諸国との関係は良好だ。一時期危険な時はあったが、各国が協力して危機を脱している。それも島のダンジョンのおかげだ。ハイヒューマンという人類の進化をさせる事の出来るスキルオーブがある為に、各国は関係を維持するために必死であった。リーフ王国も独占することなく、定数を放出している事を各国は評価している。
リーフ王国が独占し、他国に侵略でもしていたら、各国は協力しても太刀打ちが出来なかったであろう。
それ程ハイヒューマンという力(進化)は影響を与えている。
そして、6か国外の国々が騒ぎ出している。リーフ王国としても何とかしたいがリーフ以外の5か国にスキルオーブを流すだけでも大変な苦労である。それを他の国迄広げる事は出来ない。だが他の国々は納得は出来ていない。不公平だ、独占をしていると言ってきている。今はまだいいが、そのうちに争いにも発展しそうだ。
そこで6か国は関係の強化を模索している。帝国などは一国でも巨大な国なのだが世界中が敵になれば苦戦する。そこで6か国連合、又は同盟国家を検討中である。
6か国が一体となった国であれば他のどんな国が来ようと問題なくなる。それにそんな国へ攻め込むバカはいないだろう。
6か国の中心となっているリーフ王国王都も様変わりしている。アルは6か国の中心国という事で張り切って王都開発を行なった。
まず王都に水道を引き飲み水を各所で飲めるようにした。トイレも共同トイレを作り糞まみれの町でなくなった。それだけでも劇的に王都は変わった。
アルは道路整備も行い道幅を広げ、コンクリートで固めた。雨の日も気にしなく外へ出れるようになった。(まだ傘はない)
王都の一部は大きなトンネルの様になっている商店街もある。ギルバート所有の建物同士一部国(全長240M、道幅8M)の1階を通り道にして脇に商店を出店させた。それが物珍しい事もあり人で溢れている。雨の心配もなく買い物者が出来る。店が集中している事で人が集まってきている。いい事尽くめのこの場所は、王都金座商店街と名で呼ばれている。