9話 魔法と色々
アルの魔法はギルバート家を震撼させた。
「ま魔法が使えるじゃと。」
それはもう圧巻であった。
アルの杖と口から出されていく水と炎が芸術的であった。
次男カイン「すげー、アルすげーーー。」
長男クリス「俺にもこれが出来るのか・・・」
長女マリー「私も治療魔法を覚えたいわ。」
次女ケリー「私はファイヤーよホホホホホ。」
三女サリー「アルお兄ぃ、最高ーーーでしゅ」
祖父母「「・・・・・・・」」
父母「「・・・・・・・」」
それからある日キラキラの夜
ギルバート家一家10人はキラキラを一晩中食べて回った。(その光景は異様であった、いい大人がキラキラを追いかけているのだ。可愛い子供がやっていれば、微笑ましいが厳ついジジイも交じっているのだ酔っ払いが下手な踊りを踊っているようであった。)アルの日記から抜粋
10人はそれから魔法を試行錯誤しながら改良をしていった。
例えば、固い土に水を含ませて泥地(土を柔らかく)にする、弓で矢を射る時に矢じりを魔力で固めて放つ(貫通力が増す)
祖父「あのファイヤーボールがあんなに使物にならないとは思わなかったな。」
父「そうですな簡単に避けれますから、騎士物の本ではここ一番の必殺技ですから。ははは」
そう遠距離攻撃であるファイヤーボールはスピードが遅いのだ。人が手で投げる速さの為、普通に避けれるのであった。
祖父「不意打ちや、荷を焼くぐらいかのう。」
父「火ですから攻撃以外でも役に立ちますよ。」
その後のある日
祖父母と父母の会話
祖父「アルは天才じゃな。」
父「そうですね、まさか魔法を創るとは・・・」
祖母「レビンそれは違いますよ。アルの凄い所は魔力を自分の物としたことです。」
祖父「まぁ、魔力の存在を認識させ、魔法を創ったのだ。偉業だな。」
父「ですがリーフ王国や他の貴族にバレるとかなりマズい状況ですね。」
祖父「そうだな、バレるとか拙いが、誰がこの地に来るんじゃ、誰も来んよハハハハ。」
父「ですが万一と言う事もありますから。」
祖父「そのためにお前らも魔法が使えるようにしたんじゃないのか。」
父「ままぁ、そうなんですけど・・・このギルバート領は強兵です。もしかして領民たちは魔法を(身体強化)無意識で使っていたかもしれません。それに他の魔法も使えるようになっては国から何か言ってくるでしょうか。」
祖父「レビンの心配は分かる。王都へ行かなければならないからな。」
父「34年ぶりですか。」
祖父「そうじゃな、ワシが領主になった時、以来じゃな。」
父「ですが爵位も持っていない、領主は王城などには入れないのではないですか。あっ王に謁見する訳ではないですね。」薄ら笑いをするレビンであった。
リーフ王国の説明
王→王族→公爵→
侯爵→伯爵→子爵→男爵→準男爵→領地持ち(爵位なし貴族)→爵位なし貴族(爵位持ち・なしの家族)→準貴族として役人・騎士など→公民(上級民)国が認めた村長等・衛兵や兵士→平民(直轄領や領民)→下民(農奴=小作人)→奴隷(犯罪奴隷・戦争奴隷)
リーフ王国では男爵以上の者たちが王との謁見が許される。それ以下の者達は顔を上げることも喋る事も基本許されていない。
祖父「いや、今回は王に謁見の可能性が出てきた。まぁ役人次第だがな。」
父「それはソルト家が原因ですか。」
祖父「そうじゃなそれもある。このギルバート領は寄り親もなく独立している。通常貴族は寄り親を通じて税を国に納めているが、ギルバート領はリーフ王国の直轄地に税を納めている。それが変わるかもしれない。その直轄地は新たな貴族領となるようだ。」
父「変わるんですか、まさか王都まで税を持っていくのでしょうか?」
祖父「まさかそれは無いだろう。何処かの直轄地だろう。」
祖母「それよりもあなた、兵士にも魔法を教えるって本当ですか。」
祖父「イメルダ、本当だ。我が従士家の3家と兵の一部だがな。」
祖母「従士家はともかく兵士は危険ではありませんか。」
祖父「そろそろ又戦があると思う。」
父「・・・・・また手伝い戦に駆り出せるんですね。はぁーーっ」
祖父「まぁそれも仕方のない事が貴族の義務だ。寄り親がいない事でいつも危険な場所に配置される、それにもまして戦力として数にも数えていない時もあるしな、もう我慢できん。」
父「もしかして次の手伝い戦で武勲を上げるつもりですか。」
祖父「ガハハハハハァ、レビンどう思う。」
父「可能でしょうね。遠距離攻撃が出来れば攻撃の幅が広がります。それに一騎当千の戦いをすれば家を攻撃しようなんて思わないでしょうから。」
それからの話でも魔法を何処まで領民(兵士)に教え鍛えていくのか、新しい小作人の募集(ソルト領より募集)ギルバート領の幹部たちは深夜遅くまで飲みながら会議をしていた。(普通にただ飲んでいたともいう)
魔法を見てからの子供達
クリス「なぁカイン。山の奥に行って狩りしないか。」
カイン「クリス、もしかして戦いたいのか。」
クリス「うっ、戦いの中で使ってみたいじゃないか。」
カイン「だよねー。行こう。」
クリスとカインは仲が特にいい。アルとも仲は良いがアルとは年が離れている為にクリスとカインが一緒にいることが多くなっている。
ギルバート領の周りの森は奥地入るとかなり強力獣がいる。狼、ゴリラ、虎、熊等、普通の村人や新兵では食い殺されて終わりの強者が多く生息している。魔物ではないが魔物にも負けないほどの強さを持っている獣たちなのである。
クリフとカインはこっそりと森に入り大暴れをしていった。
クリフ「カイン背中は任せたぞ。」
カイン「応、任せろ」
クリスとカインは互いに背を向け狼と対峙していた。20頭あまりのフォレストウルフの集団に囲まれてしまっていた。
お互いの背中を守りながら剣と槍を巧みに使い。時には口から炎を吹いて牽制し、殺していく。
カイン「おりゃぁぁぁぁぁーーー」
クリス「俺も負けないぜ、魔弾連射」ドッドッドッドッ・・・・。
クリスとカインのようなものたちは少なからずいた。
二人の様にこっそりと山に入り狩り(戦闘)を楽しんでいたのであった。
そして熊や虎、狼の肉や毛皮が大量に余る事となってしまった。
二人以外にも倒した獲物はきちんと村まで持ってきたためである。そのまま捨て置くことなど全く考えられなかったのだ。村全体が貧乏性なために勿体無い精神が働いてしまっていた。
こっそり山に入るなら獲物を持ってくればすぐバレる。それでも持ってきてしまうのであった。
毛皮が溜った頃
父「クリス、カイン、虎や熊、コングの毛皮を王都へ売りに行くぞ。」
クリス「えっ、王都ですか、都会に行けるんですか。」
カイン「マジか、俺もいけるのかー、マジかマジかー」
アル「ぼっ僕も行きたい。」
父「アルは留守番だな。もう少し大きくなったらな。」
アル「年齢差別だー、横暴だー。」
父「年齢は区別だ。差別ではないし、横暴ではない。」
アル「ぐっ。」
クリス「アル、お土産を買ってくるからな、大人しく待っていろよ。」
カイン「そうだぞ、アル俺が美味しいもの食べた感想を聞かせてやるからなアハハハハ。」
アルは悔し涙を流していた。(絶対に王都へ行ってやるぞ)