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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
1章 2回目の始まり
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60話 罠

アルは祖父、祖母と父と母にアンネローゼの事を伝える。母と祖母は涙を浮かべている。

祖父と父は黙って聞いていた。

アンネローゼを雇い、保護する事を伝える。ギルバートの屋敷に当分の間は厄介になると伝える。


母「何を言っているの、此処で面倒を見ます。」

祖母「そうよ、この屋敷で面倒見るわ。」

祖父「それがいいだろう。人もいる、少し賑やかな方がよいだろう。」

父「ですね。」

アル「ありがとう。お願いします。」


アルは迷惑が係るかもしれないと、別の屋敷を用意するつもりでいた。だがギルバート家の家族は気にもしていなかった。


その日のギルバート家の食卓はいつも以上に華やかだった。笑い飲んでみんなでワイワイ、アンネの弟は大はしゃぎしていた。


翌日からアンネローゼ(通称アンネ)には内政のお仕事を手伝ってもらう。

アンネは優秀な内政官であった。内容を理解している。人の意見もきちんと聞き対応している。かなり優秀だ。

アンネの母親は、母と祖母とお茶を飲みのんびりとさせている。


そして数日後、報告が届いた。

公爵家の内容は、酷い物だった。

リーフ王国の公爵、現王の叔父にあたる。この叔父かなりのクソやローだった。王都近郊に公爵領があり頻繁にこの王都へも来ている。そしてある商会と密談をしていると言う。

公爵は、イシタリカ侯爵家だけではなく他にもスタインバーグ子爵家も罠にはめていた。

やり方は巧妙で、公爵と商会が手を組み、その貴族をだます。騙されたと気づいた時にはもう遅い。公爵という金看板がものを言う。下位の貴族は文句も言えずに泣き寝入りとなる。

だが今回アンネの父が不慮の事故で死んでしまった。多少公爵としては困ったのだろう。王国の法を使い。仮の統治者となった。侯爵領は港があり交易の領地である。きちんと領地経営を行なえばかなり裕福な領地である。

このイシタリカの領地で味を占めた公爵は、貴族を次々と罠にはめて乗っ取りを行なっている。

その数、3領地であるいずれも公爵領隣地である。

イシタリカ侯爵は不慮の事故という事で殺人かは不明であるが、他の2件は殺人であった。いずれも当主が死んでいる。


部下「殺した犯人は確保しました。」

アル「口は割ったの。」

部下「はい喋りました。ですが証言というと弱いです。相手は公爵ですから、平民の犯人など問題にならないでしょう。」

アル「そうなんだよなー、仕方ないまずは商会を潰すよ。」

部下「情報を仕入れてきます。」



その商会は穀物を取り扱う大手商会であった。表面的には堅実な商売で商いしているが一歩中に入ると真っ黒な商会であった。農家に金を貸し払えなければ農奴としてしまう。永遠に搾り取るシステムを構築していた。安く穀物を仕入れが出来る訳であった。

その数は膨大で、罠にはめた3家の領地は、すでに5分の一が農奴(小作人)となっていた。


部下「アル様、どうしますか。さすがにこの商会をすぐに潰すことは出来ないです。」

アル「農奴(小作人)の借金は、

部下「一家平均で、金貨3枚ですそれに膨大な利子で金貨10枚程度になっています。その金貨10枚を一家で返済していく事でなり立っています。」

アル「金貨10枚か。農地はもう取られているの。」

部下「いいえ名目上はまだ農奴の持ち物になっています。土地には税金が掛かりますから。」」

アル「そうだね。大事な土地だしね。金を生まない土地(部分)は要らないみたいだね。」

部下「どうしますか。」

アル「商会が抱えている農奴全員の借金を貸す。」

部下「えっ。本気ですか。」

アル「本気と書いてマジと読む。マジやるよ。」

部下「・・・・・」



この3か月は地獄の様に忙しかった。大量募集の面接など大忙しであった。


そして3か月で準備が出来た。コツコツと農奴を周りギルバート伯爵とイシタリカ侯爵家の名だし。借金の貸付を確認してギルバート家が金を貸す。もちろん低金利だ。そして収穫前に全額返済させる。

返済してしまえば、無理に安く麦を売る事をしなくとも、高く買う所に売るのは自由である。

そして高く買う。買う商会はギルバート家である。ギルバート家には秘策がある。もちろんアイテムボックスとワイバーンである。少し高く買っても、十分に元は取れるのだ。


農奴だけではなく騙されてしまった3家の農家領民たちも話を持っていった。高く買う事を条件に売買予約を取り付ける。半金先払いとなった。3家にも協力をお願いした。3家は敵が打てるならばと即答で協力してきた。

こうして収穫前に全ての借金が返済された。商会は最初は驚いたが、金が入った事で問題なしと思ったのだろう。何もしなかった。農奴が農家に戻っただけと思ったようだ。又罠にはめればと、思ったのかもしれない。

所が収穫時期をすぎても誰も売りに来なかった。平均より安く買っていた穀物であったが、他に売る場所がないために商会に売るしかないのだ。農民は金に換える手段を知らないからできる悪徳商売である。


商会は農家を訪ねるがもう売ったの一言で皆、終わってしまう。商会は定期契約を多く抱えている。一定期限に穀物を規定量納める。年に2回これがある為に安く大量に必要であった。もし納める事が出来なければ莫大な違約金が発生する。違約金を払うのならば多少高くとも穀物を買って納品する方が怪我は浅くなる。だが穀物が全く手に入らない。困った商会は公爵へ頼み見込み穀物を売ってもらった。農奴の金が無ければ破産していた。


商会は焦った。次回も同じことになれば確実に破産してしまう。元農奴たちに次は売るようにと伝えていく。農奴たちは生返事でハイとは言わない。

だが商会はしつこく。頼みそして脅していく。だがはいとは言わない。商会より確実に高く買ってくれるのだ、はいと言うわけがなかった。


商会は焦り、尻尾を出した。農奴を誘拐して言う事をきかそうとしたのだ、一人誘拐して脅し、見せしめにする。見せしめがあれば言う事を訊かせるに事は簡単だ。



だが失敗する。そして現行犯で捕まった。捕まった実行犯は、商会の事を喋りまくった。余程不満が溜まっていたのだろう。



そして商会を捕らえるために騎士団が動く。








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