466話 兎と狸の戦い
悪魔は、予定通り兎人の村に住む事となった。空き家を提供され落ち着いている。
兎人と狸人の争いは続いており、かなりの被害も出てきていた。
兎「アーク(悪魔)さん、狸人の制裁ですが同行してくれるのですか。」
アーク「おういいぞ。その代わりに食事の提供を頼むぞ。」
兎「それは心配ありません。近所の奥方たちが順番で用意しますから。」
アーク「おう分かった。それより何時狸人の攻め込むのだ。」
兎「狸の村は、かなり大きくて実質2村に別れているようです。今回、この村にちょっかい出して来た者達は、西村と言われている者達でした。ですので西村に攻撃を仕掛けます。攻撃事態は我らで行います。そこでアークさんには東の新村(上空)から狸人を監視してもらいたいのです。」
アーク「その東の村から狸が出てきたら知らせて欲しいという事だな。」
兎「そうです。頼みました。」
こうして兎人と狸人の決戦が行われる。
人口で言えば狸が圧倒的に多いが、他は兎人の方が有利と言えた。
両者は、決戦場へと姿を現せた。
狸「よく来たな、卑怯にも交渉人達を殺して尚、縄張りをかけて戦おうとは見下げた根性の腐った者達だ。」
兎「何をいうか、子供たちを人質として従属を迫った愚か者達よ。天誅だー。」
狸陣営は1000人、兎陣営は600人であった。狸と兎が1対1で戦った場合10戦して9戦は狸が勝つだろう。そんな状況でもう兎たちの士気は高い。
狸「突撃だー。」
狸陣営は、作戦など何もなく兎たちの待ち構える陣へと突っ込んで行く。
兎陣営は狸が一本の矢のように突撃してくることを予想していた。横一列に布陣していた兎たちは、狸を受け止める陣形に変えていく。
兎「中央下がれ。」
横一列の陣形から中央が後退していく、そして左右の両翼が前に出ていく。
中央に突撃した狸たちは、兎たちに斬りかかっていくが、盾を持った兎たちに簡単抜受け止められてしまっていた。次々に押し寄せる狸たちも前が詰まって思う様に攻撃する事が出来ていない。詰まる狸を尻目に兎たちは両翼が狸を包囲するように陣形を変えていた。
兎「包囲した狸を殺せーーー。」
兎たち「「「「「おーーーー」」」」」」」
狸たちは、自分達が追い詰められている事を理解していない。先頭の狸たちは必至になって兎に攻撃を仕掛けているからだ、兎たちは受ける事に専念している事でまだたれ一人狸を殺していなかった。その為に狸たちは、有利に進めていると勘違いをしていたのだ。
所が前しか見ていなかった狸たちは、いつの間にか包囲されている事に気付いたが、少数に包囲されても力でねじ伏せると考えていた。
狸「周りは気にするな、正面の敵を倒せば我らの勝利だ。」
「「「「「おおおおおおおお」」」」」」
兎「弓を射よー。」
シュッシュッシュシュッ。大量の矢が狸陣営に降り注ぐ。ぎゃぁ、痛い、何なんだー、痛い、イタイ。
狸「卑怯ものめー。」剣で戦えー。」
兎「お前たちとは頭に出来が違うんだ。死んでくやめー。」
1000人いた狸は、弓矢の攻撃で100人が死亡、300人が負傷してしまった。
狸の大将は、闇屋の攻撃により振りを悟り正面突破を諦めて転進するように指示を出していくが、ただ反転して後ろから転身するという簡単なものではなかった。混乱する狸に容赦なく矢が降ってきている。
狸「主力が穴をあける。そこから出て兎を包囲するぞ。おい道を開けろー。」
狸2「身動きが取れなくなっています。もう前にも後ろにも進めません。」
狸「クソー、兎の策略か、こんなことはありえない。」
狸2「これはタダ混乱しているだけです。後ろから撤退させれば問題ありません。」
狸「クッ、ならば早く指示を出せー、この愚図がー。」
狸2「・・・・了解しました。」
狸2はその場を離れ行く。そして自分の部下に指示を出していく。
狸2「撤退する。馬鹿な狸を盾にして逃げるぞ。」
狸3「いいんですか。」
狸2「じゃぁ、ここであの馬鹿のために死ぬか。」
狸3「撤退ですね。了解しましたー。」
この50人に満たない狸集団は、全員が盾を持っている。その盾を使い包囲を突破するつもりだ。
兎たちは弓矢の攻撃で真正面以外は接近戦を行なっていない。
真正面と包囲している、丁度切れ目に向って盾部隊が突進していく。そして兎たちは弓矢で射るが盾に阻まれてしまう。
狸「抜刀。」
盾部隊は縦を投げすて、抜刀し兎たちに斬りかかっていく。怯んだ兎たちは狸たちの突破を許してしまう。狸たちも突破を成功させるために必要以上兎たちに攻撃を加える事をしなかった。その為に兎たちは多少負傷者を出したが、すぐに陣形を戻すことが出来た。
兎「突破された穴を埋めろ。すぐにだー。」
狸たちは盾部隊が簡単に突破した事で、自分たちも同じように逃げれると思ったようで各部隊の指揮する者達は独自に動いていく。
だがそれは、兎たちの餌食となっていく。
狸たちは、盾を持っている者が少ない。攻撃人重点を置く狸たちは縦など邪魔という風潮であったからだ。
狸4「こ、降参だ。」
狸5「降参するー。」
狸6「もう射るなーーー。降参する。」
だが兎たちは攻撃の手を緩めない。
狸4「こ降参する。助けてくれー。」
もう無傷の物は一人もいない狸陣営であったが、まだ一人元気に攻撃を指示している者がいる。
狸「何をやっている。突撃だー、敵は兎だぞ、弱者だ。我が狸人の誇りを叩きこんでやれー。」
だがもう誰も指示に従う者は居ない。虚しく響くだけであった。
兎「あの馬鹿を射よ。」
兎の号令で一人の狸に矢が集中する。その結果は、ハリネズミの出来上がりとなっていた。
シーーーンと静まり返る戦場であった。
兎「あの者のようになりたいものは、来るがいいハリネズミとなるだろう。降伏する者は武器を捨てよ。」
兎の言葉で狸たちは剣を捨てていく。
狸3「あんな死に方はしたくない。」
狸7「あれじゃ家族に死体を持っていけないな。」
狸8「・・・・・どうなるんだ。」
狸たちは負ける事を全く考えていなかった。その為に狸の指導者が死んだことで誰も指示を出すことが出来なくなっている。
その頃悪魔のアークは、上空でもう一つの村の様子を見ていた。




