46話 男爵になる
アルは王都へ来ていた。陛下へ、報告をする為だ。
アル「あーーー、気が重いな。」
トム「仕方ないよ。義務だよ義務。」
アスカ「久しぶりの都会だわ。買い物、買い物、買い物よーーー。」
アル、トム「「・・・・・・」」
ギルバート子爵邸に着き一休み。
ジーク「アルよく来た、領地はどうだ。」
アル「おじい様、領地は賑わっていますよ。おじいさまにも見てもらいたいです。」
ジーク「はー、帰りたいな。」
アル「すいません。帰れませんよね。」
ジーク「そうじゃな。今は仕方がないな。国が荒れておる。」
アル「宰相一派がいなくなり、風通しも良くなったのではないですか。」
ジーク「隙間風が酷くてかなわん。」
アル「ブホッ。ぴゅーぴゅー吹いてそうですね。」
ジーク「それでな。このリーフ王国で儂が軍務大臣になり権限が大きくなった。で困った人材がおらん。」
アル「それは育てるしかないですよ。」
ジーク「そうなんだがなー。困った。困った。」
レビン「父上、困ったでは解決しませんよ。私の方が困っているんですよ。」
アル「父上は騎士団長になったんですよね。」
レビン「まぁな、要は騎士と軍兵のまとめ役だな。」
アル「もしかして騎士と軍が仲悪いんですか。」
レビン「おっよく分かったな。」
アル「分かりますよ。騎士たちは貴族意識が強そうですから。」
アルは祖父と父の話だけで、問題が山済みという事が分かった。
リーフ王国に再編が必要なことを確認していた。
そしてアルは叙爵され男爵なった。
その後、王に呼ばれ別室へ
陛下「アルよ。意見を聞きたい。この国の宰相は誰がよいと思うか。」
アル「宰相ですか、まず宰相とは王の補佐です。王の決定した事柄を実行する代理者です。」
陛下「そうだな。余の補佐か、・・・・・」
アル「陛下、陛下には王子が3人、王女も2人おります。成人もしております。そして今リーフ王国は人材不足です。王子たちを役職者に致しましょう。」
陛下「王子たちか。」
この国では王子や王女は役職に着いたことが無かった。
アル「王子様たちは大変仲が良く優秀だとお聞きしました。そこで陛下の補佐(宰相)として王太子に、王太子が王になった時は弟王子を宰相にすれば王太子(王)は補佐の苦労も分かっているので政治がスムーズにいくでしょう。それまで、王子達には外務大臣や財務大臣、内政大臣を任せてしまいましょう。」
陛下「重要な大臣ばかりだな。」
アル「重要だからこそ任せるのです。ご兄弟であれば協力関係はもう出来ているでしょう。5人も裏切らない人材がいるのです。使わない事は損失です。」
陛下「5人か王女も使うと言うのか。」
アル「使える者は使います。それに女性の方が強いです。家庭内の権力者は女性です。」
陛下「で、あるな。」
そしてリーフ王国で新人事が発表された。
リーフ王国国王
宰相 王太子
内政大臣 第一王女 副大臣 ダンデロム伯爵(商業、工業) 副大臣 マティアス子爵(農業)
外務大臣 トレイー伯爵 副大臣 第二王女
財務大臣 シローメロ伯爵 副大臣 キャメロン子爵
軍務大臣 ギルバート子爵 副大臣 第2王子(5年後に大臣に交代予定)
直轄地行政大臣 ドーマー伯爵 副大臣 第3王子
以下省略
上記の内容が発表された。リーフ王国だけなく。近隣諸国も少なくない衝撃を受けた。王女が大臣、副大臣に就任したからだ。今まで王女は政治の道具として扱われきた。それが重要な役職に就く事になった。
交流のある王国の王女たちは歓喜していた。
この人事で、リーフ王国派息を吹き返した。王子、王女が張り切った。国の為、国民の為に働きだしたのだ。王子、王女は民に人気があった。それが政治の表舞台に出てきたのだ。国民が歓喜した。
ジーク「アルよ、よく考えたな王子、王女を使うか。」
アル「有る者は親でも使います。」
ジーク「そうだな。間違いない。」
アル「これで国が安定すれば領地に戻れます。」
ジーク「そうだといいな。」
アル「何かあるんですか。」
ジーク「東のハイゲン侯爵と内戦になりそうだ。」
アル「野心家とお聞きしていますが・・・・」
ジーク「東の情報が全く入ってこない。軍部で情報局を作って人を追っているがみんな素人でな困っている。」
アルは嫌な予感がした
アル「それは大変ですね。」
ジーク「少しだけ手伝ってくれ。1年だ。形が出来上がる迄だ。」
アル「・・・・・絶対、一年で終わる訳が無いと思いながらも、渋々承諾した。」
こうしてアルは自ら地獄の日々に突っ込んでいった。
アルは、情報局に行く。ここは軍と離れている。王城内の一室(結構広い)が職員たちの仕事場である。
この場に着いてアルは愕然とした。職員たちは情報という物を理解していなかった。
そこでアルは一度すべてを白紙に戻し、最初から始める事となった。
祖父ジークに許可を取り、予算を貰い、スタートした。
先ず情報とはから始めた。
情報の重要性、情報の利用の仕方、情報操作、情報分析と説明していく。まだ誰も理解が追い付いていない。
アルは人材も各地から引き抜いていった。トムとアスカを始め、アルの子分(いいえ友達たち)を情報収集する者達の組織を作り出す。
トムやアスカたちは、各地に散らばり孤児たちを集め、ゴミの収集、処理の商会を作り運営した。貴族の屋敷や商会にゴミ収集、ごみ処理を行う。孤児やスラムの者達を使い、人の噂話しを集めていく。各地の町に拠点を作っていく。多くはスラム街に拠点が出来上がる。
(国内が整備された後は、国外にも拠点を作り同じように進めるようになっていく。)
そして情報を集める者達、情報を分析・解析する者達、情報を管理利用する者達に別けた。
集める者達はトム、アスカを頭にした。情報を分析、解析する者は元商人、元軍人と色々な職業の者達となった。 情報を管理利用はアルを始めギルバートの者と陛下とした。リーフ王国の宰相も大臣もこの事実を知らせない事にした。
そして孤児や浮浪者から情報が集まり出す。孤児や浮浪者も噂話しを聞きその話を持っていくだけで金になる。小さい子供もやる気になっていた。拠点には食事も出来るようになっている為にボロボロの服を着ているが肉付きもYくなって顔色も良くなっていた。
情報もきちんと裏を取る事も教えていく。
そして面白いように集まり出す。