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441話 亀の歩み

超巨大亀の上は至って平和であるが、地上では大騒ぎとなっている。

超巨大亀の進行方向には大きな町があり、その住人たちは超巨大亀を退けるために兵を集め戦いの準備をしている。


超巨大亀はのんびりと歩いているつもりなのだろうが、亀が一歩進むたびに地上は揺れている。


街に集まる兵士たちは、地面が段々と揺れが大きくなるたびに恐怖心が膨れ上がっているようで、顔が真っ青になっている。それでも街を守らなければならないと使命感から必死な形相で準備を行っていた。

そこに超巨大亀の上からドラゴンに乗った中人(アルの騎士)のような人が街に降りて来た。


街は超巨大亀だけでも大騒ぎとなっている所にドラゴンである。もう恐怖を通り越して抜け殻となっている者も居る。


竜騎士「おーーーい。逃げろ。超巨大亀には敵わない。逃げるしかないぞー。」

族長「なななな何を言っているんだ。逃げたら街は終わりだー。」


竜騎士は、大声で超巨大亀が眠りから覚めて突然歩き出した事実を簡潔に伝えていく。

大声で語っている事で街の住人たちにも聞こえている。




町人「今の話は本当なのか。亀の上に町(村)があるのか。」

竜騎士「本当だ。エルフの村があり、今脱出中だ。」

町人「お、俺達も受け入れてくれ。このままじゃ街が無くなる。」

竜騎士「主に話はしよう。」

族長「だだだダメだ。亀を撃退するんだ。街を守るんだ。」


一人族長だけが騒いでいるが、兵士や街の住民たちは白けた表情で見ていた。



竜騎士「族長、無理だよ。ドラゴンでさえ敵わないんだ。あの超巨大亀に剣や槍なんて全く効かないぞ。踏みつぶされてお陀仏になるぞ。」

族長は、はっとして周りを見ると皆が白い目で族長を見ていた。


族長「うっ、どどどどどうすればいいんだ。わぁぁぁぁぁぁ」

突然族長は、大声を出し走り出してしまった。唖然とする兵士や町人たちであった。

族長の補佐であろう者が、いつもの発作ですと涼しい顔で説明している。町人たちも補佐の事は信用しているようで騒ぎにはならなかった。まぁ騒ぎの真っ最中である事で族長一人が無能と分かった事でこれ以上の騒ぎにはならない。

補佐は、竜騎士に掛け合い助けを求めた。

竜騎士もその為に来ている事で出来るだけの事をする事を約束していく。



その頃超巨大亀の上では、引越しの準備が進んでいる。

アルとカインは、亀の進行方向に存在する町や村に伝えるために騎士たちを派遣していく。


カイン「アル、避難と言っても物凄い人数になるぞ。それに拠点までは相当な距離もある。どうすんだ。」

アル「拠点に全て移住は無理でしょう。そうなるとこのあたりに拠点を造り、そこに被害者たちの仮拠点にするしかないでしょう。」

カイン「種族ごとには無理だよな。そうなるとかなり揉めそうだな。」

アル「仕方ありませんよ。緊急事態ですからね。あんな超巨大亀なんて誰も想像すらしていませんから。」


エルフたちの脱出の用意もかなり進みドラゴンに乗るだけとなっているが、肝心のドラゴンたちが各地に出払ってしまった事で待ちの状態となっていた。


比較的呑気なエルフたちは、もう超巨大亀の上である事を受け入れている。


エルフ「俺ここに残ろうかな。」

エルフ2「えっ、お前もそうなのか、俺も少人数ならこの上でも暮らせると思うんだよ。」

エルフ「だよな。30人ぐらいなら暮らして行けるよな。」

エルフ3「いいなそれ。ドラゴンが定期的に来てくれれば暮らしも楽だよな。」

「「「「いいな良いな」」」」」ワイワイガヤガヤ。


そんな話をしている事を全く知らないアルは、エルフの移住準備を行っている。各地に飛ばしたドラゴンたちの代わりに拠点から応援を呼び寄せている。籠を使いエルフたちを運ぼうとしているのだ。



亀が進んでいる先の村や町に降り立った竜騎士たちは超巨大亀が迫っている事を伝えていくが、信じない者が多くいる。竜騎士たちは、信用させるために族長や重鎮などを乗せて超巨大亀を見せていく。

そしてドラゴンに乗って降りて来た者達は皆、真青な顔をして住人たちに説明している。

住人たちは、超巨大亀が事実と分かるともうパニックになっていく。

逃げる事しかできない事で家財などを荷台に詰め込んでいく。



ある村では竜騎士が訪れたが亀の進行が早く間に合わなかったが、丁度亀が村のど真ん中を通った事で村は救われていた。

だがその恐怖は尋常ではなかった。村にのっしのっしと迫る亀に村人たちは恐怖で動けなくなり。硬直していた。


ドスンドスンと揺れる大地に村は、静まり返っていた。陽がランランと降り注いでいた村が亀の影に隠れていく。暗くなった村はドスンドスンという音と共に大地が揺れるのを耐えるしかなかった。

そしてその揺れが次第に遠のいていく。


村長「た、助かったのか。」

竜騎士「助かったようです。生きた心地がしなかった。」


偶然にも超巨大亀に踏みつぶされる事無く村は生き残った。村の住人も誰一人かけることなく生き残り皆が安堵の表情をしている。


竜騎士「これで一安心ですが、超巨大亀は何所に行くかまだ分かりません。万一戻ってきても対応できるように逃げる準備だけは行っておいてください。」

村長「あ、ありがとうございます。別種族にも関わらず。助けてい頂きありがとうございます。」

竜騎士「うちでは各種族が皆一緒に暮らしています。別種族という区別は無いんです。」


村長は驚き又感度していた。超巨大亀から助かった事もあるが、何の利益も無いこの竜騎士が逃げることなく村に残り村人と一緒になって亀の通り過ぎる事を待っていた事が村長に信頼以上のものを植え付けていた。


村長「亀に潰されてしまった村の住人を家の村で受け入れましょう。この村が助かった事はそのためだなのだと思えます。村人たちよ良いなー。」

村人たち「「「「「「「おおーーーーーーーー」」」」」」」」」


この村は、閉鎖的と言われていた村であった。種族としても独特で他の村(種族)決して仲の良い者達ではなかった。それが一人の竜騎士が逃げる事も出来たにも関わらずに村に残り村人たちと運命を共にしたことが村長を始め村人たちの心を溶かしていた。


この種族は、白狼族であり孤高の戦士と言われている種であった。

狼族は、集団戦が得意でありがこの白狼種は、個人でもかなり強力であり、単独でも行動可能であり他種族からも恐れられている存在であった。その白狼の村が、他の種族を受け入れる事は信じられない事であっという。


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