435話 エルフ
エルフ
(うっ、知っている天井だ。あっ土の天井なんかどこにでもあるか、此処は何処だろう。私はエルフの里を出て南に向かっていた。あっそうだお腹が空きすぎて倒れたのかもしれない。何しろ私は狩りが得意じゃないから獲物を狩る事が出来なかった。あー辛かったなー、思い出したらお腹が減ってきてしまった「グーグーグー」ヤバイお腹が大合唱している。人に聞かれたら恥ずかしい。どうしようどうしよう。)
ガチャ
あッ人が来た。寝たふり寝たふり。
「グーグーグーグー」
小人「もし、起きているんではないでしょうか、お腹がなっていますよ。」
エルフ「・・・・スヤスヤ・・・・・グーグーグーグーグー」
小人「起きていますよね。お腹がなっていますよ。ご飯ありますよ。」
ガバッ
エルフ「すいません。起きていました。」ペコリ。グーグーグー。
小人「今ご飯の用意をしてきますね。」
コンコン
小人「食事の用意が出来ました。食堂にお出でください。」
グーグーグー
エルフは、物凄く嬉しそうについて行く。その間もお腹は鳴りっぱなしであった。
エルフ「おーーーーー、凄い美味しそうだ。これ食べていいのですか。」グーグーグー
小人「どうぞどうぞ。」
エルフは椅子に座るとものすごい勢いで食べ始めていく。
エルフ「モグモグ、かぁー上手い。こんな食事は何時ぶりだろう、かぁー上手いモグモグモグ。」
小人「美味しそうに食べられましたね。これほど美味しそうに食べられる方を見るのは初めてです。」
エルフ「あいや、すいません。食べ物を見た瞬間から理性を失ってしまいました。私にはご飯の対価がありません。どこかで働いて返します。」
小人「そのような心配はいりませんよ。ここは食料が豊富ですからこの位は問題ありません。」
エルフ「なんて天国のような場所なんだ。こんなに美味しい食事がむ、無料ですか。」
小人「無料というより、行き倒れの治療の一つと思っていますので・」
エルフ「あっ、行き倒れって私の事ですよね。」
小人「何か事情があるようですね。」
エルフ「・・・・・・・」
エルフは、助けてもらった恩もあり小人にエルフの里を出る事になったいきさつを語り出す。
このエルフは中央大陸の東で静かに暮らしていた。里の者達も穏やかで森の中を縄張りとして他種族ともあまり関わらないようにしていた。争いの絶えないこの星の中で唯一と言っていいほど穏やかな種族と言えよう。そんな穏やかな種族に危機が起こった。
それは森の異変である。エルフの暮らす森は豊で果物や木の実などが豊富に取れる。その果物や木の実を食べる動物などを狩り、エルフたちは静かな生活を満喫していた。ところが森に異変が起こってしまった。森に豊富にあった木の実や果物が枯れ始めてしまった。実のなる木々が枯れていき、トゲトゲしい木が生えてきてしまった。エルフたちは最初の頃はトゲトゲしい木を伐採して樹木を保護してした。だが枯れる速度が尋常ではなくエルフたちの保護だけではどうする事も出来なかった。
エルフたちは、どうする事も出来ずに追い詰められていく。そしてエルフは、新しい森を探す旅に出る事になった。その一人が行き倒れのエルフであった。
小人「そうですか、それは大変な旅でしたね。」
エルフ「どうなんですよ。私は狩りも上手くなく。空腹との戦いでした。そして空腹に耐えきれずに行き倒れとなってしまいました。情けない。」
小人「エルフはそれ程追い詰められているのでしょう。」
エルフ「えっ、エルフの里はまだ大丈夫ですよ。あと数年は持ちます。何しろ広い森ですから移動すればそのくらいは持ちます。数年以内に新しい里を見つけなければならない為に今多くのエルフが外へ出ています。」
小人「数年持つのですか、ホッ、安心しました。先ほどの話ではもうエルフの里が滅んだような言い方だった物ですから心配しました。」
エルフ「あっ、すいません。少し大げさに言ってしまいました。」
エルフの語りは大げさでも何でのない。実際にエルフの里はいま危機的状況にある。
小人「此処はある方の縄張りで豊かな暮らしが出来る場所です。ここにエルフさんたちに移住してくれば宜しいではないですか。」
エルフ「えっ、此処はそんなに豊かな場所なんですか。エルフが移住できるほどの・・・・・」
小人「此処には多種多様な種族が住んでいます。皆が協力して暮らしています。エルフさんたちも仲間になりましょう。」
エルフ「・・・・・・・・」(この小人は何を言っているんだ。多種多様な種族そんな夢みたいなことがある訳ない。信じられないな。ここは話しを合わせて行こう。)
小人「どうしましたか。」
エルフ「あっ、すいません。少しびっくりしてしまいました。多種多様な種族とおっしゃいましたが本当ですか。」
小人「そうですよね、普通は信じられないでしょう。どうでしょう腹ごなしに外へ出てみませんか。」
エルフ「はい。」
小人とエルフは、外へと向かった。そしてエルフは驚愕してしまった。そこは夢にも出てこない素敵な町が在った。
多種多様な種族が仲良く話をしている。買い物(店)や食堂まである。
エルフ「こっこっこっこっこっこれは・・・」
小人「おッ、一発芸ですか、鶏の真似ですか。では私もコッコッココー。」
エルフ「違います。驚いて少しどもっただけです。」
小人「おーそうでしたか分かっていましたよ。ワザとですよー。」
エルフ「・・・・・」(この小人は何者だ小人族と言えば臆病で表には出ないのではないのか周りを見れば小人小人小人が一杯ではないか。ここは何なんだ。)
小人「小腹が空きましたね。どうですかあそこの店でスイーツでも食べましょう。」
エルフは小人の後をついて行く。エルフの鼻が何故か犬のようにヒクヒクしている。エルフはあまーい香りに魅せられて夢遊病者のように吸い寄せられていった。
エルフ「ウマーーーーい、あまーーーーい。美味しーーーー。」
エルフは満面の笑みをうかべほっぺたを膨らまし、物凄く美味しそうにスイーツを食べている。美味しいそうに食べるエルフを見て周りの者達も自然と笑顔になっていた。




