430話 首、騎士になる
首在りデュラハンは、9層で無双している。
顔は笑顔で体は蝶よりも軽く、今迄の鬱憤が晴れていくようであった。
中人として中二病を患い、ダンジョン内でジッと待つこと数百年、やっと自由に動けるようになり友達(候補)まで出来たのだ。嬉しくないはずがない。
デュラハン「魔物よ我に殺されることを感謝しろー。ガハハハハハハ。」
デュラハンはもの凄い勢いで9層を蹂躙していく。
9層を蹂躙した後は急ぎ10層へと戻る。そしてニコニコ顔で指導騎士に獲物たちを積み上げていく。
デュラハン「せ、先輩9層の獲物です。ご確認ください。」
騎士「うむ。よくやった。明日から本格的に訓練を始める。今日は食ってよく寝ろ。」
デュラハン「はい。」
ニコニコ顔のデュラハンは、アル達の元へと戻っていく。
アル達は何でこちらに向かって来るのか、少しだけ恐怖を感じていた。
案の定、デュラハンはアル達に友達として話しかけてきた。
デュラハン「アルさん、今日はもう終わりのようなので、い、い、一緒にご、ご飯でも食べままししょう。」
アル「・・・まぁ友達候補だしな。一緒に食べるか。」
デュラハンは満面の笑みを浮かべている。そしてソワソワとしていた。
カインが面白がってデュラハンに人と食事をしたことがあるのかと問うとデュラハンは親と食事はあるが他人との食事は生まれて初めてだという。そして初めての食事がととととと友達と食事なんて物凄く嬉しいとドモリながら伝えていた。
カインも何か可哀そうな奴を見る目となっていた。
カイン「そうか、今日の飯は美味いぞ。アルの友達の歓迎会みたいなもんだからな。」
デュラハン「わわわわ我のかかかかか歓迎会なのか、うや・(ボコッ)ありがとう。」涙目
デュラハンは泣きながらみんなに囲まれて嬉しそうに食事をとっていた。「うううう美味い。こんな食事が美味いと思わなかった。」
カイン「首在りそれはな。仲間と一緒に取る飯だから美味いんだぞ。一人で取る飯は同じものでも味が変わるんだ覚えとけよ。」
デュラハン「あああああ兄貴と呼ばせていただきます。あ。に、き。」
ボコボコボコ。
デュラハン「あいた、あいた、あいた。」
カイン「うざいんだよ。」
デュラハン「デヘヘヘへへ、兄貴に怒られた。デヘヘヘヘヘヘ。」
アル「カイン兄、首が喜んでいますよ。」
カイン「・・・・・失敗したか。アルをからかうためにやったら首になつかれた。拙いな。」
アル「友達2号で兄貴ですね。」
カイン「・・・・・・」ボコボコ。
デュラハン「あいた、あいた。なにすんですかアニキィー。」ニコニコ
カイン「それよりアル、このダンジョンはどうするんだ。向こうと繋げる事は分かるけど、訓練用にするのか。」
アル「そうなりますね。このダンジョンはかなり力をため込んでいますから一気に30層ぐらいまで作れそうですし、案もありますから明日以降でやりますよ。」
カイン「へへへへ楽しみだな。」
騎士や戦士たちもダンジョン内で訓練が出来る事を皆喜んでいる。だが一人だけその喜びが分からない者がいる。デュラハンはダンジョン内に数百年も押し込められていた為に喜ぶ要因が解らなかったのだ。それでも仲間である騎士や戦士たちが嬉しそうにしている姿を見ると何も言えなかった。
このデュラハンは、いい奴でもないが悪いやつでもなかった。少しだけ中二病を患い、少しだけ考えが飛んでいるだけの普通の中人であった。そして運の悪い事にダンジョン内で、ダンジョンコアを食べてしまっただけの普通の馬鹿なだけであった。
アル達は、ダンジョンから拠点へ戻ったが、デュラハンはアル達から離れようとしない。しまいにはアル達の家まで堂々と入っていった。
アル「そうか、首は家が無かったな。」
首「わ我は一緒に住んでもいいぞ。す住みたいな。」
アル「ダメだ。俺達とは別行動になる。首は騎士になる為に訓練があるからな。そうだ騎士宿舎でこれから暮らせ。」
首「きききき騎士が周りに一杯いるな。デへへへへへ。」
首は何やら妄想しているようだったが、少し気持ち悪い笑いをうかべている。アルも何故か聞いてはいけない感じがして聴く事はできなかった。
それから指導騎士が首を引き取りに来て宿舎へと連れて行かれていった。
カイン「その内、一緒に住もうといい寄られるぞ。」
アル「気を付けます。」
カイン「まぁ案外面白いやつかもな。」
アル「魔物になっても中二病は治らないようですね。」
カイン「もう治んないんじゃないか、魔物になってそれが性格として定着している感じだな。がんばれよ友達1号さん。」
アル「・・・・・・・」
翌日から首は、拠点の中でニコニコしながら働く姿がみえた。魔物として生まれ変わってしまったが、何の偏見もなく受け入れられていた。
指導騎士「次は、門の警備を教える。いいか首、門は敵味方の見極めが大事だ。村人、商人、隠密などが入交中に入ろうとする。隠密などは排除だが、たまに粋がってくる村人や商人がいる。まぁ首の元の同族が多いがな。」
首「お任せ下さい。我は騎士となれば、元同族であろうと容赦しません。」
首は、騎士として扱われることに喜びを感じてしまってる。もう騎士以外の仕事はやりたくないと思っているようだ。
ダンジョンでラスボスとなっていたデュラハンが門前で商人に対して丁重な言葉で対応している。指導騎士もこれには物凄く驚いてしまった。
指導騎士「首よ、お前は丁寧語も喋れるんだな。」
首「指導騎士殿、そのくらいできますよ。私は生前に教育を受けていましたのでそのくらいはできます。」
指導教官「そうなのか、戦闘能力もあり、丁寧語も使える。騎士として問題ないな。あとは首よ騎士は連携して戦うのだ。それと騎士は守る者の為に戦う。守る事が勝つことになる。覚えとけよ。」
首「うおおおおおおおお、凄いぞ、凄いぞ。騎士は守る事が勝つ。いい言葉だなーーー、感激だー。凄い凄い。」
指導騎士は、かなりお疲れ模様となっていた。首に一言いうたびに感動され称賛されてしまい、真面な訓練が出来なくなっている。元々実力は疑いない事で早々に切り上げてアルん元へと戻そうと考えている。だがすぐに戻すことが出来ないために今は我慢我慢と自分に言い聞かせている。
指導教官「よし、次は騎士同士の戦い方だ。行くぞ。」
首「はい、教官。」ニコニコ




