425話 大事になる
トムは、急ぎ隠れ家に戻っていた。
レンと相談しなければならないからだ。
トム「レン、大変だ。」
レン「トムどうしたの、行商が失敗したの。」
トム「違う違う、行商は成功したけど、村の孤児が此処に引っ越したいって言うんだ。それも32人も。」
レン「32人それは無理でしょう。」
トム「あっ、やっぱりね。そうだよなー。」ガックリ。
レンはトムに話をもう一度じっくりと聞き返した。村での行商、孤児のグループの事と確認していく。
レンはトムとミューの3人で32人のハーフたちを受け入れるかを話し合っていく。
レン「今の状態じゃ無理だよね。」
ミュー「そうね5人と32人で37人も食べていくことはできないわね。」
トム「罠と採取をみんなでやれば食べていけるんじゃないか。」
レン「32人の年齢は?みんな働けるのか?」
トム「小さな子供もいたかな。全員は無理だけど20人以上は働けると思う。」
ミュー「この先に少し高台になっている奥に開けた場所があるわ。入口が狭くなっているからもし攻撃されても守りやすいわ。」
レン「アッ知っているよその場所、僕もここいいなーっと思っていたんだ。あそこかー。」
トム「俺も知っているよ。奥を住処として高台は畑に出来ればかなりいい雰囲気になるよな。」
ミュー「トム、いい雰囲気って何よ。」
トム「いい村になるってことだよ。」
レン「村?あっそうか40人近くになればもう立派な村だね。」
レン、トム、ミューの3人は自分たちの村つくりを話し合った。そして結論として受け入れる事にしたが、一度で受け入れにはさすがに無理となり、まずは働ける数人を受け入れ小屋を建てる事になった。小屋の完成後に残りの者達を受け入れる事にした。
トムは急ぎロバ人の村へと戻り決定事項を伝えていく。
トム「どうする。一度には無理だけど2段階でなら可能だ。」
デス「ありがとう。働ける10人を取りあえずお願い。」
トムとデス(ハーフ)の話はこれで終わらなかった。いや10人はレンの元で小屋作りに送り出されたのだが、ロバ村の孤児たちがこの話を聞きつけて俺達も一緒に行きたいと訴えてきたのであった。
トムは、「えっマジ」となっていしまったが、デスが代表として対応していく。
この村の孤児たちは、大森林に捨てれたた者と村で親が無くなり孤児となった者がいる。
妙なシステムがあり村で孤児となると孤児たちのグループが面倒を見ることなっている。孤児たちは村の畑の手伝いとごみ処理が主な仕事だが、ハーフの孤児は、肥溜めの処理と肥料つくりが仕事となっている。
そんな孤児集団であるが、合計人数が約90人もなるとそれだけでは食べていくことが出来ない。その為孤児たちはいつも腹を空かせているのであった。
トムとデスは、ハーフのグループと他のグルーフの内20人を受け入れる事で話がついた。
トム「52人か。」
デス「なんかごめんね。迷惑かけてしまって。」
トム「あっ迷惑じゃないぜ。俺たちも考えがあるんだ。5人じゃ出来ないけど。50人なら出来る事が増えるからな。俺たちの村を造ってみんな仲良く暮らすんだ。そして南の拠点へみんなで移住だな。」
デス「南の拠点ってあの噂の拠点だよね。」
トム「そうだよ。ハーフでも楽しく暮らせるっていう場所だな。エッヘン。」
デス「そんな場所に行けたらいいね。」
ハーフの孤児では手に入らなかった。物が他の孤児たちによって斧と鍬が持ち込まれた。この道具が小屋作りと畑作りに大いに貢献していた。
レンたちは備蓄していた干し肉を放出して畑作りと小屋作りに全力で取り組んだ。その結果何とか住める小屋が出来上がり、ハーフたちの移住を開始していく。
レン「何とかなったかな。」
トム「流石レンだな。」
レン「これからが大変だよ。約90人(村の孤児を含む)もの食べ物を確保していかないといけないからね。」
トム「罠と畑と森での採取で行けるでしょう。」
レン「多分大丈夫だと思うけどそれだけじゃダメだよ。」
トム「どうするの?」
レン「へへへ、エールを作って売る。」
トム「えーーーーっ、エールって作れるのかぁ。」
レン「当たり前でしょう、畑にエールの実がなる訳ないでしょう。」
トム「エールなんて良く作り方知っていたな。」
レン「へへへへ、それはねー、家で作っていたんだ。だから知っているんだよ。」
そしてトムを中心にハーフでない者たちが動き出していく。ハーフたちは嫌われている為に行商などの仕事はできない、その為にトム達が外へ出て動き回っているのである。
樽を買い手作り荷台で運び、準備していく。まだレンたちの畑では収穫できないが、大麦を干し肉と交換してエールつくりを開始していた。
デス「レン、何で大麦を食べないんだ。」
レン「大麦は食べるよ。でも今はエールを作って大麦を一杯仕入れるんだよ。そうすればみんなが大麦を食べれるしエールも作れるからね。」
デス「あっそうなんだ。エールになると高く売れるんだ。」
レン「正解、10倍で売れるからね。」
デス「じゅ、じゅ10倍になるの凄い。」
小規模であるがレンはエールを作りロバ人の村で物々交換をしていく。そこに小人人の行商が目を付けレンの集落までやってきたのだ。
小人「初めまして南にあります拠点という場所から来ました。」
レン「う、噂の拠点ですか。」
小人の行商は、柔らかい笑顔でレンと話をしていく。小人はまだレンが子供であることとハーフである事を考慮していた。
小人「ほーーッ、いずれは拠点に行きたいのですか。」
レン「御覧の通り僕はハーフです。そしてこの集落にはハーフが多くいます。猫人や狼人、ロバ人達の協力者がいるために今はエールの販売で何とかしのいでいます。ですがもしハーフだけとなればエールも売る事が出来なくなるかもしれません。」
小人「そうでしょうね。ハーフには生きずらい世ですからね。」
レン「はいそうです。だから拠点へ行ってみたいんです。」
小人「ならば一度拠点へ行ってみますか。」
レン「えっ??????」
拠点に行ける事で、トムとレン、ミューの3人は話し合った。折角軌道に乗って来たこの集落を今は慣れる訳にはいかない。だが拠点に行けるチャンスである事でレン一人で行く事となった。トムは最後まで一緒に行くと駄々をこねていたが、今トムが抜ける事が出来ない事はトム自身が一番理解していた。
トム「お土産買って来いよ。絶対だからな。」
レン「分かっているよ。」
ミュー「マミの事は任せなさい。」
レン「ミュー頼むね。」




