42話 ギレン男爵と報告会
アルが王都から戻って二月がたった。
トンネル工事も大詰めとなり。もうすぐ開通する。
トンネル以外もかなり順調でほぼ完成済みとなっている。
そしてダンジョン村だが、これが又利権を求めて王都ギルバート家へ押しかけ物凄い事になった。
その頃の王都
貴族「これからはギルバート家を立てていこう。」
貴族2「そうだな、商業ギルドに圧力をかけるか。」
貴族3「工業ギルドはうちが一言いえば何とでもなる。」
貴族4「大丈夫なのか、いつも口ばかりだろう。」
貴族3「何を言う、お前こそ、口だけ番長ではないか。」
貴族「まぁそこまでだ。これからの事を話そう。ギルバート家には明日みんなで挨拶に行く。」
王都内には王城勤めの法衣貴族と呼ばれる者達がわんさかいる。この者達は王国に使え国から役職手当・役人手当を貰っている。もちろん城勤めをしていない法衣貴族もいるがこちらは無収入となる。無収入の者達は己の才覚で商売をして稼ぐなどしている。
そんな無数のコバンザメたちがギルバートというサメに群がってきた。周りがコバンザメだらけとなり溺れそうになっていた。
そんなギルバート家を救った者がいた。
王都の屋敷に詰めかける貴族達、もう毎日の事でへとへとになっているギルバート家、そこえ群がる貴族を一括した者がいた。
「貴様らーっ、ここを去れ、去らねばワシが相手になるぞーーっ。」貴族達は慌てて逃げ出す。その貴族の前に1人も残っていなかった。
この貴族はギルバート家に面会を申し込んだ。
ジークは面会をする。
「ギルバート男爵閣下、初めまして私はリーフ王国 ギレン・トマホークと申します。男爵位を王国より承っております。領地はありません。」
ジーク「ほう、トマホーク男爵、今回は大変助かりました。ありがとう。それで今回面会はどのような用件でしょうか。」
ギレン「はい、お恥ずかしい話ですが、トマホーク男爵家は法衣貴族であります。城勤めでもない我が家にまともな収入はありません。そこでギルバート男爵家は、今回子爵に昇爵されるとお聞きしました。我がトマホーク家を家臣として召し抱えてもらえないでしょうか。」
ジーク「家臣として・・」
ギレン「はい。私は戦闘能力には多少自信がございます。息子たちもそれなりの戦闘能力がございますのでお役に立てると思います。」
(この国では同じ爵位の者に使える事は出来ない。一つでもしたならば可能となる。)
ジーク(男爵から子爵になる事が分かりここに来たと言う事か。ならば家臣としても、そいかもしれない)
「ワシは田舎者だ。トマホーク男爵は貴族の間で有名なのか、先ほどの者達は皆知っているようであったな。」
ギレン「はい、まぁ、多少は名が知れております。ですが悪名です。わたしの稼ぎの殆んどは傭兵です。貴族の雇われ傭兵が多いのですが、貴族同士、爵位なし貴族とも傭兵契約を結びます。そこで爵位なし貴族は私を取り込もうといたします、雇われるたびにこの問題となっています。揉めて半殺して解決しますので噂が絶えません。」
ジーク「そんな噂、全く問題ない。うちで働くがよい。」
ギレン「えっ、よろしいんですか。爵位なしとは言え、多くの貴族ともめているんですよ。」
ジーク「問題ない。ギルバートの家臣となっても半殺しなら問題ない。やってよいぞ。
ギレン「えっ。」
ギレンは驚きを隠せなかった、貴族相手に暴力の許可、半殺しの許可まで出るとは思わなかった。
ジークはギレンの顔色を見て「うちはな血の気の多い者達が多いんだよ。すぐに揉めた領地に攻め込む者や魔法の練習で山を削る者、領民同士でも殺し合いは日常的に起っている。まぁ半殺しだけどな。
ギレン「ど、どんな修羅の領地何ですか。」
ジーク「まぁ普通の領地とはちと違うだけじゃな。おー、それよりトマホーク男爵家の家臣たちもおろう何人ぐらい居るのだ。」
ギレン「はい今は、傭兵としている者が20人ほどおります。他は10人と家族です。妻と子供が4人です男二人の女二人です。」
そうかならば当分はギレンを隊長として部下は今までの家臣でよいだろう。部隊運営費として全てギルバート家が経費を持とう。ギレンの部隊長としての給料だが金と領地どちらが良い。」
ギレン「はっ?あいや、失礼しました。金か領地かですか、そりゃ領地です。小さくとも領地です。」
ジーク「まぁ普通はそうだな、領地を子供に物す事が出来るからな。一年以内に領地持ちにしてやる。それまでは給料制だ一月金貨10枚の部隊長手当金貨、10枚の合計20枚だ。家臣たちは一人に付き金貨2枚でどうだ。」
ギレン「あああああ、ありがとうございます。」
ジーク「当分の間は、ここの警備を頼む。貴族がうるさくてかなわん。」
ギレン「了解いたしました。本日より警備いたします。」
ジーク「今の警備兵もついでに鍛えてくれ。」
ギレン「はっ、了解しました。」
こうしてギレンが新たにギルバートの一員となった。
レビンか帰宅した。
ジークははレビンをギレンに紹介した。レビンとギレンは同じ傭兵だったこともありすぐに意気投合して二人で飲みに行ってしまった。ジークは苦笑いを受けべていた。取り残された部下たちは慣れているのか全く問題なく仕事をしていた。
そして一月後に報告会が開催された。その報告会は、問題だらけであった。貴族達の私利私欲の塊だった。都合の良い報告。相手を路陥れる報告と聞くに堪えないものばかりであった。
陛下は、うんざりした顔をしていた。ジークはあまりにも可哀そうになり。
ジーク「陛下、この報告は余りにもひどい。やり直しです。」
陛下「有無、余もそう思うぞ。」
ジーク「こんな報告しかできないような者を国の重鎮とすることは国の権威と能力を疑われます。今報告した者達は全て赦免したしましょう。」
陛下「そうだ・・ 」陛下の言葉にかぶせるように宰相が「お待ちください。すすぐにやり直しをさせます3日ください。必ずやります。で、ですので赦免は一時保留でお願いいたします。」
陛下はジークを見る。何か言えと目が訴えている。
ジーク「今の言葉で思ったのですが、やればできる。のにやらない。いいややらないようにしていたと言う事でしょうか。内政大臣(伯爵)どうですかな。」
内政大臣「わ、私は宰相閣下の指示に従っただけだ。宰相閣下はこの国の執政だ。」
ジーク「ほー、執政ですか。宰相かっ」
宰相「おおおおお待ちください。だだだ、大臣は乱心しております。」
内政大臣「何を言っておる。ワシは乱心などしておらん。えええい、いいわ陛下、宰相は我らに虚偽の報告をするように指示が来ました。今までの事もあり、協力をしましたが本日の報告を聞いただけでもかなり酷い有様です。それに私が乱心しているだと、自分で言わせておいてそれはないだろう。いつもいつもワシは執政と自分で言っているではないか。ワシでも宰相と執政の違いは知っている。」
宰相「きき貴様、裏切るのか。これまでリーフ王国の執政としてやってきたこの儂の・・あっ・・」
ジーク「其処までです。陛下このリーフ王国に執政の役職はございますか。」
陛下「宰相はおるが。この国で執政になった者はいない。執政と役職も無いな。」
ジーク「宰相閣下は、役職の偽り使っていたことになりますでしょう。それでもいきなり赦免は先ほどの事もございます。一時役職の停止としてはいかがでしょう。」
陛下「ジーク子爵の意見を是とする。再報告は三日後とする。」