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418話 酒

小人族は、今最高に熱くなっている。

武器を使い戦う事が出来ると証明したこともあるが、それ以上に各種族との繋ぎ(交易)の役目がこの影星を纏める力となっていた。

今迄集団と個人での戦いしか興味の無かった者たちだが、アル達の移住がそれを変えていた。

アル達が持ち込んだ色々な物が影星に住んでいる者達に豊かな暮らしという物を実感させていた。


食べ物を美味しく料理する。


便利な魔道具で生活する。


住みやすい家。


豊かに実る畑。


欲しいものが手に入る商店。


アル達は色々な便利な仕組みをこの影星に持ち込んでいた。その便利な物を小人たちが、使いといて各種族へと伝えていた。

小人族のネットワークと話術、そして各種族が小人族を最下層の種族と認識している事が小人族の受け入れを可能としていた。

小人族がもし、少しでも力を持っていたならば、各種族は小人族を村や集落の中に入れる事は絶対に無かっただろう

力が無い事で小人族は各種族から警戒される事無く、集落や村へ上手く入り込み事が出来たのであった。



小人地区


小人1「拠点から輸出出来る作物は、麦と蕎麦の実とジャガだよ。」

小人2「んーーーーん、酒をみんな欲しがっているんだよね。」

小人1「酒かぁ、あれはまだ少ないからなー、困った。」

小人2「白オークなんか酒酒酒と行くたびに騒ぎになってしまうよ。」



今小人族たちを悩みの種となっているのが酒である。今までも酒はあったのだが、少数の愛好家だけで飲まれあまりおいしいものではなかった。だがアル達の技術力で美味しい酒が手に入るようになると一気に広まっていった。広めたのは勿論小人族であるが、各種族は酒の為に小人族をこれでもかという程、優遇し始めていた。


美味い酒、それは人々を幸せにもするが争いの種にもなってしまう。


小人族は、フル回転で酒を造り続けているが全く需要に追い付いていない。そこでアル達に助けを求めたのだ。酒の作り方から保存のやり方を学んだ小人族は、大量生産をするためにアル達を頼ったのだった。

アル達も美味い酒が出来るのならばと手を貸すことにした。


エール、蜂蜜酒、焼酎、蒸留酒、ワイン、果樹酒と小人たちに多くの種類の酒が提供されていった。

今迄はワインとエールだけが主体であったが、焼酎(蕎麦と芋)と蒸留酒は万民に受け入れられていた。

(小人族は蜂蜜酒オンリーのようだ)おこちゃまなのだ。


酒を取引する小人族は各種族に丁重にもてなされる存在となっていく。何しろ各種族は、酒を作り出すことが出来なかったからだ。小人族は各種族に対して酒の造り方を教えていた。だが不味いエールは作る事が出来るがそれだけであった。

美味い酒を造る事が出来なかったのだ。その為に小人族の扱いが変わってしまった事は仕方がない事だろう。誰でもうまい酒を飲みたいという欲望は抑える事はできない。



アル「この焼酎は美味いな。」

戦士「でしょう。この蕎麦焼酎は癖になるんですよ。小人族の創り出す酒は、蒸留酒でもエールでもみんな美味いんですよ。」

アル「小人族は、凄いな。酒造りだけで大陸を支配できるぞ。」

戦士「出来るでしょうね。今各種族は、小人族にお願いして酒を買っていますから。」

アル「酒のおかげで争いも減っているようだしな。いい事尽くめだ。」

戦士「あの戦闘狂達が争いを一時的にでもやめるなど想像も出来ませんでした。酒の力は偉大です。」

アル「アハハハハ、俺もそう思うよ。美味いエールの為に隣地の種族と戦わないとは誰も思わなかった。その理由が小人族の通行の邪魔をしてはいけないとはな。」

戦士「本当ですよ。小人族がもし争いに巻き込まれてしまえば酒が届かなくなるんですから各種族は必至でしょう。」

アル「戦闘狂達は酒に負けたのだな。」



アル達が噂をする程各種族は、必死であった。美味い酒の為に大好きな戦闘迄控えているのだ。その為に小人族に与えているプレッシャーはすさまじく。小人族たちも必死となっていた。


小人1「全然酒が足りないぞ。どうすんだよ。」

小人2「増産しかないだろう。拠点に言って区画を広げてもらおう。」

小人3「その話はもう話をしてあるよ。拠点の者たちが協力してくれることになっている。芋と蕎麦の実を大至急作ってもらえるよ。」

小人1「それは大助かりだ。農業は俺達にはきついからな。」

小人2「だよなー。」


芋と蕎麦の実は拠点内でとだてられていた。元蜥蜴人の縄張りの殆んどを畑にしてつくる事になっている。需要が供給に全く追いついていないこの状況であった。

何しろ大陸中の者たちが小人族の酒を求めているのだ。一つの縄張りで生産される作物で賄える訳が無いのであった。

それでも小人族とアル達は効率よく酒を作り出している。まだまだ足りていないがいずれは需要が上回るだろう。


小人1「へへへへ、蜂蜜酒がやっぱり最高だよなー。」

小人2「エールなんて呑めないよ。最高の蜂蜜酒じゃないとダメだね。」

小人3「みんな何で焼酎や蒸留酒なんて好むのか分からないよ。只強い酒なだけで蜂蜜酒のように甘くないんだよね。」

小人1「蜂蜜酒の良さが分からない白オークや蜥蜴人たちは味音痴なんだよ。まぁ売れるからいいけどね。」

小人4「おいおい、今度新しい酒が出来るんだって騎士さんが言っていた。何で果実から造る酒で少し甘い酒だって言っていた。」

小人1「甘い酒かいいなー、俺達も味見したいな。」

小人2「よしそれなら焼酎と交換してみるか。」

小人1「おーそうしよう。美味ければ増産してもらおう。」


「「「「「「おーーーー」」」」」」」


ハッキリ言って小人たちも酒に魅了されていた。蜂蜜酒というあまーい酒に魅了され、蜂蜜酒の為に必死で他の酒を売りさばき蜂蜜酒を求めていたのであった。




小人1「えっ、この蜂蜜酒は何だ。今までの蜂蜜酒とは全く違う。」

小人2「あっ、その蜂蜜酒はね。一つの巣から創り出したんだよ。今までは蜂の巣をごちゃまぜにしていたんだけど、戦士の人が一つの巣(1種類の花)で集められた蜂蜜は味が違うって言っていたから作ってみたんだよ。」


それから小人族は大騒ぎとなってしまった。蜂蜜酒が更に美味しく成る事の発見は小人族にとって良い事なのか悪い事となってしまうのかは、これからの小人族の気持ち次第だろう。

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