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410話 到着

白オークとアルの戦いは、一方的な戦闘となっていた。

白オーク30余りであったが、アル一人に蹂躙されている。その戦いの姿を見ているハーフたちは、アルの姿に歓喜していた。今まで自分たちを虐げて来た白オークが、たった一人に蹂躙されているのだ。

信じられない事だが現実に目の前で起こっているのであった。


グル「す、すげーーーー。」

デス「つえー。」


アルは白オークとの戦闘が終わるとすぐに拠点へと出発していく。ハーフたちはアルから色々と話を聞きたそうにしているが、今は白オークの縄張り内であり、早急に拠点へ戻らなければならない状況である事でグッと堪えて移動に専念している。

そんなハーフたちに苦笑いしながらアルの黙って引率している。

そしてやっと拠点にたどり着くと中から大勢の騎士や戦士たちが出てきていた。


騎士「アル様、この子供たちは如何したのです。」

アル「白オークの縄張りで保護した。白オークと中人のハーフだ。」

騎士「分かりました。取りあえずは食事や寝床の用意をします。」

アル「おう頼むぞ。グルこの騎士について行け。後で俺も行くから心配するな。」

グル「は、はい。」


グルたちは騎士に引率されて拠点内に消えていく。そこへアンネローゼがやって来る。



アンネ「アル、あの子たちは此処で保護するの。」

アル「ああ、保護する。あいつらに新たな種族として名を与えたんだ。白オークに迫害され、中人たちからも迫害されていたようでな。俺が中鬼人と名を与えた。新たな種族としてこの拠点に向かい入れる。」

アンネ「フフフ、いいわね。あの子たちは新種の中鬼人なのね。みんなに伝えておくわね。ふふふ。」


アンネを始めとする女性人たちは、アルが連れて来た少年少女たちに興味津々であった。それは少年少女たちの容姿が他の者達より良かったからであった。若い女性人たちは、きゃーきゃーと言っている事でアンネが代表してアルに確認に訪れたのだ。

アンネとしても美しい者を眺める事は嫌いではない。


このハーフたちは見た目は中人に近く体格もアル達とあまり変わらないが若干大きめだ。顔も中人よりいいように見えるが頭に小さいが角が生えている。その為に中人達に受け入れる事が拒否された原因であった。

鬼族は、小鬼と言われるゴブリン、普通の鬼人とオーガと呼ばれる大鬼種がいる。その為アルが名づけた中鬼人は鬼人と被ってしまう事で中の文字を入れていた。鬼人より少し小柄となっている。

鬼人の角は10センチほどの長さがあり、1本の鬼人と2本の鬼人がいる。中鬼人の角は3センチほどで髪で隠せば人と見分けがつかなくなる。

角は大きな特徴となっているが、肌の色もかなり違っている。鬼人は赤鬼、青鬼といるが中鬼人の肌は白い白オークの肌の色を受け継いでいる。


中人と城オークのハーフが何故角か生えているのか、それは白オークが鬼種から派生している種族であったからだ。

白オークには角はないが、元はあったようでそれが遺伝によってハーフに角が出来たのだろう。


そんな事はお構いなしに中鬼人の少年少女に興味津々となっている女性人たちは、食事を持って皆がお世話している。


アルのもう苦笑いしか出なかった。


突然現れたアイドルの様で、当分は治まることは無いだろう。


アルとしては、中人達にはきちんと説明を行う事にした。話の出来る中人達に今回のハーフたちの出会いから拠点まで移動するまでを簡略に説明した。


中人「申し訳ない。あの馬鹿どもは・・・・・」

アル「病気と言って済ませられない事だ。生まれてくる子供は、そんな事は関係ないからな。」

中人「そうです。申し訳ございません。」

アル「俺に謝っても仕方ないだろう。謝るのなら中鬼人たちに謝れ、そして中二病たちを近づけるなよ。中鬼人たちはいずれ殺すといっていたからな。」

中人「・・・・・了解しました。中人たちにも伝えます。」

アル「そうしてくれ、決闘はともかく闇討ちなどは絶対にさせないから安心してくれ。」

中人「はい。」


中鬼人たちは、拠点内を案内してもらい驚きの連続であった。別種族が仲良く暮らしているなど信じられなかったからだ。自分たちが迫害されていると言う事もあるが、どう種族以外は仲が悪いと思っていたからだ。

それが仲良く拠点で暮らしている姿を見ると驚き以外は無いだろう。

そして物が豊富にあるという事実にも驚いている。白オークの集落では、食料をうがい合っている状態しか知らないのだ。少ない食料を奪い合っているのだ別種族に与える食料など有る筈も無かった。


グルは、食料が豊富にあれば白オーク内でも受け入れられたかもしれないと一瞬思ったが、それはないなと思い直していた。

それは母が泣きながら食べ物を分けていた事を思い出していた。白オークたちは母をけなしながら食べ物を放り投げていた。それを拾い集めている母をグルは只見ているだけしかできなかったのだ。


だがこの拠点では、そんな事が一切ない。好きなだけ食べる事が出来る。そして服も綺麗な服を貰い着替えも数枚貰う事が出来た。

グルは、兄弟達を嬉しそうに騒いでいる姿を眺めている。俺がこの兄弟を守らなければと毎日思って生きてきたのだ。これからも守っていかなければならないのだ。

強くならなければこの影星では生きていけない。だがこの拠点出れば弱き兄弟達を守る事が出来ると確信していた。守ってもらう間に俺が最強の戦士となり恩返しと兄弟達と行なおうと自分に誓っていた。


デス「お俺、強くなる。ルビー様が剣を教えてくれるって、いいよねグル兄ぃ。」

グル「ああ、教えてもらえ、そして強くなれよ。」

デス「うん。」

サド「私も強くなるわ。」

グル「サドも戦いを教えてもらえ、だけどサドは13歳だからみんなの面倒も見ろよ。」

サド「当たり前でしょう。ここに住まわせてもらうのよ。働きながら教えてもらうわよ。」

グル「そうだな。」



グルたちの思惑は外れる事になる。アル達は、グルたちを働かそうなどとは思ってもいない。まぁ手伝い程度はさせるがその程度である。

グルたちにはまずは栄養を取り体を動かしよく練る事をさせていく。そして武芸の稽古とお勉強であった。



グル「うっ、勉強以外がいいな。」

サド「フフフお勉強楽しいわ。」



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