39話 王城会議室
アルたちは動き出した。
1500と2600のトンネル2本を掘る為に、人員確保と再調査と忙しく働いていた。その間にもダンジョン探索隊の物資、村建設の手配等も同時に行い。猫の手も借りたいほどの忙しさだった。
そんな忙しいさなか、父から手紙が届く。
アル「・・・・・」
母「レビンからで、アルに王都へ来てほしいそうよ。」
アル「無理です。この忙しい時に、絶対無理です。」
母「そうよね。分かるわでも行ってもらいます。ギルバートの領主と、次期領主が呼んでいるんですよ。行かない訳にはいきません。」
アル「・・・・・・」
それからアルは、トム達に仕事を撒裂ける方針に切り替えた。トムをトンネル関係のトップとし、アスカを物資輸送の責任者とした。
ダンジョン村は、予定で動いているので問題があればクリス(責任者)に相談とした。
母とマリーに全体(監督)を見てもらう。ケリーにはアル領とカイン領を監督してもらう。ついでにサリーも同行するようだ。
アルは自領の警備隊を20人引き抜き護衛として王都へ連れて行く。隊長はデイズとした。
急ぎ、アルとデイズ隊20人は、馬に乗り22人で王都へ向かった。
王都へ着き、アルはギルバート男爵の屋敷にと初めて入った。
アル「へーーー、いい屋敷ですね。高かったんでしょうね。」と祖母に尋ねる。
祖母「私がきたときはもう購入済だったのよ。幾らかはしらないわ」
アル「おじい様と父上はお城ですか。」
祖母「そうよ、毎日遅くまで迄城に詰めているわ。」
アル「ならば、夜まではゆっくしときます。」
祖母「そうね、それがいいわ。アルの部屋を用意してあるわよ。」
アルは、部屋で休み、他の者達も敷地内の兵士宿舎で休む事になった。
その日は夕食時も戻ってこず。夜遅くに戻ってきたが、もうアルは就寝中であった。翌朝アルが目ざまると祖父ジークと父レビンの二人がアルを待っていた。
アル「おはようございます。おじい様、父上。」
祖父「おはよう。」
父「おはよう。よく来た。」
祖父と父の話は、あるの予想の範囲であった。王国としてダンジョンという物が欲しいのだ。貴族領内で見つかったが、未開発の領地である為に、あの手この手で王国直轄地に出来ないかと祖父と父に相談という名の、献上しろと説得が毎日行われている。
アル「それは毎日お疲れですね。」
祖父「あやつら、毎日毎日人を変えてくんじゃ、受けるこちらは同じじゃ、あれじゃぁ体が持たん。」
父「ですね。あれは一の拷問ですな。」
アル「私が呼ばれた理由は拷問を受けるためじゃないですよね。」
父「まさか、そんな訳あるか。アルにはダンジョンの説明とこれからの展望を陛下に伝えてもらいたい。王国のも多くの利益が入り潤うとな。」
祖父「それにじゃ、あの貴族ども、おこぼれを狙って人をギルバートに在中させようとしておる。」
アル「確認ですが、今ギルバート領の税は王国に2割治めていると言う事でよね。」
祖父「そうじゃ2割だ。」
アル「寄子分も含めてですか。」
祖父「寄子も2割じゃな、うちは寄子に対して何も貰っておらんからな。」
アル「ですよね。普通はより親に5%とか治めているようですね。」
祖父「そうじゃな、多くの貴族領は法の定めている税50%(5割)を税として課している。20%を王国。5%をより親へ、残りの25%が貴族の取り分じゃな。その中で兵士・役人の給料・町、村の整備・館内の給料と生活費じゃな。」
アル「大きな村や町を持っている貴族なら生活出来るでしょうが、小さな村だけの貴族は出稼ぎに出ないと生活できませんね。」
父「その通りだな、過去のギルバートも出稼ぎはやっていた。傭兵としてかなりの強さだったな。」
父は懐かしそうに語っている。
祖父「アルよ、陛下が納得できる何かないか。」
アル「この国には他にダンジョンはあるんですか?」
祖父「2か所ある。一つは国堺にある。これは隣国との共同のダンジョンとなっている。国堺でどちらの自国の物だと、昔かなり揉めてな一時は戦争寸前までなった。その為に共同統治となった。ここは全て折半だな町、物の全て半分だ。
もう一つは、王国の貴族領だ。貴族領の税は2割これで通っている。」
アル「要は、貴族領のダンジョンはその貴族が独占して王国には大して利益が挙がっていないと言う事ですね。未来のギルバート領を見ているようです。」
祖父「・・・・・」
父「・・・・・・」
アルは困った。普通の事である。幾らダンジョンが見つかったとしても、その貴族の領地であれば、貴族の物である。税は王国として決められているものだ。全く問題ない。
「下手に譲歩でもしたら、着けこまれてしまうな。」
アルは準募の為に二日、時間を貰った。
三日後、アルは祖父と父の3人で王城へと向かった。
そこには陛下を始め、多くの王国の役職者たちが勢ぞろいしていた。
アルたち3人は大きな会議で、周りを半包囲されるように囲まれていた。
今回は正式な謁見ではない。正式なものとするとアルやレビンが喋る事が出来ないために、業と会議としている。
陛下「皆そろっておるな。今回はダンジョン発見の報告と今後の事だ。よく協議をしてくれ」
宰相「ギルバート男爵、説明せよ。」
ジーク「では説明いたします。」もう何度もせ説明したことをジークは、すらすらと語っていく。
「このようにダンジョンを発見し、このアルが陣頭に立ち村の開発を行ないました。」
宰相「男爵の申す事は分かった、だが次期が合わんだろう。まだ開発の途中いいや、はじまってもおらんかもしれんな。それならば王国が手助けを使用ではないか。」
アルはスッと手を挙げる。
宰相「ん、男爵の孫か、何か言いたいことでもあるのか。」顔をグイッとアルに振る。
アル「発言許可ありがとうございます。先ほど祖父である。ジーク男爵が仰っておりましたが村はもうできています問題ありません。村はまだ小規模でありますが、ダンジョンに必要な物は商店にて販売し、冒険者・探索者用に宿も開業しております。冒険者や探索者の安全確保の為に今ギルバート領の者達で地図の作製も行っています。」
宰相「ほー、それほど早く村の開発が出来るのか、不思議でな。その辺を説明せよ。」
アル「はい、村の開発は魔法を使いました。普通10年かかる村の開発もギルバート領民全員の力を使い30日で完成いたしました。」
宰相「魔法か・・・・・・・おうそうだ。ギルバート領は、王都と実際の距離は近いが山々がある為に、ぐるっと回らねば入り口の街道へとつけないこのため、優にひと月はかかってしまう。そこで王国が街道整備を行なおうではないか.山々を切り開き道をつくろうぞ。」
アル「その山道は、計画していつ開通すのでしょうか。あんな高い山道誰も通りませんよ。1000Mi以上の道なんて怖くて商人も通りません。費用の無駄ですし、開通まで10年、20年もかかりますよ。費用なんて莫大にかかります。単純計算ですが、1日、1000人の工夫で銀貨1枚として×1000枚で1000枚=金貨100枚です。一日に金貨100枚が基本の人件費、一日を食料一人銅貨10枚として×1000=銅貨10,000枚です。銅貨100枚で銀貨1枚ですから、金貨にすると10枚ですね。
人件費と食事竹で毎日110枚の金貨が飛んでいきます。それにあの山に拠点を建設しなければ工事自体も出来ません。工夫の寝る場所もありません。宰相かかった拠点等の費用は別として一日110枚年間(360日)で金貨39600枚かかります。これが10年で396000枚です。国家予算はいくらあるのでしょうか。」
宰相「・・・・・・・・・」
アル「実際こんな工事を行なえば、簡易査定ですが、最初の初期投資(拠点作り・道具類)で100万枚の金貨が必要です。これは一時金ですから国からも出せるでしょう。国家予算の約2年分でしたか。(リーフ王国の年間基本予算は金貨60万枚)
それよりも10年、20年毎年かかる費用です。約4万枚の金貨が何の利益も産まず20年間きえていくのです。国と貴族で20年間負担しますか。まぁ20年後には通行料として、一人銅貨10枚ぐらいは戻ってくるでしょう。王国の為に街道整備は貴族の仕事かもしれませんね。態々リーフ王国が主導せずとも宰相閣下を陣頭に、各貴族が資金を出し早ければ20年、遅くとも30年まではかからない事業です。さすが貴族の義務を分かっいらっしゃる。ギルバート等の田舎者には出来な偉業です。さすが中央の大貴族様たちですね。」
アルは胸に手をあてお辞儀する。
宰相「・・・・・・・」
陛下「アルフォード。あまり宰相をいじめるな。」




