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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
370/437

370話 都内

アルは目の前に積み上げられた土産を眺めている。大春華国からの土産は、それは大層な物ばかりであった。

アルの感想としてはこれを貰えるのならば頭なんて何度も下げるようになるな。という感想しかなかった。


アル「凄い土産の量だな。」

騎士長「いささか多いように感じられます。ここまで土産が多いという事は大春華も必死なのでしょう。」

アル「何か策を巡らせているという事だな。」

騎士長「間違いないでしょう。それに都内に入られてしまえば大春華は負けです。まぁ事実上もう負けていますが、あの者達には理解できないのでしょう。」

アル「そうだな、大春華国はもう敗北している。」

騎士長「都の住人たちは各地の兵を都に集結させるようにするかもしれません。」

アル「集まるか。」

騎士長「集まる事はないでしょう。」


騎士長の予想通り、都の者達は各地に檄文を送ってた。都に兵を集結させるように画策したが実際に集まる気配さえなかった。

アルに使者が訪れてからすでに20日が経過していた。周辺の貴族領ならばもう集まっていてもいいのだが、一向に集まる気配さえなかった。

焦れた、都の者達は、情報を得ようとアルの元に又使者を出す。そのすきに何人かが抜け出し各地に散らばっていく。だがそんな事はお見通しである。散らばった者達は死体となり都内に放り込まれる。



都、城内


高官「外はどうなっておるのだ。」

高官2「全く変わりません。兵が集ってきていないようです。」

高官「クソー、どういう事なのだ。何故貴族領の兵が集らんのだ。」

高官3「まさか貴族領の兵は敗れたのでしょうか。」

高官「そんなことありえるか.数十万の兵だぞ。何万かは止められるだろうが全てを止める事は不可能だ。」


この高官の言葉は大春華の者達の常識であり考えの限界を表していた。万一敗れても伝令などは必ず都迄来ているのだ。一団で行動する軍隊が一人残らず死ぬ事等ありえない事である。


実際に貴族領から都に出陣している貴族などは、カインとドラゴン達に蹴散らされて逃げまどっているが、一人残らず殺すことはできていない。

ではなぜ都に伝令が来れないのか、それは簡単な事だった。上空からワイバーンが監視・警戒している為に都に到着する前に伝令たちは皆殺されていたからであった。


そんな事実を知らない都の高官たちに怒りは募っていく。黙ってジッと待つことが出来ない性格が多いらしく。毎日無駄な会議を開き。軍人と貴族を疲弊させていた。


そんな状況の中又アルたちの元へ使者が訪れる。情報集めが出来ない事でギルバート内から情報を得ようと使者を出したのだ。今度の使者はピカピカの馬車と後ろに数十台の馬車を引き連れていた。

驚いたのはギルバートの兵士たちだ。


使者の土産を見ていた者達は色めき立っていた。もしかしたら土産は自分たちの分もあるのかもしれないと期待に胸を膨らませていた。

それは仕方ないだろう。使者の馬車に数十台の馬車を引き連れてきているのだから。


そしてギルバートの兵たちの期待通り、兵たちに土産を配り出す。大したものではないが兵士たちに配る間に色々な会話をしていく。情報を得るために涙ぐましい努力をしていた。


役人「食料は足りてるか。」

兵士「おうよ、いつも豪華な飯だぞ。」


役人「外は争いもないようですね。」

兵士「平和なのもだ。」


役人「都に伝令など来きませんでしたか。」

兵士「どうだろう。知らないな。」


役人「食料は、何処から運ばれてくるのですか、まさか大春華国内からですか。」

兵士「アハハハ、まさか我らは農村など襲いませんよ、もし襲ったらこちらが処罰されますよ。」

役人「・・・・・・・」



この役人は兵士の言葉を理解できなかった。大春華国では村を襲って食料を確保するなど当り前の事であり、逆にギルバート家が施しまでしているとは夢にも思っていなかった。


ギルバート家の兵達一人一人に配った事でかなりの情報が集まっていた。

都に引き上げた役人たちは、その情報を纏め高官へと報告していた。


纏めた情報内容は、貴族兵は見ていない。旅人などは全て追い返している。伝令は見た事が無い。など大した情報はないのだが、そこは役人たちである。

些細な情報を繋ぎ合わせている。


都周辺に貴族兵はいまだに姿を見せていないが、ギルバート兵達に伝令などが追い出されている事が確認できた。そして推測ではあるが貴族兵のかなりが敗北している。だがまだかなりの数の領地に兵達がいる。


とかなり期待を込めた報告がなされていた。これは役人たちが高官の都合の良いように報告するからである。この城内で生き残るためには、高官の気分を良くすることが一番長生きの秘訣となっている。


高官たちは、かなりご不満な報告であったが、それでも情報が入った事と都に兵が向かっている事実に安堵していた。大春華国の全ての兵士が集れば都は救われると本気で思っているのだ。


だが、其れも都内で暴動が発生するまでであった。都内の約半分がスラムとなっているのだ。都を封鎖している為に外へ出る事は不可能である。その為にスラム内ではかなりの食料不足となっていた。今までは平民や貴族などが、其れと外で食料調達が行われていたが、外へ出る事が出来なくなり都内だけでは賄う事が出来なくなっていた。平民も貴族達も節約の意識が出てきたのだろう。町などに出歩く事が少なくなっていた。


大春華の都には膨大な食料が保管されている。都内の人々を1年や2年ぐらいは賄えるほどの食料があるのだが、そんな事等スラムの住人に分る筈もなく。平民街や商店街を襲う暴徒となっていた。

直ぐに軍が鎮圧に向いスラムの住人たちを殺していくが、これが拙かった。籠城中に虐殺などすれば火に油を注ぐ結果になる事は誰でも予想できた。だが大春華の高官たちはそれが出来なかったのだ。今まで都が囲まれた事が無かったために都内で起こるトラブルを予想できなかったのであった。


都内で殺されたスラムの住人たちはそのまま放置されていた。スラムの者たちはその死体を解体して食料としてしまった。その事実を平民たちは見てしまったのだ。食料が無ければ人を食べる者達が隣に住んでいる。この事実に平民たちは恐怖して対策を講じた。全てのスラムの住人を殺さなければ自分たちが殺されてしまうと錯覚を起こしてしまっていた。





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