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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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369話 使者

大春華軍との戦いは終わった。アルたちの勝利という形で、都から戦いを見ていた者達は、皆唖然としている大春華が誇る軍がまさか負けるとは思ってもいなかったのだろう。


そして都内で次は都が焼かれると恐怖におののいている。都に住む平民たちだけではなく城内の高級官僚や軍人、貴族などの方が右往左往している。


大春華国にしてみれば、自分たちの死刑執行人が都の外に居るのだ、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているのである。

そんな城内で変わらない場所も存在している。皇帝の暮らす奥である。


毎日、朝昼晩と励んでいる皇帝は、外の事に全く興味が無く、又女たちも皇帝に外の事を騙る者も居ない。




城内


貴族「皇帝陛下にお伝えするべきだ。」

高官「無理だ。皇帝陛下迄、言伝が伝わる迄幾日もかかるだろう。」

貴族「くっ・・・・・」

高官「皇帝陛下に伝えたところで解決しない。それに今外にいる軍を蹴散らせるものはいないのか。」


高官に一言によって軍人たちは顔を下に向け目を合わせないようにしている。


高官2「情けない。大春華の軍人ともあろう者達が、これほどの弱者であったのか。」

軍人「あのローマン帝国を滅ぼした者達ですぞ。大春華国が総力をあげなければ勝つことはできないでしょう。」

高官「総力戦であれば勝てるのか。」

軍人「負ける事はないでしょう。」


軍人は勝とは言えなかった。だから負ける事はないと答えたのだが、高官の受け取り方は違っていた。負けない=勝となっていた。


大春華国の高官たちは馬鹿ではない優秀な部類であったが、長年城内で力を持ち権威を振るっていた事で自分に逆らう者がいなかった。その為に少し都合のいいように考える傾向になっている。

自分に都合の良い考えの元、高官は皇帝発行の朱印押し檄文を各地にバラまく事にした。敵は高々4万程度であることで各地から数十万の兵が押し寄せれば勝つと判断したからだが、其れ迄この都が持つのかという問題も出てきた。

当り前だが目の前に敵がいるのだ。何時都に攻撃をかけてきてもおかしくない状況である事で時間稼ぎの方法を探し出していく。



高官3「それならば和平交渉しかありませんな。」

貴族2「おおー、それは妙案だ。実にいい。」



ご都合主義の城内の者達は、大春華国として和平交渉の使者を出す。


都から大相な騎馬と金ぴか馬車が出てくる。馬車は戦場とは思えない程の豪華な馬車であり。誰が乗っているんだと思うようなピカピカの馬車であった。


アル「何だあの馬車は、目がチカチカしてきた、新たな敵の攻撃手段か。」

騎士「何を馬鹿な事を言っているんです。あれは大春華国の使者の馬車です。あの派手で品のない馬車は大春華の権威を表しているんです。それと使者は皇帝陛下の代理としているので迎えるときは俯くようです。」

アル「はっ、大春華は馬鹿なのだな、敵が使者に俯くなどありえないだろう。」

騎士「普通はありえないでしょうが、この地の皇帝は絶大な力を持っているようで他国の者達も礼儀として皆俯くようです。あのローマン帝国の下級貴族達は褒美欲しさに皆俯いていたようです。」

アル「褒美?」


騎士「そうです褒美です。使者が訪れると力を示すために大春華から大量の褒美が渡されるという事です。何せ世界の始まりの国と自称しているようで、その皇帝の使者ですから下々の者へ褒美という名の施しを与えるという事でしょう。」

アル「・・・・・・・無意味だな。」

騎士「褒美が只で貰えるという事で元ローマン帝国の下級貴族(軍人)などは進んで頭をさげていたようです。」

アル「だから決着が着かなかったのか、俺もあのローマン帝国が大春華如きに負けるとは思っていなかったが、これがもしかしたら原因なのかもな。」

騎士「そうでしょう。予想ですがかなりの物が貰えるようです。その為に何度も使者の往来があると軍役を終えた軍人たちは2代、3代先まで安泰という事のようです。」

アル「要は金で敵の頬を引っぱたき、言う事を聞かせてきた問う事か、はっ馬鹿らしい。」


そして大春華国の使者が到着する。使者は皆が俯いて迎えると思っていたようで、馬車を出た瞬間驚きの表情となっていた。アルたちは剣を抜き使者を待ち構えていたからだ。

使者は完全にビビってしまい、うまく言葉を発する事が出来なかった。見かねた護衛の騎士がギルバートに向って大春華国の使者であり和平の交渉に来たことを告げる。


騎士長「和平交渉だと、帰れ帰れ、必要ない。」

護衛「ま、待ってくれ大春華国として卿らに土産を持ってきた。先ずは受け取ってくれ」

護衛は使者の言葉を待つことなく、大量の土産を皆に見えるようにおいていく。その土産は高級な布から金や銀の装飾品など多岐にわたり、ギルバート兵の皆が見えるように置いていく。


騎士長「ほーーーっ、これは見事な土産だ。ありがたく受け取ろう。」

騎士長は何のためらいもなく受け取った事で使者は少し気持ちを持ち直していた。


騎士長「和平交渉と言ったが、降伏以外は認めない。終わりだ帰れ。」


護衛「まままま待ってくれ、こちらの話を聞いてくれ、今、交渉所を造るまってくれ。」


護衛は素早く指示を出し、パタパタと簡易な組み立て式の家を作り出していた。そに家は現代風に言えばパネル式家屋である。だが中はものすごく豪華な物であった。


落ち着きを取り戻した使者は、中に入っていく。仕方ないという表情の騎士長は中に入り驚く。使者が一段高い場所に陣取り、騎士長などを見下していたのだ。

騎士長は気付かない振りをして立っていたが、いら立ちを隠せない使者は吠えた。

使者「なぜ俯かんのだ。我は皇帝陛下の使者であるぞ。」

騎士長「何か勘違いしているようだが、俺たちは今戦争をしている。敵である卿に何故俯く必要がある。」

使者「・・・・・・皇帝陛下は、この世界の始まりから皇帝陛下である。世界最初の王であるのだ、けけ敬意を示せ。」

騎士長「話にならないな。和平交渉ならば、話を聞くが皇帝の事は聴くだけ無駄だ。」


騎士長は、さっさと帰ってしまった。取り残された使者は怒り狂い騒ぎだす。必死で護衛達が宥めていく。この使者は自分が皇帝陛下の使いとなった事で少し舞い上がっていた。初めてのお使いのようなもので、うきうきであったが、自分の思惑との違いで散々な結果となってしまった。


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