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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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302話 来客

カインの活躍によりデスーズ男爵は、元の派閥を率いる事になった。

元派閥の長はカインによって顔が陥没してしまった事で人前に出る事を拒み、屋敷に籠ってしまった。その為に必然的にデスーズが派閥の長となったのである。

元は派閥のNO2であった事もあり貴族達はすんなりと認めたのだが、デスーズは嵌められた事を忘れた訳ではない。長の腰ぎんちゃくをしている3人の貴族は要注意人物である。


デスーズの派閥は、元は60の貴族が集まり他の貴族達をけん制している。(現在51)

南にはデスーズの他に、約60の貴族派、約50の貴族派、約20の貴族派と何処にも所属しない貴族が30家余りある。

実質デスーズと60と50の集まりの貴族達がお互いをけん制している事で均衡が保たれている状態となっている。そこにデスーズが派閥の長となったが元がNO2であった事もあり周辺の貴族達にはあまり影響が出ていない。

だが派閥内はかなり違ってきている。デスーズがまだ伯爵であった頃からすり寄ってきていた者達は裏切りで今は話しもしなくなっている。そしてデスーズが周りの貴族達を滅ぼしたことで派閥というよりもデスーズを天辺とした構図となっている。派閥というより支配している形である。


デスーズは派閥の運営を嫡男に丸投げした。デスーズ自身は武人であり政治や陰謀という物は好まない性格をしている、逆に嫡男は戦闘より政治や陰謀を好む事が分かったために適材適所と思い丸投げしてしまったのだ。それが功を奏した。


嫡男のジョニーは、水を得た魚のように派閥(組織)を固めていった。それと同時に敵対派閥も追い込んで行っている。

敵対派閥には、自派閥の取り込みが出来ない者達には戦争を仕掛ける画策を行なっている。それはもう露骨な嫌がらせである。

嫡男は嬉しそうで楽しそうに別派閥に対して嫌がらせを行なっている。その手足となっているのが次男と三男であった。この二人ははっきり言って無能であるが嫡男の言葉にはきちんと従っている。嫡男について行けば並以上の暮らしが出来ると本能が教えているようで忠実な僕となっている。嫡男も次男と三男には適度な褒賞を与えている。今では立派な領主(肩書のみ)となっている。


そんな兄弟の外にいる庶子であるヒローは領地運営に苦労していた。元子爵領都と周辺を領地としていたが、子爵領全体が今回の戦争で褒賞とされたために完全な人手不足となっていた。約束の孤児たちにも各村を与える事は出来たのだが、今はまだ名目のみとなっている。それは人が居ないために全体で管理する必要があったからだ。

そこにカイン達が表れヒローを助けていた。カインはヒロー達を訓練するためにやってきたのだが、あまりに忙しそうで訓練の時間が取れないと言われたために助ける事になった。

カインはアルに連絡を取りゴーレムの派遣と優秀な者を派遣を頼んだ。

数日後にはケリー輸送からゴーレムと何故か金行員が送られてきていた。


この金行員がそれは又変わった人物で着いた初日からやらかしていく。

金行員は、まずはヒローの家臣たちにテストをしたのだ。その成績と対応力を精査して仕事を割り振っていった。

適材適所という様に面白いほど仕事がスムーズに流れていった。


ヒローは、領地が安定してきたことでカインとの訓練を行なう事が出来るようになった。色々とカインからスキルも貰う事も出来ていた。強くなる自分が嬉しくて脳筋バカになりそうであった。

そこに支援を理由に視察にアルがやってきたのだ。



アルは、ヒローとカインが訓練する所を見学して偶に混ざって模擬戦などを行なっていた。

そんな数日を過ごしていると3人に客がやってきた。デスーズ嫡男のジョニーである。



ジョニーは、アルに対して南の現状を伝えていく。そして何とか協力してもらえないかとお願いをしていく。アルも話を聞いてこの嫡男はかなり使えると判断したが、南地域全体を纏めるという事には賛成できなかった。一つより二つか三つの方がギルバートしては都合が良いのだ。

ジョニーもそれは分かっているが南を纏めるという大義名分を欲していた。ギルバートのお墨付きが欲しいのである。


アル「はっきり言うが、南の三分の一だ。」

ジョニー「・・・・分かりました。三つに分割したほうがいい事は分かっています。」

アル「・・・はぁー、分かった。ヒローお前がデスーズから独立して三つのうちの一つを纏めろ。」

ヒロー「えっ。」

ジョニー「おおおー、それは名案ですね。」ニコニコ。

アル「ジョニー何処がいいかな。」ニヤリ

ジョニー「そうですねまずは南の派閥の内情を説明します。家の派閥はまだ完全に掌握出来ていません。というより反発者は数名まだいます。その反発者は、この南の更に南に行った派閥と繋がっています。

この最南端の地域がおすすめですね。理由としては塩の確保と港がある事です。」

アル「そうだな、海があればそこから交易も出来るしな。他の派閥はあまり魅力が無いか。」

ジョニー「いいえそうではありません。うちと地続きの第三の派閥は、敵対こそしていませんが味方ではありません。いずれは戦う事になるでしょう。いずれ戦う時にヒローが第三の派閥の後ろを取る事が出来る状況であればかなり有利な戦いが出来るでしょう。」

アル「ほーーーっ、ジョニーいい考えだな。もう一つの派閥はどうなんだ。」

ジョニー「はいもう一つは三つの派閥よりかなり小さいですが、きちんと纏まっています。この派閥には手出しをしない方が良いと考えていますね。理由として変人の集まりだからです。」

アル「変人の集まり?」


ジョニーの説明によると変わり者の集まりだという。別大陸から入る交易品や古代文明にしか興味が無い者など戦いを好まず、絵画や美術品、古代文明(考古学者おくという事にしたのである。

それを聞いたアルは興味が湧き一度会いに行こうと思っている。


ジョニーは南の第五の派閥というより何処にも属していない貴族達の説明を行なっている。その各貴族達は、自給自足が出来る貴族たちであり。戦いを好まず静観しているという。攻められれば防衛の為に戦うが自分たちからは攻めるようなことはしないという。

アルは、そいつらはいずれ滅びるぞと思ったが何も言わなかった。それを決めるのは己自身であるのだ。


それからは、ヒローがどうやって攻略していくかの話に移っていく。(カインがニコニコ顔になっていた。)


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