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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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295話 世界は動いている

アルは元ローマン帝国の地図を眺めている。

東ローマン帝国と中央を中心とした地図と大陸全体の地図もある。


ローマン帝国も各地で建国がなされ一応は落ち着いてはいるが、幾つかの火種がくすぶっている。

特に南の貴族連合は火薬庫と言えた。南には幾つかの派閥がありその長が貴族達を取り纏めているが、各自貴族が独立したことにより、自分達の利益の為に貴族同士の争いが起こる事は明白であった。

そんな危うい南に中央のジャシティ・エンファント・ローエン皇帝が侵略するのではと噂が流れている。


アルの支援したジャスティ皇帝はそんな無駄なことはしないだろうとアルには分かっているが、誰かが意図的に流した噂であった。

この噂の為に南の貴族達がザワザワとしている。

まだ中央の体制も固まっていない時期に誰が好き好んで戦争などするのだとアルもジャスティも怒っている。


今中央の新ローマン帝国もジャスティ一人の力で建国したようなもので万一ジャスティがいなくなれば崩壊してしまう恐れがある為、アルはジャスティに結婚するように勧めている。

ジャスティも納得しているがその相手が問題と成っている。新ローマン帝国の家臣たちがジャスティに娘を進めてきている事もあるが、今は国外から皇帝妃を迎える事が重要と判断しているようで、その選定を行なっている。ジャスティとしてはギルバート家の誰かを皇帝妃として迎えたいと思っているようでアルに誰かいないかと問い合わせが来ていた。今ギルバート家の中で嫁に行けるものはアルたちの兄弟姉妹の子供たちである。15で成人となるこの世界では十分に嫁ぐことが出来るだろうが、ジャスティとの年齢差があり奥様方が納得していない。



そんな悩めるアルの元に一報が届く。

それはジャスティの嫁が決まったという知らせであった。その人物は、ロング帝国の皇女殿下であると言う。

ロング帝国はローマン帝国は此処でローマン帝国を飲み込む勢いで元ローマン帝国貴族達に急接近している。支援をしている西のローマン貴族を始め北と中央へも色々と支援している。そして今回の結婚である。大陸で今最も強大な国家となったロング帝国がローマンを飲み込む事が出来ればもう誰も手出しが出来ない程の国家が出来るだろう。アルとしてはロング帝国の事は十分理解している。国政を誤るようなことはしない思っているが、人は変わる物であることも分かっている。


今のロング帝国は野望に燃えている。かつてローマン帝国に対して追い付け追い越せとなっていたが今ではその目標も無くなってしまった。ローマン帝国が滅びた事でロング帝国は大陸統一に乗り出したのではとアルは予測している。ギルバート家としては勝手にやれといいたいがそうも行っていられない状況でになっていた。

アルの所属しているリーフ王国が万一侵略でもされればロング帝国相手に戦わなければならないからだ。

ロング帝国やリーフ王国がギルバート家に喧嘩を売る事は無い断言できるほどの信頼関係は保っている。そして両国も戦争になれば負けると認識している筈だ。


ギルバート家や各王家はその事を十分に理解しているのだが、その下の者達がきちんと理解しているかは不明である。それはギルバート家の力が強いためにその力を削ごうとする動きが出てきている。

強大な軍事力と大陸の輸送を握っている事、各地に領地を持ち王以上の力を持っていいる事、ダンジョンを支配していいる事、そして一番面白く思っていない事はギルバート家の領地は税が安い事であった。


この低い税制で各国の民はギルバートに移住を皆夢見ている事が分かったのである。たまに移住者を募集しているギルバート家は税の事もふれている為に各国の民は自国と比べて税が安い知っていた。その為に各国は税を少し下げたりして色々と対策を行なっている。

人(ゴーレム含む)物(ダンジョン・スキルオーブ等)金(金行、商会)がすべてそろっているギルバート家は各国からしてみれば脅威以外の何物でもない。

街を造れば数日で住めるようになり、戦争を行なえが一日で国が滅びてしまい、大陸中の者たちがギルバート関係の金行から融資を受けている。

ハッキリ言って大陸はギルバート家が支配しているといってもいいだろう。

それはリーフ王国やロング帝国も分かっているが表には決して出さない。ギルバート家としては両国に配慮している事で良好な関係が続いているのだ。それをギルバート家から崩すようなことは決してしない。

所属国のリーフ王国はギルバート家を大切に扱っている。親戚関係という事もあり家臣以上の使いとなっている。


所がロング帝国は少し違ってくる。婚姻関係が無い事もあるが、ロング帝国内の一部貴族はギルバート家の事をよく思っていない。キエフ王国を割譲した事やギルバート家が輸送網を支配している事が面白くないのだ。自分たちに既得権が無い事が面白くなく、かなりの不満となっている。

そんなロング帝国に幸運が訪れたのが今回のローマン帝国崩壊であった。


此処でローマン帝国を飲み込む事が出来れば一気に大陸の覇者となる事が出来るのだ、以前の超巨大国家のローマン帝国ではないのである。普通でそこそこの国となってしまった各ローマンはロング帝国が勝つことも出来る相手までになり下がっている。東ローマン帝国を除けばロング帝国が有利に戦い飲み込む事が出来るだろう。


ロング帝国は、中央の新ローマン帝国皇帝に皇帝妃を送り込んできたのであった。戦わずに同盟関係を結び中央から西を懐柔して地続きでロング帝国と繋げる事が出来るのだ。戦争でなければギルバート家が介入する事は無い判断したからこそこの手が使えるのだ。実際にギルバート家が介入する事は無いのである。



アルはロング帝国皇帝の事をよく知っている。ロング帝国が健在であればロング帝国も大きな野望など持たなかっただろうとアルは大きなため息をはいていた。(ハーーーア)

今のところロング帝国はギルバート家と正面から戦う姿勢はない。戦いを避けてロング帝国の巨大化を図っていると予想される。ロング帝国は婚姻で世界中と結ぼうとしているようであった。



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