286話 影星
半魔物は、知能も上がり力も魔物時代より強力となっていた。
その中でも知能の高い、アラクネは糸で男たちをグルグル巻きにしてニコニコ顔で引きずっている。
何処かに連れ込むつもりのようで、グルグル巻きにされた男たちは必至になって脱出しようとしている。
そこにアルが駆けつけていた。アルも半魔物となったアラクネがこれほど知能が高くなっているとは思ってもいなかった。
アラクネが人の言葉を理解して喋っているのだ。
アレクネ「あら~、いい男じゃない、貴方も一緒にどう。」
アル「遠慮する、それより俺の仲間を返してもらうぞ。」
アラクネ「フフフフ、い、や、よ。」
アルはアラクネに斬りかかるが、アラクネはアルの剣を前足で受け止めてた。驚いたアルは一旦後ろに飛んだ。
アル「俺の剣を受けれるなんて凄いな。」
アラクネ「フフフフ、そうでしょう。半分機械になったけどね、その分力は10倍以上強くなったわ。フフフフ。」
アル「・・・・・グレイめ。」
アルはアラクネに剣で斬るつけるがアラクネは簡単に受け止めてしまっている。魔法も放ったが全く効いていない。
それでも生物であると考え焼き殺すことにしたのだが、炎に包まれてもアラクネは、平気な顔をしている。
アル「何なんだお前は」
アラクネ「フフフフ、私たちは特別なのよ。貴方まだまだ強くなりそうだから、強く成ったら又来なさい。」
アラクネがアルに語った直後に、アラクネから糸の網が放たれていた。アルは何とか避けたがアラクネはもうその場にはいなかった。捕まっていた男たちもその場に置き去りにされていたことでアルのアラクネを追う事はしなかった。糸でぐるぐる巻きにされているもの達をこの場に放置する事は出来なかった。
捕まっていた男たちはみんな涙目になっていた。ギルバートの精鋭として戦う男たちであったが、アラクネの捕まった後の悲劇を逃れた事で泣いていた。
アラクネは、男を攫い死ぬまで搾り取る事で有名であった。普通この世界の犠牲者は同じ魔物であったがアラクネが半魔物となった事で人もアラクネのターゲットとなってしまったようだ。
そんな事を思いながらアルは糸を解く為に焼いている。
アル「少し熱いぞ、我慢しろよ。」
男たちを助けた後も半魔物を倒していくがアラクネのように強力になった者はいなかった。
それでもかなり強くなっていると感じている。
カイン「アル、粗方かたずけだが、結構逃げられたな。」
アル「強い半魔物は逃げに徹していたのでしょうね。これから問題になりそうですね。」
カイン「そうだな。それより一度もるか。」
アルとカインは都市に戻る事にした。捕虜としたグレイ達から詳しい話を聞くためである。都市を取り戻すことは成功したが、半魔物という厄介な物を放ってしまった事でその対策をしなければならなかった。
その後にグレイから尋問を行ない。半魔物の事が判明していく。半魔物は、機械と魔物の融合であるが、生殖機能があり子孫を残す事が出来るようだ。そして子孫は半魔物として生まれるという。
アルは機械部分が生み出されるのかと質問した。グレイの研究者だろうか得意げに生まれると同時にナノマシンが取り付き成長する速度で機械化されると得意げ騎説明していた。
そのナノマシンは、数千個も半魔物に取り付けているというのであった。アルは目まいがしてしまう程衝撃であった。
グレイ達に詳しく聞いていくとおかしな話をしていることが解って来た。グレイ達からたびたび出る言葉で影星という言葉だ。アルは影星とは質問すると、グレイ達はこいつ何言っているんだという顔をしている。
グレイ達には常識となっている影星であったがアル達には初めて聞く言葉で何を指しているのかが全く分からなかった。
グレイ王に確認するとグレイ王も驚いた表情になっていた。
それはこの星の影にもう一つ惑星が存在しているという。4000年前は常識となっていた事で影星が忘れ去られているとは思ってもいなかったようだ。
グレイ王は、影星の事をアルに説明していく。
この星の影に常に隠れている惑星(兄弟惑星)が今も存在している。その惑星は、この星から見る事が出来ないと説明している。
その影星は弱肉強食の世界であり修羅の世界だと嬉しそうに説明している。強い者が勝ち弱い者は淘汰される。グレイ族たちも何度かか挑戦しているが多くのグレイ族が死んでいるという。それでもいつかあの影星の強者となるのだとグレイ王は右腕を高く上げていた。
アルはグレイ族大丈夫かと思ったが大人であるアルは黙っていた。
そんな影星に半魔物を洗脳化(ティム化)して投入しようと計画があったのだ。半魔物軍団をつくり影星の魔物とたたう事を計画していたのであった。
それがこの星に半魔物たちが放たれてしまったのだ。アルとしてはこの半魔物たちを駆逐しなければならかった。
知能が高いために魔物が支配さる恐れをアルは抱いていた。
アルは半魔物と化した者達の殺し方を聞いていく。グレイ王は装甲の厚いものでも生きている為に体の内部からならば壊すことが出来ると説明される。グレイ王は、ナノマシン(破壊)を半魔物の口の中に放り込めれば1日、2日で半魔物は機能停止(死ぬ)と言っている。
そしてアルはグレイ王から趙金属で作られた武器を渡される。剣と槍、そして弓であった。各10本がアルに渡された。この趙金属でできた武器は半魔物の装甲を斬る事が出来ると力説している。影星用の武器として作成された物であり。実体のない魔物でも斬り殺すことが出来ると説明された。アルは(はぁ)こいつ何言っているんだと再度思ったが黙って説明を聞いていた。
グレイ王は、お詫びとしてアル達にある設計図を渡してくれた。この設計図は4000年前にグレイ達の技術ではなくこの星の住人たちが開発した物だと説明してた。まぁ多少はグレイ達の技術を参考にしているのだが、独自の技術として空飛ぶ船の設計図であった。アルたちは空での移動はドラゴンたちを使い可能であったが大量輸送が出来ない事がネックとなっていた。グレイ王はその解決策としてこの輸送船の設計図を渡して来た。
それは、今アル達が開発している物の進化版のような物であった。




