284話 都市侵入
地上での戦いが激化している頃。アルたちは海底から離脱都市に侵入していた。
都市のプールに顔を出したアル達10人は周りをキョロキョロと確認していく。
アル、カイン、アンネローゼ、ルビー、トム、アスカ、ミールにガイス、ユウレイとスミスの10人である。
誰もいない事を確認するとアルたちはプールから上がり都市の指令室を目指すことになる。予想される敵戦力は、グレイ族は外に集中している為に都市内は2000程と予想しているが、機械人形と言われる高性能ゴーレムは、かなりの数になるだろう。アル達からにしてみれば機械人形など大した戦力と思わないが、この建物をなるべく破壊しない事が条件で都市の地図や物資などを提供されている為にアルは大魔法なしで戦わなくてはならなかった。
アルたちは指令室(高層ビルの上層階)目指して進んでいく。
地下を出出るまではグレイ族にも機械人形にも会う事が無かったが、1階に出たとたん囲まれることになってしまった。
丁度タイミング良く、いいや悪く出陣の準備をしているグレイ達とかち合ってしまったのだ。そして突然始まった戦闘で建物内部が破壊されていく。アルたちは、剣と槍で戦闘していたがグレイ族や機械人形はそんなことは全く気にしていないのだ、強力な武器をアルたち目掛けて放っていく。まともに受ける事等しないアルたちは避けるよして建物を破壊していくのだ。
これにはアルもアチャー拙いかもと思ったがもう壊してしまったものは元には戻らないのだ、気にする事を止めたアルは、出入り口と思われる大きな扉目掛けて魔法を放つ、アルの放った炎の最大魔法は、巨大な扉を高温で溶かしてしまった。建物内部からの高温で扉は熔けて開かなくなってしまっていた。
アルはあっまずッと失敗したと思ったが、実際は外で戦っているもの達の最大級の援護となっていた。
都市の別の出入り口からも地上軍に対して出動していたその中でもこの場所からは機械人形1000体が出る予定であった。機械人形が1000体外に出れば地上軍はもしかしたら後退していた可能性が高かった。アルの失敗が地上攻撃を継続させていた。
そんな事とは思わないアルはグレイ族と機械人形部隊を10人で相手にしていた。
流石に戦闘能力の高いアル達でもこの機械人形たち1000体はかなりきつい。だがアル達にも有利な点があった格納庫のようなこの場所では1000体と有利を生かすことが出来なかった。その為にアルたちは何とか機械人形を倒していくことが出来ていた。これが一斉にアルたちを襲っていればアルたちは撤退しなければならなかっただろう。
そんな少しの幸運があり、そして又少しの幸運がアルたちに引き寄せられた。
機械人形と戦っているアル達だが、そこにグレイ達も戦闘に加わって来た装甲スーツを着込んだグレイ達は、アルたち目掛けて走って来た。機械人形はグレイ族に対して一切の攻撃が出来ないその為にグレイ族が近づくと戦闘行為をやめてしまう。この場に要るグレイ族たちはそんなことは全く考えていないようで、装甲スーツにかなりの自信を持っている。自分たちが止めを刺す目的でアルたちの元へと走って攻撃をかけていく。ところがグレイ達の戦闘能力は機械人形程強力ではなかった。グレイの放つ魔法攻撃をアルたちが直撃しても耐える事が出来たのだ。
元がか弱いグレイ族である、装甲スーツで戦闘能力を挙げても元が貧弱であるためにアルたちは及ばないのであった。そんな幸運でアルとカインは一気にグレイ達を殲滅した。指揮者であるグレイ達がいなくなったことで機械人形たちは、機能を停止してしまったのだ。
アルはこの事実に驚いたが、一つの疑問も浮かんでいた。グレイ族はもしかしたら戦闘がかなり不得意であり、そして戦闘が好きなのでは思ったのだ。そうでなければ装甲スーツなど着用せずに離れた場所から指示を出すだけで勝つことが出来るのだ。
遠距離攻撃や機械人形のように戦闘能力の高いゴーレムを持っているのだから、戦闘の見える場所から遠隔で操る事が出来るだろうと考えた。
アル「カイン兄、グレイ族は戦う事が好きなようですね。でも弱いから装甲スーツを装着しても戦いたいんでしょうね。」
カイン「ふん、弱いならもっと鍛えろよ。装甲スーツなんて宝の持ち腐れになるぞ。」
アル「ですね。だけどこの事実はこちらに有利になるよ。機械人形とグレイ族は連携が取れないでしょう。」
カイン「そうだな戦闘能力が違い過ぎて無理だろうな。」
アル「グレイ族は脅威になりませんから無視しましょう。機械人形だけを倒しながら行きましょう。」
カイン「おう」
そうグレイ族は戦闘が好きなのだ、というより憧れなのだろう。グレイ族は弱いその為に強者に憧れがあるのだろう。弱いグレイ達が強者になる為に装甲スーツを開発して自分たちも戦う事が出来ると喜んだ。だが元々戦闘能力が低いグレイ達は本当の強者であるアルたちの前では弱者のままであった。
弱肉強食のこの惑星ではまだまだグレイ達は弱者に位置していた。
その事実にグレイ達はまだ気付いていない。4000年前の記憶がある為に本当の強者を知らないのであった。
1階の戦闘も中途半端な形で終わり、2階へと進んでいくアル達10人は警戒しながら進んでいくが、都市全体の広さもありグレイ族や機械人形もいなかった。
グレイ族は元々少ない人数である事と機械人形は今地上へ出ている為に都市内にはほとんどの残っていない。
その為にアルたちは予定より早く上の階に進む事が出来ていた。
2階で人が居ない事を確認したアルたちは指令室のあるビルへと移動する事が出来た。そこにも殆んどの人が居ない状態となっている。都市内に潜入される事等全く考えていなかったようでグレイと機械人形は全て地上に向けられているのだろう。
アルたちはエレベーターに乗り込むと指令室のある90階を目指す。
アル「扉が開いたらすぐに戦闘となると思う。扉が開くと同時に一度か扉の端と天井に隠れよう、その後に出て制圧する。」
カイン「一気に飛び出したらダメか。」
アル「扉が開いて銃を放たれたらこちらが不利になるから、攻撃を躱してから反撃がいいでしょう。」
カイン「まっアルがそう言うんならそうなんだろう。分かった。」
他の者達「「「「「「「「了解。」」」」」」」」




