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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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274話 公開裁判

この新町の商業戦と言われるほど民衆の注目を浴びている。それは元貧民街の者達と商業地区の商人たちの戦いとみられている為であった。

元貧民街の職人たちは、安く、早く高品質を目指しているが、商人たちは利益優先としている為に下請けを安く使う事が大前提となっている。そのためには元貧民街の職人たちを自分たちの下に置かなければならないのだ。質の良い職人を確保できなければ商人たちに勝ち目はない。


そんな当たり前のことを商人たちは見落としていた。新の新町に店を構え新規に注文を受注したのだが、肝心の品物を作り出す職人たちがいなかった。いいやいるのだが品物を高品質に創り出すことが出来なかった。

今迄の職人より数段劣るもの達では高位の物を作り出す事が出来ていない。そこで商人たちは又元貧民街の職人たちにまた下請けをさせようと画策していた。

以前の料金より若干高額にして仕事をさせてやると伝え行ったのだが、けんもほろろに追い出されていた。

怒る商人たちは今度は無法者達を使い職人たちの仕事場に嫌がらせを行なってしまった。そうなればアンネローゼたちが黙っていない。この新町の支配者はアンネローゼ達4人なのだ。


この無法者たちは、即座に捕らえられ公開裁判を行なった。

公開裁判は、商人たちを引き出すための餌である。




新町の広場に多くの人が集まり、公開裁判の開催を待っていた。その中には商人たちの姿もあり役者はそろっていた。

そして、裁判が始まると無法者達の罪状が読み上げられていく。


無法者達の質問や言い訳の中でしばしば商人たち名が上がり、その商人たちも証言台に立つことになった。嫌がる商人たちを引きずり出して証言台に上げると、民衆は一層盛り上がっていく。

商人たちが糾弾される流れになっている事に気付いているのだろう。

無法者達が少しでも刑の軽減をしてもらうために商人達に雇われただけだと必死に言い訳をしている。対する商人たちはそんなことは知らないと必死に言い訳をしていた。

この公開裁判を仕切っている金行員たちは、次々と証人を出して商人と無法者達の言い訳を潰していく。


何しろこの裁判自体が茶番であり、勝つことが分かっているのである。

新町で虐げられていた者達が証人であり証拠であるのだ。新町全体を敵に回している商人たちに勝ち目はない。

商人たちは、公開裁判の見学から黒幕としてとらえられ被告人となっていた。

無法者達の公開裁判から商人たちの断罪の場となっていった。

商人達のこれまでの悪事や脱税なの証拠が次々と公開されていく。驚く商人たちを尻目にその公開されていく証拠の品々は、商会内の者でなければ絶対に知りえない物が多く含まれていた。

その証拠の品々を見せられた商人たちはガックリと肩を落としている。


それは商会内に裏切り者がいる事を表していたからだ。そして無法者を雇った商人や脱税をしていた商人たちは多くの賠償金を支払う事となった。ほぼすべての財産を差し押さえられたも者や何とか店だけは確保した者、一部は切り向けた者もいた。


全ての商人を潰すことはできなかったが、悪徳と言われていた商人たちは潰すことに成功していた、そしてこの新町の土地を取り戻す事には成功した。


この公開裁判のメインイベントである。無法者達(一部商人)の刑が決定した。


処刑は、雇った商人と無法者の幹部たち、他は犯罪奴隷となった。


処刑となる者達は、石投げの刑とされた。これは広場の中で棒に縛られた罪人たちに民衆が石を投げるという物だが、一思いに殺されない事で痛みや苦痛が死ぬまで続く事で普通に処刑される方が苦しみもなく死ねるのだ。

そして民衆は歓喜に沸いていた。自分たちが処刑に参加できることが娯楽であり、恨みを晴らせる機会なのだ。

この処刑は、1日で死ねる者はかなり幸せなのだろう。多くの者は1週間程度苦しみながら死んでいく。恨みを持っている者は、この処刑されるもの達に水を与える者まで居る。人は水が無ければすぐに死んでしまう事から、水を与え少しでも苦しめる様にしているのだ。罪人たちもその事は分かっているのだが水が目の前に差し出されれば飲んでしまっていた。


そんな公開処刑も終わり、新町も落ち着きを取り戻していく。



元ハマ王国王都の中心と成りつつある新町は、もうアンネローゼたちが炊き出しを行なう事は無い。自力で生活が出来るようになっていた。

そんなアンネローゼの元にアルから戻るようにと手紙が届いていた。


アンネローゼはアルからの手紙にウキウキとしながら帰る支度をしている。

他の3人も少し浮かれている。

そんな4人を新町の物たちは盛大な送別会を開いた。

驚いたアンネローゼたちであったが旅発つ前日は町全体で飲めや歌えやの大騒ぎとなっていた。この気前のいいアンネローゼはこのすべての費用を出すことにした。

旅発つ日にアンネローゼは、新しくこの町の町長に就任したギルバート家の家臣に金貨を渡していた。


アンネ「カルロ町長、これからは貴方が指導者よ、これは昨夜の費用よ。」ドサッ。

カルロ「アンネローゼ様、大切に使わせていただきます。ギルバートの一員として頑張ります。」

アンネ「困ったらいつでも言ってね飛んでくるわ。」



アンネ達は元コルテア王国へと飛び発っていった。


もどった元コルテア王国では、開発が進みコルテア貴族達の淘汰が進んでいた。

アンネはアルの元を訪れると、ヒドレイ王国の事を聞かされる。

3カ国のうちまだ健在なヒドレイ王国は国境を固めローマン帝国の侵入を何とか阻んでいる。阻んでいるといってもローマン帝国が占領している地域もありヒドレイ王国は、今の領土を守っている状況である。


そんなヒドレイ王国内からアルの元に使者がやってきたという。普通であればローマン帝国に使者を出すのだが、アルの元に使者を送り込む事で、ヒドレイ王国がこちらを調べ正確な情報を掴んでる事が分かる。


その使者はアルたちにローマン帝国との和議を願い出ていた。

アルとしてはかなえてやりたいが、ローマン帝国は、和議には難色を示している。ローマン帝国の目的は大陸制覇であり、共存ではない。特例でリーフ王国周辺は同盟関係にあるが、アルたちギルバート家がいるためにローマン帝国としては例外とされているのである。







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