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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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273話 変わる街

元ハマ王国王都の治安は安定している。ローマン帝国の役人たちの統治もあるが、アンネローゼたちの貧民たちへの炊き出しが大きな貢献をしている。食料不足で疲弊している王都内で貧困層が暴動を起こさない事は、治安維持から見てもかなりの貢献であった。

それがギルバート家が関わっているとなれば、ローマン帝国の役人では文句も言う事が出来ない。

アンネローゼたちは、好き勝手に元ハマ王国王都でスラムや貧民たちを手名付け開発をしていた。


スラムと貧民街は王都内でもかなり広範囲を占めている。王都全体の4分の1もあるがその4分の1が清潔で、雰囲気のある町に生まれ変わっていた。

アンネローゼたちは、この地域を勝手に改装している。雰囲気のある建物は残しているが、ボロボロな建物や、邪魔な建物は取り壊し、雰囲気のある建物へと変えていた。

少し通りを広げ屋台も出せる広さにすると、才のある者達に屋台を与えていく。勿論食料も格安で提供していく。

何故アンネローゼたちはこのような事をしているのか、それは暇だからだった。

アンネローゼたちは、カインやアル達と行動を共にしていたが、今アルはコルテア王国の開拓を行なっている。カインはハマ王国にいるが戦いに夢中であり、強者を求めて各地に駆けまわっている。そんな状況であるために女たちは戦いの場から離れ、この王都で慈善活動を行なっているのだ。慈善活動と言ってもただの慈善活動ではない、きちんと目的があった。優秀なもの達を引き抜くことだ。スラムや貧民街の者達でも優秀なもの達はいる。生活の改善を行ない能力を計っていた。

大人より子供の方が能力の伸びがある事でT国子供たちの行動を観察していた。

その中でも特に優秀なもの達が数名いる。


掃除一つとってもうまく子供たちを使い指示を出せる者、工夫しながら掃除をしている者や炊き出し時にきちんと並ばせるなど効率よく出来る者がいる。そんなもの達に希望を聞き、この地に残るかギルバート家に雇われるかを選択させていた。無理矢理連れて行く事はしない。あくまで自分の意志で決めさせていた。

この地に住まう者にとって今やアンネローゼたちは神に等しい存在までになっている。

飢え死に寸前のスラムや貧民街で救世主であり、救いの神であったのだ。敬わない方がおかしいだろう。


そんな神に等しいもの達からの誘いとあって多くの者達がギルバート家の家臣となる者がいた。このハマ王国に残る者達の中でもギルバート家に仕えたいという者も居るために、この地を改装する事になってしまったのだ。

ハマ王国王都の5分の1も広さのあるスラムと貧民街は急速に栄えていく。

メイン通りを作り、屋台を並べて人を呼び込み活気のある町になっていく。他の王都よりも価格も安くなっている為に多くの人々を呼び込んでいる。


ハマ王国王都はスラム街、貧民街の他に貴族街、王城、平民街と商業地区がある。

一番広い地域は平民街であるが、王城と貴族街もかなりの広さである。だが人口の減ってしまったハマ王国で王城とスラム、貧民街以外では男手が不足している。その為にスラムと貧民街の男手の需要が高まっている。仕事も選べるほどに出てきていた。

賃金も平民並み出すことでもうスラム街、貧民街と言われ無くなっていた。町がキレイになり仕事もある為に平民街と何ら変わりが無くなっていく。


そんな光景を苦々しく見つめる者達もいる。今まで甘い汁を吸っていた者達だ。多くは商業地区で商いを行なっているもの達である。スラムや貧民街の者達を安く使い潰して儲けていた者達だ。

仕事が選べるほどになってしまった事でもう安く使わるところに行かなくなっていた。その為にこの商人たちは、儲けが出ずに商業地区が廃れていた。廃れる商業地区の代わりにこの新しい町と言える元スラム街と貧民街が頭角を表している。

汚い町から商店街が出来上がり、貧民街で下請けを行なっていた名もなき職人たちが店を構え繁盛していた。

元貧民街の職人たちは、商業地区からの下請けで培った。無理な仕事を熟していた事で早く、安く、商品を作り出すことが出来るようになっていた。

無駄を省き効率よく、高品質の物を作り出す。これが出来る事で靴職人や家具職人、大工や装飾士、お針子などに仕事が回ってきている。王都内で元貧民街の職人たちが下請けの仕事を行なっている事は誰でも知っている。今までは貧民街の治安が悪く出向く事が出来なかったために王都の商業地区で買い物していたのだ。それが街の治安が改善したために安くできるこの新商店街に人が集まってきている。

アンネローゼたちが、改善したことでこの職人たちは救われていた。偶然であるがアンネローゼたちは多くの者達に希望と夢を与えている。


そんな活気に満ちた町に商業地区の商会が乗り出してきていた。人の集まる場所に店を出そうと建物を買っていたのだ。この地域の建物の多くは平民たちが所有している。その為に格安であるが家賃が発生していた。商業地区の商会は、平民たちから家屋を買い取り、家賃を挙げて追い出そうとしている。格安家賃から高額な家賃となった事で多くの者達が立ち退きとされてしまった。

アンネローゼは、怒り心頭で殴り込みしようとしていたが、他の者達が必死で宥め止めていた。

何か解決策が無いかをアンネローゼ以外が必死で考えている。


相手が金の力を使うのであればこちらも金と権力を使う事となり、ギルバート家から大量の金と物資が送られてきた。

新街(元貧民街一部)の平民街に近い場所は商業地区に買い占められてしまっていた。その他の地域はまだ平民や貴族の所有となっている事でアンネローゼたちは、ケリーとマリーの力を借りて金行員たちで交渉にいかせる。

金行員たちはもう慣れた物で金を融資する事を前提に次々と契約を取っていく。

対する商業地区の商人たちも必死で買取行為を行なっているが、資金力の違いとその後のケアの違いで金行員が乗り込んだ後は1件も契約する事が出来なかった。

そして新街の5分の4を買い取っていた。残りの5分の1は商業地区の商家が買い取っている。

計画では買い取った場所でもう一度町を造りなおす事になっていたが、あくどくなっていく商業地区商人たちを罰する事になった。金行員たちは悪い顔をしてアンネローゼたちに説明していく。


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