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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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261話 要塞と周辺

このハマ王国の要塞は、今アルの(仮)所有になっている。

捕虜たちもこの要塞内では、自由行動が許されていた。この広い要塞をアル達4人では管理できないために要塞の出入り口を封鎖している。その為要塞内であれば自由にすることが出来ていた。


アル「将軍、もう少し待ってくれ、今ローマン帝国と話をしている。」

将軍「問題ない、こんな落着いた日が送れるとは思ってもいなかった。」

アル「あーーそうか、ここは最前戦だったんだな。」

将軍「左様、毎日が戦いと準備の日々だな。だが今は戦う事をしなくてよいのだ、こんな平穏な日が来るとは思わなかった。」

アル「偶にはいいんじゃないか、骨休めの積もりで休養しとけよ。」

将軍「そうさせてもらおう。」



このハマ王国要塞では日々の食料などは、近くの村々が要塞に麦や野菜を納入しているが、今は封鎖されている事で搬入が出来ない状態となっている。その為に要塞出入り口で物資等を受け取っている。

ハマ王国の村人や商人は興味津々で色々と聞いてくる。ギルバート家の家臣たちが物資の受け取りや商人を相手にしている事で、村人たちは、当分は戦いが無い事を理解したようだ。

村人たちは、ハマ王国だろうが、別の国だろうがあまり関係がなかった。ハマ王国の国境沿いの村などは所有者がコロコロと変わるのであった。自分たちの村が戦いに巻き込まれずに暮らして行ければ何も問題はないと言う。


村人「おら達は、百姓だきー、こうして麦や野菜を買ってくれるだけで助かっちょるよ。」

家臣「そうなのか、だけどこれからはもっと生活が良くなるぞ、新しい領主は気前がいいからな。」

村人「ホントかえー、」

家臣「そうだぞ、俺も元は農民だったが、今じゃ貴族様になっているしなアハハハハ。」

村人「えっ、貴族様だっんかえー、こりゃいけねー。」

村人は土下座しようとしていたが、家臣が止めさせていた。家臣は村人に今の領主の事を説明していく。

自分を例にとり砕いた説明をしていくと村人は信じられないような表情をしていく。

ただの農民が貴族にまでなってしまっている。それも何百人もの平民が貴族となっていると聞かされても普通は信じないだろう。だが村人が信じられることはあった。この家臣の話で農業に詳しい事だ。普通の貴族や町で暮らす平民では分からない事をこの家臣は知っているのだ、農家と農家が話すように会話が成立していたのだった。


家臣「まぁ信じられないだろうが、俺は元農家だよ。此処に領主と来ている半分以上は農家の出だぞ。」

村人「ホントかえー。」

家臣「嗚呼、本当だ。だからこれからの生活が変わるぞ。勿論いい方にだ。」


そしてこの噂は要塞を中心に広まっていく。農家の麦や野菜などを今までの価格より高値で買い取っている事もあり、真実味があると村人を中心に噂が広がっていく。

その噂は勿論ハマ王国王都にも伝わっていくが、少し変わって伝わっていた。要塞が落とされたことは正確に伝わったが、落とした者がドラゴンになっていた。それは要塞から飛び発つドラゴンや要塞内に降りるドラゴンが頻繁に目撃されている事もあるが、ハマ王国の偵察隊が誤報を城に伝えた事でドラゴンが要塞を落とし支配している事になっていた。

ハマ王国としては、ローマン帝国が要塞を支配していれば間違いなくハマ王国内に乱入してくると思っている為にその気配さえない事でドラゴンが要塞を落としローマン帝国とハマ王国を分断したと思ってしまっていた。ハマ王国としては東軍の間ローマン帝国からの侵略が無い事を安堵していたのだ。長い戦いの為にかなり疲弊してしまっていた。そこにふって沸いたようなこのドラゴン騒動である。

ハマ王国は、要塞よりローマン帝国の侵略が一時的にでもなくなった事の方が重要とされてしまっていた。

要塞は当分の間はドラゴンの住処とさせるが、時が経てば勝手に出ていくだろうと勝手に思っているようであった。なにしろだラゴンを相手に戦う事は全く考えていない。ドラゴンに勝つ事は出来ないと初めから思っている為に兵を消耗させるようなことはしない。逆にローマン帝国がドラゴンによって消耗する事と思っていた。



その間に要塞の横に交易の村だ出来上がっていた。要塞内の出入りが制限されている為にかなりの不便になっていた事でアルは、要塞の横に交易所を作ってしまった。これは今までローマン帝国とハマ王国での交易は無かった。それはそうだろう戦争中であり、敵国と好き好んで交易を行なえばよくて投獄、下手をすれば処刑されてしまうからだ。そこに第3者であるアルたちが中に入ってきたのだ。両国の者達はこの交易所で、アルたちを挟み交易を開始していた。実際は両国の者達は直接交易を行なっているのだが、誰もその事実に触れる事はっしなかった。あくまでアルたちを中に入れて交易をしていると言う建前にしていた。


この交易所は急激に大きくなっていく。ローマン帝国の技術で作り出している農機具や生活に便利な道具をハマ王国の商人や農家の者達が買い漁っているからである。今まで手に入らなかったものがこの交易所には溢れるほどあり価格もかなり安めであった。税金が掛かっていないために安く売られている。

アルの支配する要塞は、周辺の村も支配地となりそうな勢いがあった。


アルは自由貿易をさせている為に一切の税を取る事はしていなかった。アルとしては臨時の領主という思いもあり税なんか取ればきちんと支配しなければならなくなることで税を取る事をしなかったのだ。それが幸運にも上手くハマり、交易所は大繁盛となっていた。


交易所はローマン帝国もかなり関心を示した。交易所から入ってくる農作物は質が良く安い為に人気となっていた。ローマン帝国は国境付近ではあまり農業が発展していない。ローマン帝国では農家は完全に安全な場所になってから農地開発を行なっている為に国境付近では今まで通りの農家しか存在していないのだ、その為に昔ながらのやり方の農作物しか収穫が出来ないために大きな町や都市では食料が割高となっていた。そこに交易所から入ってくる農作物が今迄より安く手に入るようになっていた。

ローマン帝国は、高い輸送費をかけずに農作物を手に入れる事が出来る事でアルの支配する要塞を認める動きとなっていた。


ローマン帝国東地方の総督は皇帝陛下の友人であるギルバートに忖度もあり、認めるサインをしている。



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