252話 カイン無双
決闘当日を迎えた。
男爵側は総勢51299人が集まり、見渡す限り人人人である。観客席から見た男爵側は地平線まで人で埋まっている。
逆に騎士爵側は、スカスカ状態で騎士爵も必死に集めたが100人もいない状態である。
その内ギルバート系の人たちは60人もいた。
観覧席に来ている貴族達は、この戦力差を目のあたりにして今回はギルバートが負けると思っている者のいるようで、かなり盛り上がっておりギルバートの事を面白く思っていない者が多い事が分かる。
ギルバート侯爵家がリーフ王国内で一人勝ち状態と言う事もあるのだが、その恩恵を受けているリーフ貴族達は完全に忘れているのだろう。
そして愈々決闘が始まる。
騎士爵側は騎士爵を守るように円陣を組み円陣の外にカインが一人ポツンといる。
男爵側は、騎士爵達をぐるりと囲むように約50000人が集まっている。
決闘が始まると男爵側は一斉に騎士爵達に襲い掛かるが、一度に攻撃できる人数は少ない精々が300人程度である事で死体を盾に何とか凌いでいる。カインは,円陣の外にいる事で50000人の中に入り自由に敵を潰している。物凄く楽しそうであるが、男爵の兵たちは皆逃げ腰であった。それは仕方のない事でもある、勝ち戦で自分だけ死ぬような危険を冒したくないと言う感情があり、カインは他の誰かが仕留めればいいと考えてしまう事は普通だろう。
カイン「おりゃおりゃおりゃぁぁぁぁ、弱すぎだろうお前らー。」
カインは剣を一振りするたびに2,3人が斬り殺されていく。一歩前に出れば敵がいる状態であり、カインが剣を振る範囲にいる兵は皆、斬られていた。
一振りで2,3人ペースで斬り殺しているが、カインが前に出れば兵たちは一歩下がる為に一人一秒以上かかっている。
順調にカインは斬り殺しているが、カインの動きがぎこちなくなってきていた。兵たちはカインが疲れてきていると思い。カインに対して攻勢に出てきた、カインは必死の形相で敵兵を斬り殺していくが、いつもの切れがなくなってきていた。
そこに円陣から抜け出して来たカインの家臣、ガイスとスミスが「カイン様、トイレ休憩のお時間です」と呟く。
カイン「お、応、すぐに行ってくる。」
カインは、急いで円陣内に入っていく。何故かもじもじしていたカインであるがトイレを我慢していたのだ。剣を振るたびに少しチビっていたカインであるが誰にもバレていない事に少しほっとしていた。
我慢に我慢をしていた尿意は息子をズボンから出すまでの数秒も我慢できない程になっている。カインは必至にズボンのボタンをはずしている。あと3秒、2秒、1秒と息子がズボンの外に出た瞬間に行きおいよく尿も噴射していた。「あっ」カインのズボンに少しだけ引っ掛かってしまっていたが、尿意を放出する快感には勝つことが出来なかった。
カインが、トイレを済ませるとやっと落ち着いたのか今度は腹が減っているこのに気が付く。
円陣内では戦う者と休憩する者に別れている。円陣内では軽食もありカインはサンドイッチを手に取りムシャムシャと食べている。
腹7分目になるとカインは、又円陣の外へと戻っていった。
カイン「おうお待たせ、下がっていいぞ。」
スミス「カイン様、邪魔にならないように戦いますから俺達もまだ外に居ますよ。」
カイン「そうか、なら俺は強そうなやつを探しに行くぞ。」
カインは、スミスとガイスを残して敵の中に入っていく。カインの感で強そうな兵を探していく。カインが進む先に大きな体をした一人の騎士がいる。おっ、こいつはと思いカインはその騎士に近づいていく。
カイン「何だたしたことないな。」と呟いてしまっていた。カインの感覚で騎士はそれ程の猛者ではなあかったようだ。一方騎士の方は、自負があるのか強者として振舞っている。
騎士「よき敵がやっと来たか。待ちくたびれたぞ。」
騎士はカインに対して剣を抜く。カインはそんな騎士に眼もくれずに剣を振っている。そして騎士に対しても同じように剣を振り抜いていた。騎士はカインの剣を剣で受けようとしたがカインの剣は騎士の剣を斬り、騎士の肩から腕をバッサリと斬り落としていた。
「ギャーーーーーー。おおおお、おれのううう、腕がーーー。」
騎士の腕は剣を握ったまま斬り落とされていた。それも二つに分かれて斬り落とされている。もう二度と騎士の筆は戻らないだろう。
そしてカインがもう一振りすると騎士の命は無くなっていた。周りにいる騎士や兵士は、この騎士が殺されてっしまったことが余程ショックだったのか皆呆然としている。だがそんなことはお構いなしにカインは近くにいる兵士たちを斬り殺していく。
その後も何度か、自称強者もいたがカイン相手では自称となっても仕方がないだろう。
50000人いた兵士が400000になり、30000人になっていた。それでも男爵はまだあきらめていない、一人で戦っているカインならば勝てるといまだに思っている。もう少し立てばカインの疲れはて殺すことが出来ると思っているのだ。
カインは、ハイヒューマンであり通常の人とは違う事を男爵たちは理解していないようだ。
観覧席にいる貴族達も同じようでありカインが疲れ果て負けるところを見たいようであった。
その為に殺された騎士や兵士たちはそのまま放置状態となっている。カインに休憩時間を与えないように兵士たちも次々とカインのもとへと向かわせられている。腰の引けた兵士たちは、逃げ回りながらカインに殺されていく。
カインは、疲れるどころか元気モリモリである。敵がいまだに堪えない事に喜びで顔がにやけてしまっている。カインにしたら弱い兵たちであるが、絶え間なく襲い掛かってくる兵たちは良い訓練になっていた。
そして30000人まで減った男爵側も20000人になり10000人を切ってしまっていた。
カイン「おッ、何かスカスカになって来たな。もう終わりが近いな。」
このカインの一言で男爵側の兵たちに動揺が走る。50000人もいた兵たちがもはや10000もいないのだ。動揺するなと言う方がおかしいだろう。
男爵側の兵たちは、カインから離れる様になっていた。要は逃げているのだ。