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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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249話 カイン管理官

ルイスとカインはサマーズ領に着いたが、すぐには行動しなかった。

アルの指示に従い、まずは調査を行っていく。その調査は、サマーズと争いとなっているリーセット男爵家の調査である。夫を追い出して妻が仕切る今のリーセット家を調べていく。

調査でかなり面白い事が分かって来た。かなりの借財があり領地が担保となっている。この状況で本当に夫婦喧嘩をしているのが不可思議であるが、夫婦喧嘩中として考えていく事になった。

夫は他領に居座り、サマーズから譲歩を引き出すことが目的なのかはまだ分からないが、妻の方は借財返済に必死になっている。

普通に考えれば夫婦は演技をしている。借財返済の為に何かしらの方法を考えている。


ルイス「カイン様、もしかしてですが、リーセット家は領地を明け渡して借財を返済したその後にサマーズの領地を手に入れて暮らそうとしているのではないでしょうか。」

カイン「ん、借財返済までサマーズの領地に居座って返済後に行動に出ると言う事か。」

ルイス「そうです、リーセットとの争いに負けたサマーズに攻め込まないのが不自然でしたが、借財返済を考えれば、借財返済前にサマーズ領を得てしまえばサマーズ領も手に入れる事が出来ません、だから時期を見ているのではないでしょうか。」

カイン「サマーズ領は溜まってもんじゃないな。いい迷惑だな。」

ルイス「・・・・・本当にい迷惑です。殺してやりたいぐらいです。」

カイン「だよな。まぁ俺に任せとけ。」

ルイス「夫婦喧嘩の偽装までして本当に必死ですね。」

カイン「どうだろうな、本当は最初は喧嘩していたのかもな。」



リーレット家の借財は事業の失敗であった。前男爵が事業を失敗して大きな借金を作り領地が担保となっていた。現男爵は何とか借金を減らそうと色々と動いているが利子を支払うだけでも大変な思いをしていた。

そこで思いついたのが、隣の領地に揉めて因縁をつけ金をせしめようとしていた。この夫婦は実際は仲が良く協力し合っていたのだ。金もないのに浮気など出来るはずもなかったのだ。


そんな夫婦の計画も所詮は素人であり穴だらけの計画であった。行き当たりばったりの計画となってしまっている為に全貌を中々掴む事が出来なかったのである。

そんな夫婦もまさかギルバート家が出てくるなど想像もしていなかった。

カインは居座っている現男爵の所に行き男爵にデコピンをパチンとおでこに放つと男爵は3Mぐらい吹っ飛んで終了してしまった。今まで居座っていた男爵は気絶して家臣にお持ち帰りさせる。

ギルバート家の手紙を添えてであるために、サマーズに今後手出しは出来ないだろう。

サマーズはギルバート侯爵家の寄子となり今後は保護してもらう事になった。勿論担当はカインである。カインはこの騒動で、おもしっろかった事で各地を廻り寄子を増やしていく。


デコピンで気絶したリーセット男爵家は、借財返済の為に領地を取られてしまうのだが、リーフ王国では領地を担保にすることは認めていない。

金を貸した者が貴族でればまだ話は通る事もあるが、平民であれば領地を担保にする事自体が犯罪とみなされるだろう。

リーセントに貸した者は平民の商人であった。悪徳商人と言われている者であり、かなり良くない噂が出ている。リーセントもはっきり言って騙されている部類に入っている。だが隣の領地に手を出したことで誰も同情はしないだろう。

そんなリーセントの領地は、差し押さえを喰らい商人の管理下に置かれている。そこにカインがリーフ王国の管理官に扮してリーセント家に向っていた。(リーフ王国は本物の管理官にしている)


カインが管理官としてリーセント男爵家に着くと男爵夫妻が対応をするが近くに家宰となった悪役商会の者がいちいち指示を出していた。その指示に従い男爵夫妻も動いている。

カインの指示でつれ来ている役人たちが、リーセント男爵家の内情調査を行なう為に動き出す。


カインは優雅にお茶を飲んで待っている。


そして役人たちはカインに報告していく。男爵家の収入と支出、それと男爵家の違法取引等が出てきていた。違法取引が出た事で全ての男爵家の使用人が拘束されている。家宰となっている者を含めてすべての人であった。調査が進んでいくと悪役商会の関与も分かり商会の者達も拘束されていく。

悪役商会は平民であった事で知らなかったようだが、貴族は平民より厳しく国から指導されている。民の税を預かる貴族は、かなり窮屈な生活をしているのであった。


その事を理解できずに悪役商会は、男爵家乗っ取りを計画していた。もう少しで完全に乗っ取りが出来たのだがあと一歩及ばなかった。万一貴族となっていても罪が重くなりただの処刑では済まなかっただろ。

今回は平民が貴族家乗っ取り計画として処理された。

その為に普通の処刑となった。苦しまずに死ねることになったのだが、本人が死ぬ事のは変わりはない。


そしてリーセット男爵家であるが、前男爵の借財からの事であるために調査は困難であった。リーフ王国は悪訳商会の被害者として扱った。悪訳商会の財産をリーセント男爵家が半分取り借財返済となった。実際にはリーフ王国が財産没収している。

問題はリーセント男爵家とサマーズ男爵家の問題である。攻め込んだリーセント男爵であるがカインに撃退され最終的に負けている。その為にサマーズ男爵家に対して領地の3分の1を割譲する事となった。隣地の領地の割譲である為に話はスムーズに進んでいく、実際に割譲するリーセントは3分の1取られても以前よりゆとりのある生活が出来ている。今までは借金返済の為に切り詰めての生活であり。貴族であっても一日1食の生活であった。今では一日3食食べる事が出来るために、家臣たちも少し余裕のある生活が送れるようになっていた。

同じ男爵でありながら、リーセント男爵家はサマーズ男爵家の下に着く事になった。お詫びとしての行動であったが、リーセント男爵家は、ギルバート家の寄子となったサマーズ男爵家にすり寄っていく事にしたようだ。苦労を重ねているリーセント男爵家は、生き残るすべを身に着けているようだ。


その後の調査で悪役商会に鴨にされている貴族家が多くいる事が分かった。その後の話であったためにその貴族家たちの救済はかなり遅れてしまった。この問題で商人への調査が厳しくなっていった。


そしてカインが、リーフ王国特別管理官をして正式に任命された。

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