23話 ジークからの手紙
クリスは、無事ギルバート領に戻り父、レビンに報告を済ませた後、部屋に戻り寛いでいる。
コンコン カイン「クリス兄」
クリス「いるよ.入りな。」
カインとアルの二人がクリスの部屋に入っていく。
クリス「おっ、アルも一緒か。」
アル「クリス兄、お帰りなさい。ラーク領はどうでしたか。」
クリス「ああ、かなり疲弊しているな。復興には時間がかかるだろうな。」
アル「そうですか、ギルバート男爵家の初めての寄子ですから助けたいですね。」
カイン「そんなの簡単だろう。魔法を教えてやれば一発だろう。農地開発も何でもできるしな。」
クリス「カイン、出来るからこそ、魔法は直ぐには教えたら拙いぞ。」
アル「そうですね。ラーク領が時間を掛けずに、復興したと知ったらみんなが疑問に思いますからね。」
クリス「そうだ、調べられたら厄介ごとになる。」
カイン「面倒だな。まぁ俺は狩りをして食料確保の仕事があるから他は任せるよ。」
コンコン
メイド「失礼いたします。クリス様、レビン様がお呼びです。カイン様、アル様もご一緒にとの事です。」
クリス「何だろう。報告はさっき済ませたのに。」
アル「取りあえず行きましょう。」
3人はレビンの執務室へと向かう。
コンコン
クリス「クリス、カイン、アルです入ります。」
父「おっ3人一緒か。」
クリス「父上、何かありましたか。」
父「まぁそうだな。」
そこへ、祖母、母と3姉妹もやってくる。
父「全員揃ったな。まずは王都から手紙が届いた。」
ジークからの手紙である。その内容は、今後の男爵家について書かれていた。
現在ギルバート領は山の中の盆地全てが領地となっている。開発している地域は一部だけであるが盆地全てが領地となっている。(山も一部領地)広さとしてはかなりの広さとなる、リーフ王国伯爵領が3つ入るぐらいの広さがある。開発されている地域は全体の5%ほどでしかない。
リーフ王国の貴族達は正確なギルバート領の広さを知らないが、今回併合するラーク領とクレイン領の広さは把握している。
ギルバート領 町1 村・集落5
ラーク領 村10
クレイン領 町3 村20
合計 町4 村35(まだまだ開発の余地あり)
町が4つと村が35この数は一男爵が持つにはいささか多く妬みの原因となる。カインとアルを独立させて領地を分ける。従士家も長年の功績を加味して寄子として領主に引き上げるという内容であった。
ジークは王都でアレン・フォン・ドーマー伯爵に指摘されたようだ。王と貴族や近隣領主のやっかみはかなり酷いようでどうやって足を引っ張ろうかと画策している。寄子として独立させれば直轄地よりは受けが良いとの事であった。
それに、孫たちが貴族(領主)として残れるようにしてやりたいとの思いもあるようだ。通常次男、3男は放逐され平民となるものが多い。
アル「要は小領主のままにして、他の貴族達を騙すのですね。」
父「アル、人聞きの悪い言い方だ。騙すのではない。家臣たちに褒賞を渡すんだ。そしてギルバート領は以前より少しだけ領地が増えるだけだ。」
クリス「どのようにするのですか。」
父「うむ、これが案だ。」
(道は街道)
(山々)
ラーク領 山山山山山山|ーーーーーーーーーーーーー|
山山山山山山| |
道道道道道道道道道道道道道道道道道道道道道| 町1、村5 |
| 道山山山山山| ギルバート男爵領 | (未開発地域)
| 旧ラーク領と 道山山山山山| (田畑が多い) |
| 旧クレイン領 道山山山山山| |
| 道山山山山山山|ーーーーーーーーーーーーー|
| 道山山山山山
| 道山山山山山 (未開発地域)
| 道山山山山
| 道
| 道
| 道
| 道
| 道
↓↓
↓↓
(山々)
ラーク領 山山山山山山|ーーーーーーーーーーーーー|
山山山山山山| |
道道道道道道道道道道道道道道道道道道道道道| 町1、村5 |
| | | 道山山山山山| ギルバート男爵領 | 未開発地域
| | | 直 道山山山山山| (田畑が多い) |
| 従士家| 従 | 道山山山山山| |
| ① | 士 | 轄 道山山山山山山|ーーーーーーーーーーーーー|
| | 家 | 道山山山山山
|ーーーーー| ② | 地 道山山山山山
| |ーーーーーーーー道山山山山 未開発地域
| カイン領 | 従 道
| | 士③ 道 山々
|ーーーーーーーー| 家 道
| | 道
| アル領 |ーーーーーー道
|--------- 道
父「まずは直轄地だが、ここには町を一つ新たに造るギルバート領に入口となる町だな。ほかに村を5つ、各従士家(新領主)は村5つを基本とする。カイン領は町1つと村5・アルも町1つと村5だな。
村と町の数が合わないがそれは後で調整する。」
アル「エーーーー、いらない。」
カイン「俺もいらない。」
父「・・・・・・・」
クリス「・・・・・・・」
祖母「だまらっしゃい。」
祖母イメルダの(喝)かぁーーーーつが入った。
父を含め全員がビクッとした。
祖母「カイン・アルいいですか。次男、三男は領地を継ぐ事が出来ません。領地を貰え領主になれるのですこんなチャンスは一生に一度も無い事です。次男三男は何度生れ変わっても領地は無いのですよ。」
アル「ごめんなさい。」
カイン「ごめんなさい。」
父「領地と言っても事実上はギルバート領だ。基本の方針は従ってもらうし、納税もして貰う。カインは領主としての勉強をしてから領地経営だ。アルは出来るだろうから面倒を見てやれ。
アル「えっ・・・」
カイン「アルぅ、頼んだ。守りは任せろ。戦闘は俺がすべて引き受けるから安心して内政を頼むぞ。」
急に元気に話し出すカインであった。