219話 ナポリへの対応
アルは、ナポリ王国の対応を協議するためにロング帝国へ来ていた。
ナポリ王国が事実上崩壊している事で、難民が溢れてしまっている。そしてナポリ王国内で今動きが出てきていると報告があり。ロング帝国が関係者を呼び出したのであった。
ナポリ王国の西側はセント王国、ダレリア王国、北はロング帝国、南はローマン帝国、そして東側にトウガ王国ある。
このトウガ王国は、ナポリ王国を併合しようとする動きを見せている。
この達マリでも度々併合と口に出している。ロング帝国も平和になるのであればあえて反対はしないようだが、逆に混乱に拍車をかける様であれば攻めるぞと脅していた。
トウガ王国としても北にロング帝国、南と東にローマン帝国に囲まれているこの現状を何とかしたいとの思いが強く出ていた。超大国と大国に挟まれて苦労しているようだ。今のところ両帝国は侵略の意思はないようだが永遠に無いとは言えないだろう。その時の為に少しでも国土を広げたいと思っているのである。
両国を怒らせないように慎重だが、ナポリ王国への欲は隠していない。
トウガ王国は、ナポリ王国内の一つの勢力を支援を始めていた。トンガ王国自体が動く事が出来ないために代理として働かせるためである。トンガ王国内からも義兵として潜り込ませている。
今トンガ王国の西側、ナポリ王国の東側で一つの勢力が出来つつあった。
ロング帝国城内
帝国宰相「アルフォード殿、よく来てくれた。」
アル「宰相閣下の呼び出しに答えないわけにはいかなでしょう。」
宰相「ナポリ王国の事だが、アルフォード殿は侵略しないのか。」
アル「もう領土は広げたくないんですよ。人材がもういませんから。」
宰相「まぁそうなるな、あれだけ急激に領土が広がれば人もいなくなるな。」
アル「それに、セント王国とは関わりたくないでしょう。犬猿の仲だと聞いていますから。」
宰相「その様だな。ナポリ王国とセント王国は長く争ってきている。今更仲よくとはいかないだろうな。」
アル「だからうちは無関心を通しなすよ。まぁ支援ぐらいは行いましょう。ロング帝国が肩入れをしている、ウォルフでしたっけ。」
宰相「ハハハ、知っているのかセント王国に近いからな。何でもそのウォルフは元孤児らしいぞそして強い、仲間の孤児たちも全員が身体強化を使いナポリないじゃ無敵となっているようだ。」
アル「面白い話ですね。身体強化を取得するコツでも見つけたのでしょうね。」
宰相「その様だ、又きちんと調査は出来ていないが、ロング帝国としてはそのウォルフを引き込む予定だ。アルフォード殿に伝えておこうと思ってな。」
アル「分かりました。うちは手を出しません。ですがダレリア王国はレイモンドに任せていますから確約は出来ませんよ。」
宰相「嗚呼、問題ない。アルフォード殿がウォルフの事を承諾してもらえば問題ない。ロング帝国はナポリ王国の領土が欲しい訳ではないのだ。」
アル「取り込んだら一度会わせてください。」
宰相「やはり興味があるかね。」
アル「ありますね。」
宰相「取り込めたら会えるよう段取りはする。」
アル「ありがとうございます。」
宰相とアルの話は終わり。アルは一緒に来ていたレイモンドの部屋に向かった。レイモンドに宰相との話を伝える。
アルとレイモンドはナポリ王国に今後予想をしていく。トンガ王国は間違いなくナポリに侵略をするだろう。そしてロング帝国の支援するウォルフ勢力と当たる事になる。その時に大きな勢力は二つなのか、それとも3つ、4つと出来ているのかを観察する事にした。そしてレイモンドは俺もナポリ内に支援すると言ってきた。アルは好きにすればいいと伝える。
レイモンドのこの発言には少し訳がある。レイモンドの所にまだカイン達が居座っていたのだ。その為にカイン達は戦いを求めている為に、レイモンドはナポリ王国の争いにカイン達に伝える事にした。
この後、レイモンドが帰国した時にカインにナポリ王国内の事情を伝える。ロング帝国とトウガ王国が支援する勢力などを説明していった。
カイン「なる程な、そのウォルフっていうやつにあってみたいな。」
レイ「俺も興味ありますけどね。」
カイン「今のお前じゃ出歩く事も出来ないな。俺に任せろへへへ。」
レイ「あくまで人助けですよカイン兄。」
カイン「分かっているって、どこかの村によってそいつを助けるよ。」
アルたちはまだロング帝国内に残っている。何でもロング帝国でキロエ王国に関する式典を行う予定であるために帰える事が出来ない。
帝都には、アルの館ありそこには毎日帝国貴族の使いが訪れている。アルに取り入ろうと帝国中の貴族が訪問していた。アルはロング帝国に来る事等ほとんどないのだ、このチャンスを何とか物にしようと帝国貴族達は必至だ。アル又はギルバート家と関係を持つことが出来れば繁栄が約束されたような物となる。
その為に帝国貴族達は無駄でも毎日アルの館に通ってきているのだ。そんなアルは変装をして帝都の宿に泊まっている。煩わしいので逃げてきている。
アルの泊っている宿は高級とは言えない宿であった。普通の宿屋であり、家族で経営をしている、父親が厨房で料理を作り、母親が他全てを仕切っている。子供たちはその手伝いをしている。子供は3人いる。
12歳の女の子、10歳の男の子、8歳の女の子である。この子たちが又働きのであった。
部屋の掃除や馬の世話と休むことなく働いている。
アルは子供たちと仲良くなっていた。明るい子供たちは誰にでも話をして色々な人たちから可愛がられていた.子供たちは旅をしている商人や詩人たちの話を嬉しそうに聞いている。
アルとも色々な話をしていた。そこで気づいたのが計算があまり得意でないと言う事だった。アルは宿屋でなら必要だろうと、計算のやり方を教えていた。アルの泊った20日程度であったが、子供たちの吸収力はもの凄かった。計算だけではなく読書きの教本をアルは上げていた。このロング帝国では平民が勉強できる環境はない。貴族の関係者であれば勉強できるがそれ以外では中々機会がない。
そこへ丁度アルが泊まり、勉強のやり方や教本を子供たちに教え、渡したことで子供たちの才能が一気に花開いていった。
アルも折角かかわったのだと、宿を出る時また来ると伝えていた。アルはこの宿に定期的に訪れ勉強道具や教本を置いていくようになってい行く。アルを監視している帝国も宿屋に興味が出たようで何やら画策を始めたようであった。