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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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214話 東諸島開発

東諸島の一つ、トレイシー島と名付けられた島は、今ゴーレムで溢れていた。

人も疎らにいるが目立っているのはゴーレムたちである。山から木を伐り出し、平地に持ってきている。又平地では畑を作るゴーレムに家を建てるゴーレムとゴーレムだらけである。

この作業は3日前から作業に入り72時間は働き詰めであるが、ゴーレムたちは黙々と作業を行なっている。

セリカ率いる難民たち、100人がこの地に着いた時には、大きな家が10件も建っていた。畑も出来上がり、100人は驚きすぎて正気の戻るまでに3分はかかっていた。


100人の先遣隊は、すぐに仕事に取り掛かる。まずはゴーレム使いと打ち合わせを行ないこれからの町つくりと村つくりのやり方を話し合う。基本はもう出来ている様でセリカに説明される。

1万人を予定しての町つくりであったが、これからもっと人口が増えていく事を想定して練り直す。

ダレリア王国国境付近だけでも20万人の難民がいるために、セリカは20万人を収容できる島にしたいと告げるが、無理だと言われ少しシュンとしていた。

それでも最大限収容できる算段を考えて町つくりをおこなう様にお願いしていた。

この島での最大生産力を出すためにはどうするか、全てを畑にするわけにはいかない。

色々と話し合いながら決めていく。




アルはこのトレイシー島の事をきっかけに東諸島の開発を進める事にしていた。大きな島であるガラ島、サド島、シコク島の3島を開発を進める。この島には複数の部族がいるためにその空白地帯を開発する事にしている。島が広いために空白地帯もそれなりの広さがありまともに開発を行なっても10年、20年かかかるだろう。その間に融和政策をとり複数の部族たちをうまく取り込む事が出来れば争わずに一つにまとまるだろうと考えている。


そんな思惑もあり、この3島の開発は重要であった。そしてこの責任者に抜擢されたのが、タリー王国の次男であるファルコン・タリーであった。このファルコンは、武力は勿論だが内政官としてもかなり優秀である。タリー王国は9連国中でも繁栄し平和だ。ファルコンとしてはタリー王国内で平和に暮らすよりも外へ出て自分の力を試してみたいと思っていた。9連国の会合の時のアルに相談してこの責任者となっていた。アルとしてはもろ手を挙げて大歓迎だった。人手不足である事もあったが、王族で家臣もいる者達を雇えることはかなり重要だ島は広く管理が全くできていないこの状態は、優秀な者でなければ治める事は出来ないだろう。それに優秀だけでもダメだろう手足のように動かす事の出来る家臣団が居なければこの島を運営する事は不可能なのだ。

まさに条件にぴったりはまっていたのがファルコンであった。

タリー王国から要職者、貴族達の次男以降を誘いこの島へとファルコンは送り込んだ。

タリー王国貴族を継げないもの達は、挙ってファルコンに着いて行った。


このファルコンと仲の良いバルト王国三男とヒルデン王国次男が俺達にもやらせてくれとアルに訴えた。

バルト王国、ヒルデン王国はティアナス連合国家の一員である事で話はスムーズに進んでいく。

ファルコンとも友人関係という事もあり、困った事があっても助け合いで何とかするだろうと言う思いもあった。

ファルコンを筆頭としてガラ島開発は、タリー分家ファルコンサド島をバルト分家、シコク島をヒルテン分家で進めることなった。

勿論開発した土地はギルバート家から領地として認められることになっている。

そして難民受け入れは各自に任せる事になった。各家の者達は、自国の移住者を優先する為に強制はできない。各家も人口は増やすことは領地運営で必至つなのだ、そして難民受け入れは間違いなく必要である。

その為に今から人を派遣して難民たちを選別している。


ギルバート家の協力があれば開発自体は間違っても失敗しない。


この3家は難民がいる今がチャンスと考えている。人口は直ぐには増やすことはできない。ナポリ王国が混乱している今でなければ領民の確保が出来ないと思っている。況しては島に移住である、普通では絶対に移住はしないだろう。大陸に住むもの達は島への移住など考える前に嫌だというのだ。

だが今の状況ならば可能だ、安心して住める場所があれば進んできてくれるはずだ。


アルは、3家とトレイシー家からの要望でドラゴン輸送を行っていく。輸送は船でと最初は考えたが距離があり過ぎた船であれば半年は掛かってしまう。それならば少数でもドラゴンや飛竜でピストン輸送の方が費用がかなり安く済む事で空輸となった。

ドラゴンであれば一度に100人は運ぶことが出来る。10体、20体で行えばかなりの難民を運ぶことが可能となる。一日1000に~2000人を運ぶ計画で開発も進められていく。


ナポリの難民たちの間でこの移住計画が噂になり、ダレリア王国の国境付近は難民で溢れてしまっている。難民を減らすために対策がかえって難民たちを呼び寄せる結果となってしまっていた。これにはレイモンドのアルも苦笑いしか出なかった。


ナポリ難民たちは必至だ。生き残る事も重要だが、その後の事を考えれば島への移住一択しかないのだ。

事実上ナポリ王国は崩壊してる。村は力のある者が占領し支配している。力のない者達は支配者から食料を恵んでもらうしか食べる方法がないのだ。商店もなく行商いないナポリ王国では、支配者に逆らえば死ぬしかなくなっている。奴隷扱いを受けても食べるために受け入れるしかないのであった。


そんな状況の中で唯一の光明がこの島への移住計画なのだ。ダレリア王国に難民たちが集まるの事は必定であった。


ダレリア王国は難民たちに炊き出しの支援を行なっている。そうでもしなければ死骸で埋め尽くされているだろう。炊き出しも、ギルバート、リーフ王国、ロング帝国の支援を受けてやっと出来る程度だ。難民たちは満腹にすることは出来ない、一日1食が限界であった。それでも食べられるだけこの場にいる難民は運が良いだろう。ダレリア王国付近で襲い掛かる者はいないのだ。ワイバーンや飛竜が警戒を強めている為に盗賊類は近寄る事も出来ない。




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